さて、theについての記事の続きです。前回のエントリーでは「theは切り取る」という話をしたわけですが、これはtheの文法上の名前を考えたらある意味当然なんです。「限定詞」ですよね、確か。「確か」とかいい加減な事を言って申し訳ないんですが、基本的に文法上の名前とかは無視して英語を勉強してきましたからねー。
さて、こうやって考えると、普通に言われる"the"の意味もわかりやすくなります。例えば、一度言った単語はaからtheに変化、というやつです。例えば
Did you like the book? という場合、既にそのbookはどの本を表わしているのか話者も聞き手もわかっている、というやつですね。中学校1年で習うやつです(ん?今は小学校でならうのか?) ここではtheはいくつもいくつも世の中にある本の中からその本だけを「切り取って(限定して)」いるわけです。
基本的にはだいたいこの「切り取る」感覚をつかむことでおおよそのtheを理解できるようになります。
あとは「具体名詞の抽象名詞化」というのがあります。このように文法書でいわれているのかは不明です。すみません、私は私にわかりやすい言葉を使って考えてますので、一般的な文法書の呼び方と違う可能性が高いです。
これはどういうことか説明します。抽象名詞にはa をつけなくてもいい、というかつけてはいけないというのはわかりますよね。例えば beauty という単語は「美しさ」という抽象概念を表わしますから数えられないからaはいらんわけです。
しかし、lionだとかの場合、動物で具体的で数えられますから、aをつけるか複数形にするのが普通です。もちろんさっきの切り取るtheというのもあります。(例えば既に話題になったライオンの話をする場合)
ですが、これ以外にもtheを使う場合があって、それが抽象化する場合なんです。
よく次の文章の違いはなんですか?どれが正しいですか?みたいな質問があって3つ文章が書いてあるのがあると思います。
A lion is a strong animal.
Lions are strong animals.
The lion is a strong animal.
この3つの中の最後、theを使ったものはlionを抽象的に考えているわけです。
日本語的に言うと
「ライオンっつーのはな、強いんだぜ」
という感じでしょうか。
「っつーの」というところが、ライオン全体を抽象化して考えている「感じ」がわかると思います。
theを使うのはこんな時なんですね。
ちなみにa lion is...っていうのは一匹のライオンだけを考えている感じなんで、英語としては不自然でめったに使いません。状況次第で使う事もあるかも、という感じです。
一般的なのはlions are strong animals で、なぜかというと、具体的にライオンがいっぱいいるところを思い浮かべて「あいつらつえーぞ」と思っているからなんです。抽象概念化したtheとは一味違います。theを使う場合はちょっと小難しい議論なんかをしたり、他の動物と比較するから抽象的にライオンを考る必要がある場合ですね。
この抽象概念化するためのtheの使い方の他の用例を次に説明したいと思います。忘れなければ(笑)。
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がお薦めです。