宇宙マニアのちっち(6歳の息子)と

筑波宇宙センターに行った。

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宇宙飛行士の毛利衛さんが誘ってくれて、

特別に案内してくれた。

現場の待ち合わせ場所に付くと、

なんと、あの野口聡一宇宙飛行士もわざわざ顔を出してくれた。

野口さんとも以前一緒に仕事をしたことがあるのだけれど、

僕らがそこに行くのを知っててくれて、

まさかのタイミングでびっくり!感激!

さらに構内の売店で売られているスペースシャトル型のパンまでちっちに買ってくれた!!!

   感激だよ!

毛利さんと野口さんと、スゴい記念撮影!!

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毛利衛さん、野口聡一さん二人の宇宙飛行士と未来の宇宙飛行士


そのあとは毛利さんが自ら車を運転してくれながら構内のいろいろな施設を案内してくれた。

とってもマメに時間を配慮しながらのホストぶりには恐縮するほどだった。

職員たちの食堂でお昼を食べた。

僕は天の川カレーライスというのを頼んだ。

ま、、カレーだ。(笑)


その食卓を囲んで毛利さんはちっちにやさしく、

「何か質問はあるかい?なんでも聞きたいことがあったら聞いていいよ」と。

すると、ちっちは

「宇宙エレベーターというのは可能性はあるのですか」と。

最近の大人の科学雑誌にも時々その構想が記事になっているけれど、

僕もその可能性の度合いなどまったく未知だった。

毛利さんは丁寧に説明してくれた。

宇宙エレベーターを実現させるにはタワーの先端に地球の遠心力を働かせる設計が必要なこと。

これには僕も目から鱗だった。

エレベーターというだけでただただ地上から高く高く築き上げていく想像しかできていなかったから。

もちろんそんなことでは力も保つはずがないし倒れるだけだ。

ではどうするのか???


そうか、遠心力なのか!

もの凄くすっきりした。ちっちのおかげだ。

大人だと解決しているわけないのに何となく知ったような気持ちになっていて、単純な質問をしなくなる。

でも子どもはストレートに尋ねる。


でも、その遠心力を利用するには地球の直径の3倍の長さのところにタワーの拠点を作らなければならないという。

それはもう想像がつかない領域だ。

でもおかげでとても納得がいった。


そんなことも毛利さんは丁寧に説明してくれて、とてもワクワクした。


で、それでは可能性はかなり小さい。

でもそれでも人は可能性を探してシャトルに長いロープを尾のように付けて宇宙に向かわせたりという実験までしているのだという。

凄いロマンと現実の交錯だ。




で、さらにちっちは尋ねた。

「大気圏ではプラズマ現象で光りが発生して、それがUFOと思われたりしているようだけど、毛利さんはそういう現象をみたことがありますか?」と。

さすがだぞ、ちっち、プラズマ現象知ってるんだな!

毛利さんは

「プラズマの現象はよくあることだけど、その他にとっても不思議な光りが宇宙船を追っかけてくるのを見たことがある」と、興味深い話をしてくれた。

宇宙船から放出されたオシッコなどが凍って塊となってそれに太陽の光りがあたって乱反射してオレンジ色に光りながら浮遊してついてくるのだそうだ。

ちっちはどんどんニコニコワクワク。

そのあとは実際に宇宙飛行士が訓練をする場所に連れて行ったもらった。

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訓練用の回転椅子


ISSの「きぼう」と同じ訓練用の実物大の模型の中や、

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ISS実験棟の「きぼう」と同じ訓練用の模型


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訓練用「きぼう」の中



気圧が薄くなる部屋でどれだけ思考能力が維持できるかの実験室、


それと宇宙飛行士選抜のための過程で使われる

閉鎖環境カプセル

などにも入らせてもらった。

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閉鎖環境カプセル。ここに何日も閉じ込められた状態で数人と過ごす。

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実際訓練に使う白いパズルもやらせてもらった。


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カプセル内のベッド。唯一の個室。


これらは映画やアニメ「宇宙兄弟」で見て来ているそのままだからわくわくした。

(映画のロケは実際にここで行われた)



いろいろ細かく説明をしてもらってわかったことがある。

日本の宇宙開発技術はもはや世界トップをいっているということ。

そこには日本だからこその力があるということ。

その力というのは日本人だからこそ大切に考える「きめ細かさ」

なのだ。人がストレス無く宇宙で作業するにはささいなことにも目を向けて

構築していく必要がでてくるのだけど、

そのささいなことがとても日本人には目がいく点で、

実はとても重要なことだったりするのだと思う。

ちなみに「きぼう」はISSの中で一番音が静かで、一番空気がきれいな棟なのだそうだ。

きめ細かい日本人の工夫が表れている。

それと同時に、いかに効率よくエネルギーを無駄にせず、

地球の環境のことを並行して考えているか、、、

このあたりはやはり日本ならではのノウハウが生きているような気がした。


だから例えば日本独自の有人飛行などはもうとっくに出来る状態のようだ。

ただそれには国家予算という問題があって実現できないでいる。

その国家予算も「無駄遣い」と言われてしまう民意と板挟みになっているのだろう。

ここで思いっきり国をあげて宇宙に目を向ければ

日本は世界のリーダーにもなれる。

そうするともっといろいろなものが回転し、活性し、

日本はいい意味で生まれ変わるのだろうになあ・・

なんて思った。



昔からそうではないか。

ちょっと昔の車の技術にしても、家電の技術にしても

外国のモノだったはずのものにちょっと日本的な工夫を加えてあっという間に

それら日本の技術は世界一となり、リーダーとなった。

もっと昔を言えば、

1400年前、シルクロードの最先端の文化が日本に持ち込まれて、それにすぐ共感し、研究し、日本らしさを加えてからは一度も途絶えることもなく生き続けることができている「雅楽」だってそうだ。


日本、すごいんだから!!!


とにかく目の前で見せる事のできる結果だけを求めていてはダメなのだ。

すぐにもたらされる結果以上に今後100年以上、1000年以上先にもたらされる期待のために、「今」何かをしなければならない。

それが宇宙開発なのだと思う。



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半分の大きさの「はやぶさ」。これがきっかけでちっちの宇宙好きが始まった。


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「宇宙親子」と宇宙飛行士たち

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