最近、我が家の猫、カールの元気がない。
もう16歳くらいのなる。
黒のアメリカンカール。珍しいネコ。
カールのパパは何かのグランプリを取ったらしく、
どこかへいっちゃったけど、そんなことも記された血統書もあった。
出会ったカールがたまたま血統書を持っていただけで、
血統がどうのこうのなんて、僕にはどうでもよく、
カールがどこの馬の骨でもいい。
我が家の大切な存在。
16年前のある夜、僕が帰宅すると、
見ず知らずの大型犬が玄関の前で座っていた。
細い顔で毛並みが長いノーブルな犬だった。
近くに散歩途中の飼い主がいるのだろうと、
気にせず放っておこうと、僕が玄関を開けたとたん、
ひょいひょいっと家の中に入って、づかづかあがっていった。
僕はなんだかとてもおもしろい気分になった。
その犬はとても嬉しそうに、いきなり僕になついていた。
でもきっと外に飼い主がいるに違いないから、
「遊びに来てくれたのは嬉しいけど、外にいないとはぐれちゃうよ」
と玄関の外に連れ出した。
きっとそのまま飼い主と帰るだろうと。
おもしろいことがあるものだな、我が家に興味があったのかな、なんて思いながらそのことはすぐに忘れて寝た。
で、次の日の朝、出かけようと玄関を開けると、扉が
ドンっ!と何かにあたった。
その犬がそこに座っていたのだ。
「おやまあ!君はまだいたのか!いったいどうしたんだ!」
と、驚いたけれど僕は出かけなければならなかったから、
そのままにして出かけた。
母親の話だと、僕が出かけた後、道路に出たりまた玄関に座ったりと、ずっとウチの前にいたようだ。
母は「じきに秀樹は帰ってくるからね、待っててね」なんて慰めていたらしい。
でも僕が帰ったときにはもう彼はいなかった。
そうなるとなんだかとってもとっても気になる。
僕は勝手に彼の名前を「ジョセフ」と決めた。
なんとなく。
ジョセフ、どうしたんだい?
これはきっとなにかほかならぬ意味があるんだ。
よし、こんど来たら、ウチで飼おう。
そう決めた。
でもジョセフは現れなかった。
そういえばあの犬、よく見る外国の大型の種類だけど、なんていう種類なんだろう?
いろいろ興味が湧いてきて、
そのことを知りたくなって関連の本を探しにペットショップに行った。
目当てとなる本は無かったけど、
犬やネコが大好きな僕はショップのペットをながめて楽しんだ。
すると他のケージよりもひときわ大きいケージにいれられた1匹の黒猫が目に飛び込んだ。
子猫とはいえ、もう大きくなっていて、大きい場所に移されていたようだ。
しかも売り時期が終わりかけているのか、
値下げの表示もついている。
つまり売れ残りな感じなのだ。
「アメリカンカール」¥〇〇 → ¥〇〇 と。
このまま売れないとどうなっちゃうんだろう。
かわいそうな処分をされてしまうのか、、、、。
でもそんなことよりも、そのアメリカンカールはどのネコよりも可愛かった。
身体を伸び上がらせてで両手を上げてケージのガラスに張り付く感じでこちらを見ていた。
その顔はまるでポルシェ964のような、口を閉じたスマイルとでもいうような
ワクワクした顔つきだった。
いいネコだ!
それに見たこともない種類だった。
耳が三角でなく丸く、しかも後ろにカールしている。
スコティッシュフォールドのように内側にカールしているのとは違う。
普通のネコの耳のように柔らかくなく
硬めの軟骨のようにしっかりしている。
これはネコの耳ではない。
毛は長めなのだけど、
顔つきは平たい扁平な顔でなく、
細系ネコのようにとがっている。
ハンサムで、愛嬌のある、僕にとっては理想的な顔つきだ。
また、いい目をしていた。
ネコなのか?
別の動物じゃないのか?
へえ、こんなネコいるんだ!
アメリカで突然変異で生まれた種類らしい。
一見、アライグマかタヌキやハクビシンのような感じ。
その日はそのまま帰ったけれど、
なんだかとっても気になってしかたがなかった。
いつまであの店にいるのだろう、もう飼い主が現れなければ、
大変なことになるのか!
いてもたってもいられなくなり、電話で予約をして、
数日後にまた見に行った。
抱かせてもらった。
そのとき、彼は僕のシャツのボタンを楽しそうにガジガジ噛んで遊んだ。
こんなに怖がらずにいきなり遊ぶなんて、
さらに理想的なネコだ!
