困難・崩れゆく無法者国家(72)狂う歯車 | たけさんのブログ

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「人はなぜ治るのか」不調からの脱却

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2016.7/21(木)〜青山繁晴・居島一平〜【真相深入り!虎ノ門ニュース】【Toranomon NEWS】

https://youtu.be/HghXOY3Y5QA

 ↑  お勧め  ~2:03:40

 

 

 

 

菅官房長官:「真剣勝負」で首相支えた3年半-在職日数歴代1位 

 

 

(Bloomberg) -- 「いろんなことがあり過ぎるほどあった」ー。第2次安倍晋三内閣が誕生して以降、一貫して官房長官として政権の屋台骨を担ってきた菅義偉氏は2016.7.16日、ブルームバーグのインタビューでこれまでの3年半を振り返った。今月7日で在職日数は1290日を記録し、歴代単独1位となった

 

  安倍政権の原点は、日米同盟を基軸とした国際協調の下での「積極的平和主義」だと菅氏は説明する。安倍首相の訪問国数は14年9月に歴代トップの49カ国に達し、15年4月には日本の首相として初めて米上下両院合同会議で演説。同年9月には集団的自衛権の行使などを可能とする安全保障関連法を成立させた政権は次なる重要課題として憲法改正を視野に入れる

  総裁任期を「2期6年まで」と定める自民党の党則に基づくと、安倍政権は18年9月には幕を閉じる。菅氏は「政権が安定していることがさまざまな政策をうまく実現して、この国を前に進めていく」とした上で、党則の変更については「党で決めること」と話した

 

坂本龍馬

  坂本龍馬が好きだという菅氏。「自由奔放で、挑戦をする。壁をぶち破っていく。そういう行動力がある」と語る。

  「おかしいなと思うことを改革していくことによって大きな成果が出る」と話す。現政権下で観光振興にも注力し、ビザ発給要件の緩和や免税品の拡充、東京・元赤坂と京都市にある両迎賓館の一般公開に取り組んできた。12年に840万人だった訪日客数は、3年後に過去最高の1970万人を記録。改革を進めていくことに「ある意味では快感を覚えている」と笑う。

  小泉純一郎政権下で竹中平蔵元総務相の補佐官を務めていた高橋洋一嘉悦大教授は、菅氏について「保守でもなく、革新でもなく、改革派だ。イデオロギーではなくて、実務的に何が1番良いのか考える人」と語る

  今でも時々菅氏と食事をするという高橋氏。「2時間くらい一緒にいても、菅さんは一言、二言しかしゃべらない」と明かす。菅氏の人柄について「真面目だし、裏表がないし、政治家じゃないみたい」と話すが、一方で仕事ぶりに関しては「歴代最強の官房長官」と評する。「情報収集と役所人事に関しては右に出る人がいない。安倍政権が安定しているのは菅さんのおかげ」と述べた。

 

自己責任

  菅氏が目指す日本は「自己責任」を重視する国だ。「自由、民主、法の支配は基本だ。そこについては厳しい枠があってもいい。それ以外のものは自己責任ということが大事だ。そうした社会を作りたい」と話す

  

人と同じことはやりたくない

    「人生は1回きり。自分はどの分野で生きていこうか、そこを決めるまで時間がかかった」と語る菅氏は、大学卒業後、一度は民間企業に就職。しかし26歳の時に「政治がこの国を、物事を決める。政治の世界で自分を生かしてみたい」と思い立ち、大学の学生課に相談して、小此木彦三郎元通産相の秘書として働き始めた。それ以降は「アクセル踏みっぱなし」の人生だという。

  初めて政治家になったのは38歳の時。無所属で横浜市会議員選に出馬した。「運よく当選した。その時の決断がすべてだった」と振り返る。今でも「市会議員になれると思っていなかったし、国会議員になるとも到底思っていなかった」と話す。

  その後、官房長官まで一気に駆け上がってきた菅氏だが、自身が首相として政権を担うことについては「全くその気はない」と断言する。「人にはそれぞれ自分の生きる道がある。私は仕事をすることが好きだから、仕事をしてこの国を前に進めていきたい」と語った。(Bloomberg 記事より抜粋 2016.7.21 10:00)

 

 

 

 

 

 

南シナ「九段線」主張の根拠崩壊 中国の海洋大国化はどうなる

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 南シナ海での中国の海洋進出をめぐり、オランダのハーグにある国際仲裁裁判所が出した判決が波紋を広げています。この裁判の結果を、中国はどのように受け止めたか、今後の中国の南シナ海、東シナ海での活動や日米への影響について、元外交官の美根慶樹氏に寄稿してもらいました。

