このところ、双子座流星群が話題になっている。

観ようと思っていてもなかなかいい時間にいい天気でなかったりして

まだ観ていない。

昔はよくわざわざ八ヶ岳までいってずっと野原で寝転がって空を見上げてたくさんの流れ星を観たものだった。

最近はそんな時間もあまり取れないけれど、

星(宇宙)に対する情熱はしっかり持ち続けている。

いや、もしかしたら以前以上に正確な、しかもマニアックな知識を身につけるようになっている。

その知識は、実は息子からの影響も大きい。


ちっち(幼稚園の年長の息子)の宇宙知識はすごい!

以前から宇宙のことには詳しいと思っていたけど、

僕が想像しているよりはるかに知識が

いつの間にか増えている。

木星や土星が好きと言うから

行ってみたい? と聞こうものなら

「木星や土星はガス惑星だから陸地がないから降り立つことはできないんだよ」

と応えたり、

「ヘリウムのかたまりなんだよ」、とか、

日本の最初のH2ロケットの失敗は

「エンジンの中の液体酸素と液体窒素が混ざるタイミングがずれて

爆発してしまったから」
、とか・・・

そんな答えが返ってくるのはもう当たり前。


大人が見るテレビのドキュメントの宇宙ものをよく観るのだけど、

しっかり理屈などを理解して、消化しているようだ。

僕ら年寄りはその場で「なるほど」と納得しても

なかなか頭にとどまらず、すぐに忘れてしまうことも多いけど、

ちっちは一瞬の説明も逃さずしっかり覚えている。


だから普段からも何かの記事などで白鳥座とかの写真や図がでていたりすると、

「あ、白鳥座だ」、というだけでは終わらない。

「白鳥座エックスワンっていうのがこの白鳥の首の横あたりにあってそれがブラックホールなんだよ。何も見えないんだけどそこからすごいX線が出ているんだよ。」(これでも説明はほんの一部分)と、さらさら説明してくれる。

聞いていて気持ちがいいくらい専門的!

大人向けの難しいドキュメントだからといって、子どもには無理、なんてことはないのだ。

子どもの純粋に知識を吸い込むチカラは計り知れない。

だからむしろ子どもにこそ専門的な大人の質の高い説明をするのが望ましい。

子どもだからといって、わざわざ子ども言葉にしたり、アニメっぽいキャラクターをもって楽しませながらなどと考えるのは、実は「こどもの目線を大事に」などと言いながらも本当は子どもごころのない大人の方法論でしかない。

難しい言葉でその瞬間は理解ができなくても、何かしらの形で知識の引き出しにちゃんとしまい込まれて、別のタイミングでまた何かのスイッチによってそれがポンと生きて結びつく。

子どもは特にそれが得意だ!


雅楽のような伝統美なども同じだ。

本物の音、いい音をしっかり聴かせておけば、座学的な説明などいらない。

あとで自分から全部つなげて歴史観から哲学観まで理解したくなる時がくる。



話は戻るけど、そんな訳で最近よくプラネタリウムに遊びに行く。

このところ足を運んだのは、多摩六度科学館のプラネタリウムと

渋谷のコスモプラネタリウム渋谷。

どちらもとても素晴らしい。

多摩のほうはプラネタリウムだけじゃなく、宇宙に関連したいろいろな実験も楽しめる場となっている。

東儀秀樹オフィシャルブログ「SMILE」Powered by Ameba-スペースシャトル
スペースシャトルの内部模型が観られる

東儀秀樹オフィシャルブログ「SMILE」Powered by Ameba-月重力ちっち
月の重力を体験

東儀秀樹オフィシャルブログ「SMILE」Powered by Ameba-月重力パパ

東儀秀樹オフィシャルブログ「SMILE」Powered by Ameba-骨の動き
骨の動きを観る



ここ多摩六度プラネタリウムは「ダーウィンミステリー」の映像プログラムがとっても素晴らしい。(これは星のことではなくて、生命の進化の話)