それが決め手で、連れて帰った。
名前はそのまま「カール」とした。
はっと思ったのだが、
もしかしたらあのジョセフは
僕に期限の近づいたカールに会わせるキッカケを作ってくれたのか!
おとぎ話のようだけど、そんな感じがした。
ありがとうジョセフ。カールのことはもう大丈夫だ!
カールはウチに来て幸せ者だよ!
ところで、カールはツメを立てること無くやたらと噛む。
なにかにつけて、犬のようにただ噛む。
それに水遊びが好きで、トイレの便器の中の水をかき回してあそんだり、
水道を流しておくと、その棒状の流水を触って遊んだりするのが好き。
お風呂に入れてみても騒がない。
やはり普通のネコではないみたい。
いつも僕のあとを付いて歩く。
犬のようなネコなのである。
家族で雅楽の演奏とかしていると、
入って来てその真ん中に佇む。
好きらしい。
それから役16年
ずっと僕と遊び続けている。
いまでもものすごくよくじゃれる。
当初、お店の人に、だいたい遊ぶのは最初の2年くらいまでで、
あとは静かにしちゃうものです。
と言われていたけど、最初の頃と同じように変わらずによく遊ぶ。
もしかしたらそれは僕がいつでもカールにちょっかいを出して遊び続けているからなのかも。
普通は飼い始めや子猫のころのよく遊ぶ様子のころは飼う側もしばらくはおもしろがっても、
いつしか当たり前になって、慣れてしまって、あるいは新鮮さも無くなってきたりして飼い主側があまり子ども相手のようなちょっかいを出さなくなっているだけなのかも。
それなら自然とネコも反応しなくなるだろう。
ネコも遊ぶことが日常じゃなくなる。
そんなところじゃないかな。
それだとしたら、ウチではいつでも新鮮な気持ちで接しているし、
どんなに散らかそうが、どんなところで嘔吐しまくろうが、
床や壁を汚したり、壊したりしても人間のほうは気にしないで笑っている。
絨毯のうえでも畳の上でも吐いたら、
「おお、よかったねえ、すっきりしたろう!」となでてやる。
だって動物を飼うというのはそういうことだ。
人間にとっての奇麗や整然を保つために動物を抑制してはかわいそうだ。
そんな自然さも彼には居心地がいいのかもしれない。
ところでカールはネコなのに魚とかに見向きもしない。
鰹節とか魚とかを鼻の目の前にもっていっても、興味を示さない。
ほかにネコが好きそうなものを与えてみてもなにも見向きもしない。
ただひたすらドライキャットフードだけを食べる。
昔飼っていた別のネコはなんんんんでも食べた。
「はんぺん」とこちらが言葉を発しただけで
「ギャー!」とほしがって寄って来た。
でもカールはちがった。
あと唯一その他に食べるものは「海苔」
海苔だけは大大大好き。
テーブルの角に海苔をおくと伸びをして前足でたぐり寄せて食べるさまは可愛い。
前足の片方で人の腕や足をちょいちょいと触っておねだりもよくする。
ドライフードと海苔、
いままでこれ以外を口にしたことがない。
あとは飲み物は水と牛乳。
牛乳もよくおねだりするので毎日飲む。
カールと一緒におやつ
それからカールは引っ掻くことをほとんどせずにガリガリ噛む。
ダンボールを与えると噛んではちぎり噛んではちぎり、
を繰り返す。
身体がギリギリ入れるかどうかぐらいのダンボール箱を置いておくと、
少しずつ噛んでちぎってちょうどいい大きさにしてからそこに入って
居場所とする。
なかなかおもしろい芸当。
そんなカールの元気がないのはとても心配。
鼻が詰まって大きないびきをかく。
ネコは鼻が詰まると食欲が出ない。
犬のように口で息をしないし、急激に弱る。
まあもう歳も歳だから身体が衰えるのはしかたがない。
医者に見てもらったら腎臓の数値も悪化してるという。
この腎臓の回復をさせるには点滴が必要だという。
それも毎日!
僕には毎日動物病院に連れて行く時間もないから、
獣医に教わって、僕が毎日カールに点滴をすることにした。
医者になった気分!
僕は器用だからわけもなくできた。
これでしばらく様子を見よう。
カール、頑張れ!!!