1990年代からフィリピン・中国間で対立

 2016.7月12日、国際仲裁裁判所は、フィリピンが申し立てていたスカボロー礁(中国名「黄岩島」)やスプラトリー諸島(南沙諸島)などにおける中国との紛争について裁判結果を公表しました。スカボロー礁では1990年代の終わりころから両国間で紛争があり、2012年には双方が艦船を派遣してにらみ合う状況に陥り、後にフィリピン側は引き上げましたが、中国船は居残ったままの状態になっています。

 また、スプラトリー諸島では、やはり1990年代から紛争があり、2015年に入ると中国は埋め立てや建設工事を急ピッチで進めました。
中国は1990年代から海洋大国になることを国家目標とし、領海法の制定、巨額の予算措置など積極的に手を打ってきました。その中には台湾の中国への統合を実現することも含まれます

 しかし、こうした中国の行動は現状を一方的に変更するものであり、周辺の各国は危機意識を高めました。米国は艦艇をその付近の海域に航行させ、自由航行の重要性をアピールしました。

 フィリピンは中国との話し合いで紛争を解決しようと試みましたが、結果が得られなかったので2013年、国際仲裁裁判所に提訴しました。中国はこれも拒否したので海洋法条約の規定に従って強制裁判の手続きを進め、2015年末から実質的審議が行われてきました。

ほぼ全面的に退けられた主張、中国に衝撃

 今回下された判決は、ほぼ全面的に中国の主張を退けました。

 中国の主張の中で根幹となっているのは、「九段線」で囲まれた海域(これは南シナ海のほぼ全域です)について中国は歴史的権利があるということです。「管轄権」を持つという場合もあります。

 この主張について
裁判所は「国際法上根拠がない」と断定しました。この判断によれば、「九段線」の主張は成り立たなくなり、また、この海域での行動の多くは国際法上違法になる可能性があります。そうなると海洋大国化計画を見直さなければならなくなるでしょう

 
さらに判決は、スカボロー礁やスプラトリー諸島について次の趣旨の判断を下しました。

▽これらの岩礁はいずれも海洋法上の「低潮高地(注:低潮時にだけ海面に姿を現す岩礁)」や「岩」である。
▽これらの岩礁を基点として排他的経済水域(EEZ)や大陸棚の主張はできない。
▽一部の岩礁はフィリピンのEEZの範囲内にある。
▽中国による人工島の建設は、軍事活動ではないが違法である。
▽中国がフィリピンの漁船などの活動を妨害したのも違法である。
▽スカボロー礁で、中国の艦船は違法な行動によりフィリピンの艦船を危険にさらした。


 中国はこの判決に対し12日、あらためて「仲裁裁判の結果は無効で拘束力はなく、受け入れず認めない」との声明を出しました。これは従来からの姿勢を繰り返したものですが、実際には強い衝撃を受けたと思われます

習政権は行き過ぎた軍の行動抑えたいが……

 南シナ海、東シナ海さらには台湾に対して最も強い態度を取っているのは中国の軍でしょう。習近平政権としては、中国を世界の大国にまで押し上げ、米国との関係強化も必要なので、軍の積極過ぎる行動は抑えたいはずですが、軍は中国国内の安定を維持するための要であり、抑制するのは極めて困難です。

 裁判結果は、この困難な状況にさらに強烈なくさびを打ち込んだと思います。もちろん、中国が国際化し、合理的な対応をできるように変化する契機にするならば、このくさびは建設的な刺激となるでしょうが、早速2016.7.19日から南シナ海で軍事演習を行うことを発表するなど、 果たしてそうなれるか、疑問をぬぐえません

 今回は南シナ海に関するものですが、
中国は東シナ海、さらに台湾に対しても大した根拠を示さないまま歴史的権利を主張しています。かりにこれらについても裁判が行われれば、今回の裁判結果に見習って、中国の主張はやはり根拠がないと判断される可能性が出てきたと思います。実際にそうなると中国の行動は制約され、従来のようにふるまうことは困難になるでしょう。

日本や米国の主張の正当性を強化する判決

 一方、今回の判決はフィリピンのこれらの岩礁に対する領有権を認めたのではありませんが、フィリピンの排他的経済水域を認めつつ、中国の主張と行動が海洋法条約など国際法に違反していると判断したのです

 これらの岩礁の法的地位は複雑です。日本が先の大戦で敗れた結果、スプラトリー諸島に対する権利を放棄したことも絡んでおり、南シナ海のかなりの部分の法的地位は確定していません。

