初めての原宿。
小六だったか、中学1年生だったか。
綾瀬駅から千代田線に乗り、
明治神宮前駅に辿りつき、
竹下通りを中心に
夜までぶらぶらしていた頃があった。

BEAMSなんて恐れ多くて入ることもできず、
パレ・フランスの前なんて
早歩きしたもんだ。
ラ・フォーレでぎりだった。

竹下通りから徐々に行動半径が広がった。
クレープ食うのも飽きてきた。
マックもあったが、
腹を満たすには、
1000円くらい必要だった。
服はほとんど買えなかったが、
空いた腹を満たす必要があった。
もちろん、コンビニなどない。
パン屋があったが、
そんなもんじゃ満たされない。

こづかいだけはそこそこもらっていたが、
親父が死んでからは、使いづらかった。
が、
食欲だけは抑えられなかった。

たまたまラーメン屋を見つけた。
それが、札幌やだった。
UAの並びにある札幌や、
もちろん、当時UAもなかった。
札幌の文字が輝いていた。

ラーメン・ブームなどたぶんなかったが、
札幌ラーメンは、
我が家のトレンドだった。
祖母が札幌に行っては、
自宅用のラーメンを買ってきてくれたのだ。
それが旨かった。

それと、
どさんことかいうラーメン屋が
綾瀬にあって、
これがまた旨かった。
が、
おふくろがラーメンを好まず、
あまり連れていってくれなかった。
なので、
ばあちゃんの札幌土産は、
ほとんど俺の独占であり、
即席ラーメンを超えるラーメンを
自宅でやれることに感動していたのだった。
札幌、すげえ。

憧れの札幌ラーメン、
たまにしかいけない
憧れのどさんこラーメン。
これらを大きく上回るラーメン屋を、
憧れの原宿で知ったのだった。
それが札幌やだ。
30年以上通っていた。

数年前まで、
札幌やの近所に住んでいたので、
よく行った。
引っ越ししてからのここ数年は、
まみとよくいった。
「あんた!
なんで私は、いつもここなわけ?」
と愚痴られたこともあったが、
ここは聖地なんだよ、まみ(笑)

札幌の味噌、
舌の上でざらっと感じる濃いスープに、
真っ黄色の太い縮れた麺。
中坊の時に食ったまんまだった。

オトナになってからは、
迷わずチューシュー麺を頼めるようになった。
餃子も炒飯も旨いことを知った。
塩も旨かった。
醤油も。



その札幌やが、
今月22日、
なんと店を閉じていたらしい……

俺に愚痴ったまみ、
一人でこっそり食べに行こうとしたのか、
悲しい写真が届いた。
まじで悲しい。
思い出が一つ消えてしまった。



写真は、以前行ったときのものです。
まみと(笑)