頑張れ カール!!!
もう16歳くらいのなる。
黒のアメリカンカール。珍しいネコ。
カールのパパは何かのグランプリを取ったらしく、
どこかへいっちゃったけど、そんなことも記された血統書もあった。
出会ったカールがたまたま血統書を持っていただけで、
血統がどうのこうのなんて、僕にはどうでもよく、
カールがどこの馬の骨でもいい。
我が家の大切な存在。
16年前のある夜、僕が帰宅すると、
見ず知らずの大型犬が玄関の前で座っていた。
細い顔で毛並みが長いノーブルな犬だった。
近くに散歩途中の飼い主がいるのだろうと、
気にせず放っておこうと、僕が玄関を開けたとたん、
ひょいひょいっと家の中に入って、づかづかあがっていった。
僕はなんだかとてもおもしろい気分になった。
その犬はとても嬉しそうに、いきなり僕になついていた。
でもきっと外に飼い主がいるに違いないから、
「遊びに来てくれたのは嬉しいけど、外にいないとはぐれちゃうよ」
と玄関の外に連れ出した。
きっとそのまま飼い主と帰るだろうと。
おもしろいことがあるものだな、我が家に興味があったのかな、なんて思いながらそのことはすぐに忘れて寝た。
で、次の日の朝、出かけようと玄関を開けると、扉が
ドンっ!と何かにあたった。
その犬がそこに座っていたのだ。
「おやまあ!君はまだいたのか!いったいどうしたんだ!」
と、驚いたけれど僕は出かけなければならなかったから、
そのままにして出かけた。
母親の話だと、僕が出かけた後、道路に出たりまた玄関に座ったりと、ずっとウチの前にいたようだ。
母は「じきに秀樹は帰ってくるからね、待っててね」なんて慰めていたらしい。
でも僕が帰ったときにはもう彼はいなかった。
そうなるとなんだかとってもとっても気になる。
僕は勝手に彼の名前を「ジョセフ」と決めた。
なんとなく。
ジョセフ、どうしたんだい?
これはきっとなにかほかならぬ意味があるんだ。
よし、こんど来たら、ウチで飼おう。
そう決めた。
でもジョセフは現れなかった。
そういえばあの犬、よく見る外国の大型の種類だけど、なんていう種類なんだろう?
いろいろ興味が湧いてきて、
そのことを知りたくなって関連の本を探しにペットショップに行った。
目当てとなる本は無かったけど、
犬やネコが大好きな僕はショップのペットをながめて楽しんだ。
すると他のケージよりもひときわ大きいケージにいれられた1匹の黒猫が目に飛び込んだ。
子猫とはいえ、もう大きくなっていて、大きい場所に移されていたようだ。
しかも売り時期が終わりかけているのか、
値下げの表示もついている。
つまり売れ残りな感じなのだ。
「アメリカンカール」¥〇〇 → ¥〇〇 と。
このまま売れないとどうなっちゃうんだろう。
かわいそうな処分をされてしまうのか、、、、。
でもそんなことよりも、そのアメリカンカールはどのネコよりも可愛かった。
身体を伸び上がらせてで両手を上げてケージのガラスに張り付く感じでこちらを見ていた。
その顔はまるでポルシェ964のような、口を閉じたスマイルとでもいうような
ワクワクした顔つきだった。
いいネコだ!
それに見たこともない種類だった。
耳が三角でなく丸く、しかも後ろにカールしている。
スコティッシュフォールドのように内側にカールしているのとは違う。
普通のネコの耳のように柔らかくなく
硬めの軟骨のようにしっかりしている。
これはネコの耳ではない。
毛は長めなのだけど、
顔つきは平たい扁平な顔でなく、
細系ネコのようにとがっている。
ハンサムで、愛嬌のある、僕にとっては理想的な顔つきだ。
また、いい目をしていた。
ネコなのか?
別の動物じゃないのか?
へえ、こんなネコいるんだ!
アメリカで突然変異で生まれた種類らしい。
一見、アライグマかタヌキやハクビシンのような感じ。
その日はそのまま帰ったけれど、
なんだかとっても気になってしかたがなかった。
いつまであの店にいるのだろう、もう飼い主が現れなければ、
大変なことになるのか!
いてもたってもいられなくなり、電話で予約をして、
数日後にまた見に行った。
抱かせてもらった。
そのとき、彼は僕のシャツのボタンを楽しそうにガジガジ噛んで遊んだ。
こんなに怖がらずにいきなり遊ぶなんて、
さらに理想的なネコだ!