 中国とフィリピンは判決で終わりにするのでなく、今後話し合いを続ける意向を示しています。どういう形式で、どの範囲の国を含めるかなどについては問題が残っていますが、基本的に話し合いは歓迎すべきでしょう。

 
今回の判決は、南シナ海の現状を一方的に変えるべきでない、国際法に従って行動すべきだという米国や日本の主張が正当であったことを確認し、さらにその理由を具体的に示すもので、我々の立場が一段と強化されたのは間違いありません中国は裁判結果を認めないとの一点張りですが、裁判結果を建設的に受け止め、話し合いによる解決の糸口にする余地が残されています。中国政府の賢明な対応を期待したいと思います

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■美根慶樹(みね・よしき) 平和外交研究所代表。1968年外務省入省。中国関係、北朝鮮関係、国連、軍縮などの分野が多く、在ユーゴスラビア連邦大使、地球環境問題担当大使、アフガニスン支援担当大使、軍縮代表部大使、日朝国交正常化交渉日本政府代表などを務めた。2009年退官。2014年までキヤノングローバル戦略研究所研究主幹

(THE PAGA 2016年7月20日 17時45分)

 

 

 

 

 

中国企業の支払いサイトが長期化、経済の減速が影響か=中国報道

中国経済の減速が続くなか、中国企業の支払いサイトが長期化しているという。買掛金の支払い延滞の発生や、平均延滞日数の増加といった問題も顕著になっている。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国経済の減速が続くなか、中国企業の支払いサイトが長期化しているという。買掛金の支払い延滞の発生や、平均延滞日数の増加といった問題も顕著になっている。

 中国メディアの参考消息網はこのほど、ドイツメディアの報道を引用し、中国企業の買掛金の支払いサイトが伸びてきていると伝えた。

 記事は、ユーラーヘルメス信用保険会社が公表した調査結果を紹介。同調査によると、
中国企業の支払いサイトは調査対象となった36カ国で最も長い92日だったと紹介。世界平均が64日だったことを考えれば、1.5倍も長いことになる

 続けて、中国企業の支払いサイトが伸びている理由の1つとして「
中国の景気悪化」にあると分析。実際、前年度の調査の平均88日からさらに長くなっていることは、中国企業の経営状況が悪化していることをを示していると言えよう。

 別の理由は「
上場企業が現金を大量に保有しているため、返済延期に耐えられること」にあるという。中国では銀行による融資の条件は非常に厳しく、大量の現金を保有している上場企業は、顧客の支払い期限の延長に関する要望を受け入れることで、顧客を獲得している面もあるようだ。

 
中国はもともと不払いや踏み倒しの多い国とされている中国に進出する日本企業にとっても、中国企業による踏み倒しはリスクの1つと認識されているが、ただでさえ不払いが多いなかで返済期限の遅延が生じているのはリスク以外の何ものでもない
(サーチナ 2016.7.21 7:40)

 

 

 

 

 

 

 

【緊迫・南シナ海】習政権ジレンマ 譲歩も孤立も許されず “愛国”暴走も警戒

 

 【北京 産経】オランダ・ハーグの仲裁裁判所が南シナ海での中国の主権を否定する裁定を出したのを受け、習近平政権がジレンマに陥っている。「核心的利益」と位置づける南シナ海問題では譲歩が許されず国内外に強硬姿勢を示す一方で、9月初旬に浙江省杭州で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議の議長国としては孤立を回避し、参加国の協力と理解を得る必要があるからだ。

 中国国内では現在、米系ファストフード、ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)の商品のボイコットを呼びかける動きが広がっている。北京紙「新京報」は20日、KFCへの抗議活動が少なくとも全国11カ所で行われたと伝えた。

 ただ、中国共産主義青年団の機関紙、中国青年報は「むやみに外国企業を排斥するのは中国の投資環境の評判を落とす」と批判的に伝えた。中国当局の政治的思惑に進出企業が影響を受ける「チャイナリスク」の顕在化を警戒しているようだ。

 半面、極端なナショナリズムを刺激しているのは中国政府や官製メディア自身だ。中国中央テレビは連日、仲裁裁判所の5人の仲裁人(判事に相当)がフィリピンなどから金銭を受け取っていたと決めつけ、個人攻撃を続けている

 中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(英語版)は2016.7.20日、中国で原発を運営する国有大手、中国核工業集団(CNNC)が無料通信アプリ上に、海上浮動式の原子力発電所なら「南シナ海の島嶼(とうしょ)に安定して効率的な電力を供給できるようになる」と一時的に書き込んだことを報じた