それからいわゆる解説付きのプラネタリウムのプログラムもよかった。

それから「瞳の大冒険」という宇宙のいろいろな銀河や星雲などの解説プログラムも観た。


ちっちと一日でその三つを一気に楽しんだけど、ちっちは少しも飽きなかった。

でも、あとで感想を聞くと、

「ダーウィンと星の説明はおもしろかったけど、瞳の大冒険はなんであんな赤ちゃんぽいんだ。あんな漫画みたいなの出てこなくて説明だけでいいのに・・・」
と。

やっぱりね! ちっちはそう言うと思ったよ。

実はこの「瞳の大冒険」はスバル望遠鏡やハッブル宇宙望遠鏡などが捉えたかなり鮮明な銀河や星雲の写真とともにその成り立ちや動きを説明してくれるのだけれど、それを虫メガネが可愛くキャラクター化したアニメの進行役が終始行う。

いかにも子供用として考えているのだけれど、ちっちはそれが好きでなかった。

僕もあまり好きになれなかった。だって、本物のもの凄い画像だけで充分入り込んで行ける、引き付けられるチカラがあるのだから。本物のチカラにはそれだけで子どもも大人も関係なくハマる。

先述の「ダーウィン・・・」は外国の作品だけれど、どこにも子どもに媚びたところがない。でもこどもにもスゴくハマるのだ。

おとなが考えるこどものことって、日本はまだまだ幼稚な部分に主流を持ってくる風潮にある。

「デフォルメされたカワイイ」ばかりじゃなく「本物の素敵」なものにもっと比重を求めてもらいたい。

東儀秀樹オフィシャルブログ「SMILE」Powered by Ameba-投影機と


東儀秀樹オフィシャルブログ「SMILE」Powered by Ameba-投影システム
投影システム


さて、もうひとつのコスモプラネタリウム渋谷。

ここもいろいろなプログラムがあるらしいけど、

見に行ったのは「宇宙 未知への大紀行」

東儀秀樹オフィシャルブログ「SMILE」Powered by Ameba-チラシ


これは素晴らしかった。ブラックホールのことを中心にしたドキュメント。
(このプログラムはは13年1月6日まで)

ちっちは先月も同じのをみている。2回目。

映像と音楽がピッタリ!!!

実はこの音楽、僕の音楽なんだ。ビックリマーク


実は以前に家内とちっちが何の気なしに渋谷のプラネタリウムに行ってみようと入ったら、たまたま僕の音楽のプログラムだったので、ちっちもビックリして大喜びだったという。


僕もそんなこととは知らなかった。

いぜんNHKスペシャルの「宇宙 未知への大紀行」の音楽を担当していたのだけど、知らないうちにそのプラネタリウム版として新たに制作されていたのだ。

でも、それは大人向けな感じだからほっとしたよ。実に興味深いないようだったし、引き込まれた。自信を持っておすすめするよ!!

我ながら宇宙にマッチした音楽作品を作れていたものだと、他人事のように観察できたのも楽しかった。



さてさて、日常にもどって流星群。

このところ寝る前にいつも空を見上げては曇っているか晴れるのか、気になる。

ちっちに、夜が明ける前に観えそうだったら起こすからねと言って一緒に寝る。

なかなかいいチャンスに巡り会わない。

数日前の夜明け前、期待していたけれど雲が覆いだしてとても無理そうだったから、寝ているちっちの耳元で

「ちっち、残念だけど雲が多くて今日は流れ星は観られないよ」とつぶやいたら。

ちっちは半分眠りながら

「でも流星は隕石が地球の大気に突入して燃え尽きる光りで、星ではないんだから雲があっても観られるんじゃないの? ムニャムニャ」

と、寝言のようにつぶやいた。

「そうか、それにしても今日は雲が厚すぎるよ」と、

ちっちの発言に内心とても驚きながら冷静に僕は応える間もなく

ちっちはまた眠りに戻っていた。


ちっち スゴいぞ! スゴいぞ! いいぞ!

たのしいぞ!



TOGI