それが決め手で、連れて帰った。
名前はそのまま「カール」とした。
はっと思ったのだが、
もしかしたらあのジョセフは
僕に期限の近づいたカールに会わせるキッカケを作ってくれたのか!
おとぎ話のようだけど、そんな感じがした。
ありがとうジョセフ。カールのことはもう大丈夫だ!
カールはウチに来て幸せ者だよ!
ところで、カールはツメを立てること無くやたらと噛む。
なにかにつけて、犬のようにただ噛む。
それに水遊びが好きで、トイレの便器の中の水をかき回してあそんだり、
水道を流しておくと、その棒状の流水を触って遊んだりするのが好き。
お風呂に入れてみても騒がない。
やはり普通のネコではないみたい。
いつも僕のあとを付いて歩く。
犬のようなネコなのである。
家族で雅楽の演奏とかしていると、
入って来てその真ん中に佇む。
好きらしい。
それから役16年
ずっと僕と遊び続けている。
いまでもものすごくよくじゃれる。
当初、お店の人に、だいたい遊ぶのは最初の2年くらいまでで、
あとは静かにしちゃうものです。
と言われていたけど、最初の頃と同じように変わらずによく遊ぶ。
もしかしたらそれは僕がいつでもカールにちょっかいを出して遊び続けているからなのかも。
普通は飼い始めや子猫のころのよく遊ぶ様子のころは飼う側もしばらくはおもしろがっても、
いつしか当たり前になって、慣れてしまって、あるいは新鮮さも無くなってきたりして飼い主側があまり子ども相手のようなちょっかいを出さなくなっているだけなのかも。
それなら自然とネコも反応しなくなるだろう。
ネコも遊ぶことが日常じゃなくなる。
そんなところじゃないかな。
それだとしたら、ウチではいつでも新鮮な気持ちで接しているし、
どんなに散らかそうが、どんなところで嘔吐しまくろうが、
床や壁を汚したり、壊したりしても人間のほうは気にしないで笑っている。
絨毯のうえでも畳の上でも吐いたら、
「おお、よかったねえ、すっきりしたろう!」となでてやる。
だって動物を飼うというのはそういうことだ。
人間にとっての奇麗や整然を保つために動物を抑制してはかわいそうだ。
そんな自然さも彼には居心地がいいのかもしれない。
ところでカールはネコなのに魚とかに見向きもしない。
鰹節とか魚とかを鼻の目の前にもっていっても、興味を示さない。
ほかにネコが好きそうなものを与えてみてもなにも見向きもしない。
ただひたすらドライキャットフードだけを食べる。
昔飼っていた別のネコはなんんんんでも食べた。
「はんぺん」とこちらが言葉を発しただけで
「ギャー!」とほしがって寄って来た。
でもカールはちがった。
あと唯一その他に食べるものは「海苔」
海苔だけは大大大好き。
テーブルの角に海苔をおくと伸びをして前足でたぐり寄せて食べるさまは可愛い。
前足の片方で人の腕や足をちょいちょいと触っておねだりもよくする。
ドライフードと海苔、
いままでこれ以外を口にしたことがない。
あとは飲み物は水と牛乳。
牛乳もよくおねだりするので毎日飲む。
カールと一緒におやつ
それからカールは引っ掻くことをほとんどせずにガリガリ噛む。
ダンボールを与えると噛んではちぎり噛んではちぎり、
を繰り返す。
身体がギリギリ入れるかどうかぐらいのダンボール箱を置いておくと、
少しずつ噛んでちぎってちょうどいい大きさにしてからそこに入って
居場所とする。
なかなかおもしろい芸当。
そんなカールの元気がないのはとても心配。
鼻が詰まって大きないびきをかく。
ネコは鼻が詰まると食欲が出ない。
犬のように口で息をしないし、急激に弱る。
まあもう歳も歳だから身体が衰えるのはしかたがない。
医者に見てもらったら腎臓の数値も悪化してるという。
この腎臓の回復をさせるには点滴が必要だという。
それも毎日!
僕には毎日動物病院に連れて行く時間もないから、
獣医に教わって、僕が毎日カールに点滴をすることにした。
医者になった気分!
僕は器用だからわけもなくできた。
これでしばらく様子を見よう。
カール、頑張れ!!!
頑張れ カール!!!