今月初旬のジュネーブショーで、嫌な話が上がった(笑)



戸賀敬城オフィシャルブログ「南青山で働くメンズクラブ編集長・戸賀敬城のお茶目な社交&お買い物日記」Powered by Ameba
僕が世界で最も愛するクルマであり、
憧れてきた新型991GT3が発表された。
発表されることは、事前情報でわかっていたが、
かなりショックだった。
好きなクルマのモデルチェンジは、
なんか切ないものがある。

GT3は、ノーマル・アスピレーションの911で、
最もスパルタンなモデルだ。
僕は貧乏のくせに、
何台かのポルシェに乗ってきたが、
このGT3、そしてRSだけは所有したことがない。
買えなかったからだ。
そして玉がない。
まわってこない。
べらぼーに高い。
中古は嫌だ。
高いが、リセールもいい。
そう考えれば安い。
が、まわってこない。
指をくわえてみてるだけしかなかった。

何度か書いてるが、
5年ちょい前に南フランス、
タグ・ホイヤーの試乗会ではなく(笑)、
タグ・ホイヤーの発表会で、
GT3が置いてあった、2台。
世界からプレスが100人は集まったと思うが、
MTのみの設定しかない997GT3は、
閑古鳥状態だった。
みんなATばかりを乗り継いでいた。
こいつらクルマを知らんな、僕は嬉しかった。

限られた時間内で、
そのサーキットを思いっきり満喫した。
そのサウンド、ブレーキ、
タグ・ホイヤーが雇っていた
助手席のインストラクターは、
最初「slow,slow」と言っていたが、
一周もまわると「go!go!」に変わっていた。
舐めるな(笑)
997GT3、正確にはその前期型は、

感動しまくら千代子だった。

よし買おう!
と思ったが、まわってこない。
あきらめて997carreraSのMTを選んだ。

そのうちマイナーチェンジがあった。
この時もショックだった。
2009年。
流行のLEDを採用して、なんだかチャラくみえた。
が、半年も経つと、
それはそれでよくみえた。
2008年までの前期型、
僕が乗ってた前期型のほうが古臭くみえるようになった。
ポルシェはすごい。
いや、BMWもメルセデスも上手い。
単なる化粧直しはしない。



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991型GT3は、乗ったことがない。
記事が出れば自動車専門誌でも買おうと思う。


でも、また買えなくなった。
孤高のGT3は、1859万円になりやがった。
997前期は、1575万円、
997後期で、1766万円。
記憶が正しければ(笑)
もう買えない。
フェラーリのようなアストンマーチンのような存在になってしまった。
くそやろう!

最新は最善。
ポルシェは間違いない。
991GT3は、世界最高峰のクルマだ。
乗らなくてもわかる、間違いない。
ノーマル?の991carreraSですら
辛口自動車評論家の五味さんが
大絶賛してるくらいだ。
でも、だ。
GT3に限らず、991はでかい。
997に比べ、全長で10cm以上、
全幅で約5cmでかい。
それでも、速くなってるのはすごいが、
911の魅力の一つ、
そのコンパクトさは、
時代とともに、進化とともに、

忘れなければいけないのだろうか。

911のタイトな車内、
そこでメンズと女子の物語は生まれたはずだ。
ギアを5速に入れたときに、
シフトした右手が彼女の左膝にぶつかった、とか、
後席に置いた荷物を取るときに、
彼女の左頬と10cmまで近づくとか。
恋愛の舞台としても、911は活躍したはずだ。
タイトな車内を困るのは、
デブくらいしかいないはずだ。
とはいえ、GT3、
そのシビアな乗り心地じゃ彼女も閉口するだろう。
そういった意味では、
991はちと快適かもしれない。

でも、デートカーじゃない。

991GT3は、2ペダルのみになった。
それで彼女の手を握りながら、ではない。
それくらい心地いいクルマかもしれないが、
GT3は違う。
でも、MTを捨てたわけだ。
ポルシェもフェラーリみたいになるのか。

ゴタク並べようが、
いくら腕に自信があったって、
僕ごときじゃGT3の魅力は引き出せない。
コーナリング時に、あと2cm寄せられた、とか
そういった限界を引き出せる
技術のある人が乗るに相応しいモデルだ。
直線番長ではないが、
いちクルマ好きが手を出すレベルではない。
そこが僕を自制する。

僕は997GT3が好きだ。
きっと買えないけど。
だから、ますます好きになる。
手に入らないと思えば思うほど好きになる。
だから、好きになるのかもしれない。
まだ自制できてる。