 ただ裁定後のこうした強硬姿勢も、従来通りに南シナ海の軍事拠点化を進めることが困難になったことを受け、「国内外の目を意識した最大公約数的な措置にすぎない」(日本の中国研究者)との見方もある

 杉山晋輔外務事務次官は北京で19日、G20首脳会議での安倍晋三首相と習氏との首脳会談に向けた環境整備のため、中国の張業遂筆頭外務次官と約4時間にわたって会談した日本側が会議の成功に向けて最大限協力する用意があることを伝えると、中国側は「大変歓迎する」と回答した

 水面下では可能な範囲で歩み寄ろうとする中国側の姿勢の表れといえそうだ。(産経新聞 2016.7.20 23:00)

 

 

 

 

 

日本の“改憲勢力”台頭で中国社会が無秩序化する?

 

参院選で改憲勢力が3分の2以上に中国共産党の宣伝○作に透ける焦り

「2016.7月10日午前、日本で参議院選挙の投票が始まった。参議院における半分、すなわち121議席の帰属が確定される。自民党、公明党をはじめとする改憲勢力が参議院で3分の2以上の議席を獲得できるか否かが今回選挙の焦点となる」

 7月10日、中国の国営新華社通信は自由民主党本部の写真付きでこのような記事を配信した。中国共産党のマウスピースと呼ばれる宣伝機関である新華社がどんな内容を、どんな視角から、どのタイミングで配信するかを追っていけば、共産党指導部がいま何を考えているのか、これから何をしようとしているのかがある程度は解読できる。

 今回に限って言えば、冒頭の記事が示しているように、中国共産党指導部は、日本の参院選を“改憲勢力”が3分の2以上の議席を獲得するかの一点に絞ってウォッチしていたように見える。2日後には、オランダ・ハーグにある常設仲裁裁判所が南シナ海問題における判決を下すタイミングだっただけに、中国国内世論はそちらのほうにより多くの宣伝・報道資源を費やしていた。しかしそれでも、日本が憲法を改正するか否かという問題は、中国共産党にとっては南シナ海問題と同様に、政権の権威性や安定性に関わる重大テーマである。

 新華社が明確なスタンスとイデオロギーの下、宣伝工作を行っているように私には映った。

 参院選の結果は読者諸氏もご承知の通り、いわゆる“改憲勢力”が3分の2以上の議席を占めることになったという報道が、日本国内ではなされている。新華社も得票数や投票率などを含め、選挙結果の詳細を余すことなく報じていた。ここでは、中国共産党がどのような意図と立場を持っているかをうかがう上で有益と思われる新華社の記事(7月11日付『改憲勢力の勝利は日本の幸いでは決してない』)をレビューしてみたい(記事引用は省略あり)。

「改憲勢力が勝った危害は明らかである。今回の選挙を通じて、改憲勢力は間違いなく改憲プロセスを加速させるだろう。そして、安倍総理が発議をかけ、国会で通過すればそこからは国民投票の段階に入る。そうなれば、日本の根幹と未来を決定する平和憲法が書き換えられる可能性が出てくる。日本が戦後70年間守ってきた平和憲法が消えてなくなる可能性が高くなるのだ」

「安倍総理がどんなレトリックを使い、どんな手段で企みを隠したとしても、憲法第9条を改正することの実質は戦後平和憲法の束縛を脱却し、日本が一歩一歩昔の軍国主義の道へと進むことにほかならないのである」

「平和憲法は1947年の施行以来日本社会に根付き、広範な日本国民の意思を代表してきた。改憲の企みは多くの日本国民の疑問と抗議に遭っている。しかし、安倍政権は改憲で戦後レジームの脱却という目的を達成するために、これまで時間をかけて策を練ってきた。そして今回の選挙でも欺瞞的な手段によって選挙に勝つことを惜しまなかった。現在、改憲勢力は国会で多数の優勢を得たことによって、改憲という目的の実現を堂々と推し進めることが可能になった。安倍総理がこのやり方を使ったのは今回が初めてではない。《特定秘密保護法》のとき、安保法案を強制的に通過させたときも同様であった」

「安倍氏が総理に就任して以来、日本の侵略戦争の歴史を認めず、靖国神社に参拝し、集団的自衛権の行使を解禁し、安保法案を強制的に通すなど一連の右翼的な行動を取ってきた。国際社会で高度の警戒と懸念を生じさせた。禍根はすでに埋まっている。日本にとって、一旦平和憲法という守護神を失えば、戦争の道へと滑り落ちることは避けられないだろう。国際社会にとって言えば、“戦争を行える普通の国家”へと戻った日本が再び戦争発動者という前科を踏むのか否かは誰にも断言できない状況を意味しているということである」

