あるご高齢の患者さんが不穏で、大声をだす、看護師の指示に従わない。

ケアを行う看護師も疲弊する。

 

看護師は、「先生、あの人の不穏はどうしてですか?」

と、質問をする。毎回、もうやってられませんよ、といった感じで。

 

不穏の原因を何に遡って説明すると、わかってくれるだろう。

多分、原因を話しても、じゃあ、その原因は何から?となるのが普通である。

 

患者家族も含めて、ケアをする側は原因を知りたいのだろうか。

原因を知ったら、何か良い手立てがある、信じているのだろうか。

原因を何かよい方法で取り除きたいのです!と本気で思っているのだろうか。

 

辛さを知ってもらいたいのだ。とにかく、現状を分かち合いたいのだ。

 

「この患者さんは、大規模脳損傷のために、見当識障害と記銘力障害を生じています。

見当識障害のために自分の存在の具体的なイメージがつかめません。

そのために、状況にそぐわない行動をしがちになります。

また、記銘力障害のために、状況を把握するための事象を認知できないままになります。

このために、不穏な行動を生じます。」