英語と英会話を頑張る人へ 

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英語圏在住の著者テリーによる英語表現、文法などの解説ブログ。アメリカ英語が中心となります。

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give vent to という熟語があります。これは「感情を吐き出すように何かをする」という意味です。「感情をぶちまける」というような訳語が使われるような事もあります。

このような熟語を見たとき、というか学ぶとき、多くの学習者が「give vent to = 感情を吐き出す」というような1対1の訳で覚えようとします。もちろん、英熟語本によって、どのような訳を当てはめているのかというのは異なりますが、大体そんな感じではないでしょうか?

しかし、このような覚え方をしていると、決してその熟語の「本質」に迫ることはできません。なぜgive vent to が感情のはけ口になるのか?

これは、ちょっと辞書でventを調べればいい。私は英英辞典を使うべきだと考えるものですが、英和辞典でも調べてみると、気体、液体などの抜け穴、とあります。通風孔みたいなものですね。

それを知ると、次のような例文の熟語の「感覚」がわかります。

He got very impatient and he finally gave vent to his anger.

これは辞書にあった例文ですが(ちょい改変)、anger にventをgive したと直訳で考えたとして、要するに「怒り」に抜け道を与える、という字義通りの意味が考えられるわけです。

つまり自分の感情に「抜け穴」を与えることで、感情が爆発するわけです。

そうすると、今までたまりにたまっていたものが出ていく、というイメージもでてきます。

熟語をそのまま覚えるのでなく、このように「なぜその熟語はこういう意味に転化したのか?」という事を知る事は熟語を覚えるうえで大変役に立ちます。

アルバイトってドイツ語からきてるからだろ?と思ったあなたは半分しか正解ではありません。


日本人はよく「アルバイト」をしています。特に学生さんがしている事が多いですね。アルバイトは正社員と違って、時給制です。とかそんな説明しなくても、あなたには「アルバイト」が何を指すのかわかると思います。


しかーし、英語で「私アルバイトしてるんですぅ、だからお金あまりないの。就職したいわあ」とか言いたくても、なかなか説明できないんですよね。これがなんでかわかりますか?


これが何でか、というのには理由がありまして、英語圏にはアルバイトがないからです(きっぱり)。

いや、アルバイトと同じような感じでお金をもらって生活している人はいるんですよ。でも、これはあくまで、workの形態が日本のアルバイトに近い、というだけで、わざわざ「仕事をする」事と「アルバイトをする」事をわけないんですね。


だから、高校生がバイトをしている事を言いたい場合I'm working.だけでOKなのです。もちろん、パートタイムという事になりますから、親切に説明したければ

I'm working part-time. というような事になります。


どちらかというと、アルバイトの形態がないというのではなく、日本で言う就職という形態がない、という方が正確かもしれません。「就職」してようがしてなかろうが、労働基準法のような法律は一切労働者の扱いの区別をしていないんですね。国によって違うところもあるかもしれませんし、それによって微妙に労働形態が違う事もあるかもしれませんが、かといって、それをわざわざ言う必要はないわけです。働いているってことに違いはないわけですから。


そーゆー訳で、英語でアルバイトというは通用しないわけです。アルバイトって元々ドイツ語だから和製英語!っていう、そういう次元の問題でもないわけですねー。

さて、theについての記事の続きです。前回のエントリーでは「theは切り取る」という話をしたわけですが、これはtheの文法上の名前を考えたらある意味当然なんです。「限定詞」ですよね、確か。「確か」とかいい加減な事を言って申し訳ないんですが、基本的に文法上の名前とかは無視して英語を勉強してきましたからねー。


さて、こうやって考えると、普通に言われる"the"の意味もわかりやすくなります。例えば、一度言った単語はaからtheに変化、というやつです。例えば

Did you like the book? という場合、既にそのbookはどの本を表わしているのか話者も聞き手もわかっている、というやつですね。中学校1年で習うやつです(ん?今は小学校でならうのか?) ここではtheはいくつもいくつも世の中にある本の中からその本だけを「切り取って(限定して)」いるわけです。


基本的にはだいたいこの「切り取る」感覚をつかむことでおおよそのtheを理解できるようになります。


あとは「具体名詞の抽象名詞化」というのがあります。このように文法書でいわれているのかは不明です。すみません、私は私にわかりやすい言葉を使って考えてますので、一般的な文法書の呼び方と違う可能性が高いです。


これはどういうことか説明します。抽象名詞にはa をつけなくてもいい、というかつけてはいけないというのはわかりますよね。例えば beauty という単語は「美しさ」という抽象概念を表わしますから数えられないからaはいらんわけです。


しかし、lionだとかの場合、動物で具体的で数えられますから、aをつけるか複数形にするのが普通です。もちろんさっきの切り取るtheというのもあります。(例えば既に話題になったライオンの話をする場合)


ですが、これ以外にもtheを使う場合があって、それが抽象化する場合なんです。


よく次の文章の違いはなんですか?どれが正しいですか?みたいな質問があって3つ文章が書いてあるのがあると思います。


A lion is a strong animal.

Lions are strong animals.

The lion is a strong animal.


この3つの中の最後、theを使ったものはlionを抽象的に考えているわけです。

日本語的に言うと

「ライオンっつーのはな、強いんだぜ」

という感じでしょうか。


「っつーの」というところが、ライオン全体を抽象化して考えている「感じ」がわかると思います。

theを使うのはこんな時なんですね。


ちなみにa lion is...っていうのは一匹のライオンだけを考えている感じなんで、英語としては不自然でめったに使いません。状況次第で使う事もあるかも、という感じです。


一般的なのはlions are strong animals で、なぜかというと、具体的にライオンがいっぱいいるところを思い浮かべて「あいつらつえーぞ」と思っているからなんです。抽象概念化したtheとは一味違います。theを使う場合はちょっと小難しい議論なんかをしたり、他の動物と比較するから抽象的にライオンを考る必要がある場合ですね。


この抽象概念化するためのtheの使い方の他の用例を次に説明したいと思います。忘れなければ(笑)。


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