京都、妙満寺で奉納演奏をした。

室町初期に、比叡山の上位僧侶にまでなった日什大正師が開祖で、

その生誕700年の式典と、鐘供養。

鐘はあの、安珍・清姫(あんちんきよひめ)伝説の鐘

それがおさめてあるお寺でもある。

式典ではお経が響き、僧侶たちによる雅楽も鳴り響き、

荘厳な雰囲気。

もともと雅楽は大陸の仏教の音楽だったから

こういう形の式典は実に当時の空気の再現のように感じられる。


そして今回は僕一人の演奏の前に、

その僧侶たちと一緒に

「越天楽幻想曲」を演奏した。

笙、篳篥、龍笛、それに琵琶、箏、太鼓類

そしてシンセサイザーやピアノの音

壮大な越天楽幻想曲となった。

男の僧侶だけで構成された雅楽団(顕立雅楽会)

はとてもいい雰囲気だった。

前日に数回合わせただけだったけど

それぞれがこの時のために僕のCDをかなり聴き込んで練習して来たようだ。

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リハーサル

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リハーサル


男性僧侶だけの集まりはユーモアも溢れるような空気があって楽しかった。

みなさん余裕があったようだ。

また是非なにかでご一緒したいと思った。

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本番では僧侶たちは袈裟を、僕は狩衣を着て本殿で演奏。

とてもいい古式ゆかしき風景だったと思う。



そしてそのあとは僕のソロコンサート。

いつものように楽器の解説や陰陽道の解説も交えて演奏。


そして最後に「ふるさと」を演奏したのだけれど。

ある僧侶から、

「母親を思い出して、涙が出ました」と言われた。

とっても嬉しい表現の感想だった。


それが終わってから急いで奈良、天理に向かった。

5月5日に薬師寺で行われる『玄奘三蔵会大祭』のリハーサルのため。

伎楽の様式で三蔵法師が天竺へ行って教典を持ち帰るようすを表した奉納舞台。

僕は三蔵法師の役で出演する。

これもとっても楽しみ!!!

そういえば今朝のNHK 「日曜美術館」で僕は神道の美学を語った。

そして同日、お寺にて仏教の空気を味わった。

どちらも深い日本人の古代からの宗教観を感じる瞬間だった。

と、思っていたら実は控え室では新聞のインタビューで、「太秦:秦河勝」についいてのインタビューがあって、大陸の文化や日本人の宗教観を語っていた。

このところ神仏をこえた日本人の宗教観を再度考えさせられる毎日だ。

秦河勝の子孫としては実に意味深げなタイミングと縁を感じる。


おもしろい!




で、そのリハーサルが終わったら急いで福岡へ!

次の日に久留米の高校でのトーク&コンサートのため。

ふ~ぅ。。。

一瞬一瞬、いま自分がどこにいるのかがわからなくなる。


TOGI