スペイン風邪終息時の俳句 | 松山兎月庵 文化歴史館

松山兎月庵 文化歴史館

野育ちなれど格高し・・・・

ふと、スペイン風邪終息の時に詠まれた俳句に興味が湧き、大正九年の「ホトトギス」を捲ってみた。




来る筈の人来ぬ罪や夕冷ゆる

行秋を病みて味わう真かな    左衛門(同年同月没)




我々が今、直面している新型コロナ禍の出口はいつになるか分からないが、一つだけ言えるのは「医療を守り同じ轍を踏むな。」
今日まで人類が栄えてきたのも先人たちの体験を知り、活かしてきたことが全てと感ずる。

100年というのは ほぼ人々の世代交代を終えた頃であり、記憶から消える頃でもある。
神様が存在するとしたら絶妙の時間で人に試練を与えているようにも思う。

今禍と闘うのは感染者本人であり、その家族であり、そして医療、医学、薬学であり、我々はそれを支援して守ることが闘いである。
この時に詠まれた句は緩やかに詠んだように感じるが、私には過酷な命ギリギリの句と思われる。

「君たちは同じ轍を踏むな。」
俳句に込められた真はそんな声がする。

スペイン風邪
第3波は1919年春から秋にかけて、第2波と同じく世界で流行した。さらに、最初に医師・看護師の感染者が多く医療体制が崩壊してしまったため、感染被害が拡大した。

この経緯を教訓とし、2009年新型インフルエンザの世界的流行の際にはインフルエンザワクチンを医療従事者に優先接種することとなった。(Wikipedia抜粋)