前回、ママ友のお宅にちっち(5歳の息子)とお邪魔したとき、


そのお宅には小学3年生の男の子もいて、

その子は石(水晶やヘマカイトなどの鉱石)を集めて標本にしていた。

ちっちはそれに興味を持ってじっくり観察していた。

「ちっちもこういうの探したいなあ。こういうのほしいなあ」と。


そして、そのお宅を後にして

久しぶりに横浜の中華街に出かけた。

数日前からちっちが、ある絵本で

中華街のようなイラストのページがあって、

蒸篭に入った肉まんやあんまんが並んでいる絵を見て、

「中華街に行きたい!」

って言ってたから。

本物を見せようと。


で、公園側のゲート近くにある北京飯店で食事をして
(ここはどのメニューも美味しい!)



ぶらぶらして帰ることに。

ちっちは街のあちこちの店頭の

蒸篭から湯気が出ている肉まんやシュウマイ、小籠包たちに

一応は反応しておもしろがってはいたものの、


でも、「ああ、何かおもしろいことないかなあ」

を連発。

僕は「だってちっちが中華街を見たいって言うからここに来たんだよ」と。

ちっち 「でもちっちは目的は果たしていないんだ」と、

いきなり大人みたいなことを、、、。

そのまま適当にウィンドウショッピング。


ちっちは地面の隅が気になるらしい。

「素敵な石とか落ちてないかなあ・・・」

とキョロキョロ


「こんなところにはそんな素敵な石なんかないよ」と、

僕はなだめて雑貨屋さんとかをぶらぶら。

するとある雑貨屋さんの棚でちっちがじっと何かを物色し始めた。

小さな瑪瑙(めのう)とか、翡翠っぽい石やらオニキスのような石が

粗雑なおもちゃの棚に交じって置かれてあった。

大きさ2センチぐらいで、薄っぺらい石は錆びたキーホルダーがついているものもあれば、

ただの石だけのものもあって、

とても売り物らしくない、

なにかのアクセサリーを作った時の裁ち落としのような感じのものばかり。

でも、ちっちにはハマったらしい。

  じっくり見ていた。

他に木で作ったにょろにょろ蛇とかもあったから、

「これなんかもおもしろいよ!」とサジェスチョンしてみたけど、

あまり興味を示さない。

  石に夢中。

どうするんだろう、と見守っていたら、

そのなかで、ようやく3個選んだ。

「ああっ!どれがいいかなあ!」

  真剣に悩む。

ひとつは白い大理石のような1センチ角のもの

ひとつは茶色い筋がきれいな細長いオニキス系のもの(どう見ても廃材)

もうひとつは蟻が入り込んだ、2センチくらいの、たぶん琥珀。(錆びたキーチェーン付き)


  すごく迷っていた。

きっと「いいよ、3つとも買ってあげるよ」

と僕が言うのを期待しているんだろうな。

でも、今日は中華を食べに来ただけなんだ。

しかも、ちっちが中華街を見たいっていったから。

だから、余計なお買い物はしない。

  1個だけだ!

で、ずいぶん時間をかけて迷って、

  迷って、迷って

(子供がモノで真剣に迷う姿はいい!)

(いいよ。待っててあげるから自分で決めなさい)


  で、蟻入りの琥珀に決めた。



   105円。


嬉しそうに大事そうに持ってまた散歩を続けた。

「ねえ、この石、いいよねえ」とニコニコ。

「いいのを選んだね。実はあの3つの中ではそれが一番珍しくていいものだったよ! パパは実はそれを選べばいいなって思っていたんだ。ちっちは素敵なものを選んだよ!
ちっちの選んだものは最高だよ!」


ちっちはますます満足そうだった。


帰りの車の中では自作のアドリブの歌を歌いっぱなしだった。

   ごきげん!!


子供の歌が響く車内は素敵だ!


  いいぞ! ちっち!