「以上から、改憲勢力が勝利したという事実は、いま現在、そして将来を含めて、日本という国家の幸いを意味するものでは決してないと言える」

どんなことがあっても「反日」を放棄できない根源的な理由

 中国共産党体制としてこの記事に体現されているような反応を示すことは、全くもって想定の範囲内であった。これまでも、歴史問題や安全保障問題で、日本の総理や政府が中国共産党の党益に符合しない政策や行動を取るたびに、党指導部は自らのマウスピースである新華社を始めとした宣伝機関に“日本軍国主義の復活”というロジックで世論工作をさせてきた。その背景には、中国共産党が中華人民共和国建国以来、社会全域・国民全体に対してトップダウン型で施してきたいわゆる“愛国主義教育”が横たわっている

 同教育のなかでは、中国共産党は日本軍国主義者に勝利し、国民党との内戦に競り勝ち、その結果として新中国を建国したというロジックが貫徹されている。中国共産党が日本社会で広範に議論・批評されるいわゆる“反日教育”に執着し、どんなことがあってもそれを放棄できない根源的な理由がこのロジックの中に見いだせる。

反日”を放棄すること、それはすなわち建国のロジックを否定することにつながると同時に、中国共産党が中国大陸を統治してきた正統性そのものを揺るがしかねない事態に陥ることになるのである。したがって、中国共産党にとって、程度の差はどうであれ“反日”を止める可能性は論理的に存在しない

 そして、中国社会にとって、論理はすなわち政治を意味する。

 我々日本人が、中国当局にいわゆる“反日教育”を止めるべきだという要求を安易にしていくことが限りなく幻想に近い背景がここにある。もっとも、すべての中国国民が共産党の“愛国教育”に賛同しているわけではない。自国の政府や政策を客観的に見て、批判的に分析する人間も少なくないと私は理解している。日本社会としては、そんな独立思考を持ったチャイニーズシティズンとの相互対話・理解を促進すべく、民間交流を多角的に推し進めていくべきであろう。長期戦に備えた先行投資を大胆不敵に行使すべきだと私は考える。

 ここまで書いてきて今さらかもしれないが、そもそもなぜ中国政治、特に中国が何らかの形で民主化するか否かを議論・検証することを主旨とする本連載で、中国共産党日本の参院選をどう評価しているかというテーマを扱わなければならないのか。両者の間に何らかの相関性があるというのか。

 大ありである。

 ここからは、日本の参院選が中国共産党政治の盛衰にどのような影響を及ぼし得るのかを考えていきたい

日本の「軍○主義復活」を導き出さざるを得ない理由

 キーワードはやはり“改憲勢力”である。前述の原因・背景から、中国共産党としては、大衆迎合主義、論理的整合性、および政治的正確性という観点から、「日本の国会で改憲勢力が過半数を占めた」という事実をもって、「日本軍国主義が復活する」という論理を導き出さざるを得ない

“導き出さざるを得ない”という文脈がポイントである

 中国当局としては、共産党の正統性を死守するという国内政治的な需要からそうせざるを得ない。一方で、国際政治の舞台において、中国がその需要を満たすためだけの外交を展開することは非現実的であり、共産党とてそれは十二分に理解している。本連載でも適宜指摘してきたように、日本との関係を安定的にマネージすることは、中国経済、対米関係、地域協力といった観点からも共産党にとって充分なインセンティブをもたらすものである。

 ましてや、国連常任理事国である中国は今となっては世界第二の経済大国であり、“大国としての責任”をいかに果たしていくかは切実な国益でもある。日本との関係を上手に管理できない中国、政治問題がなにかと経済関係を束縛する中国、といったイメージが国際社会で蔓延してしまうことは、中国の国益に符合しないと言える。

 余談になるが、私自身は、いま中国に最も求められている能力は“持続可能な信用を健全に勝ち取る力”だと考えている。

 話を戻すと、だからこそ習近平総書記、李克強首相は安倍晋三首相の歴史認識、安全保障政策などに不満を持ちつつも、断続的に会談に応じ、政治関係の安定的管理に努めてきたのである。

国内政治と国際政治の狭間で揺れ動く中国のジレンマ

 そんな共産党指導部が、今回の参院選を受けて政治的に内心最も懸念していることは何か。

 それは、「改憲勢力の前進」とそれがもたらす「軍国主義復活の危険性」を根拠に“反日”を煽らざるを得ない国内政治に立脚した需要と、21世紀のグローバリゼーション時代において経済・外交的な利益を保証しなければならない国際政治に立脚した需要の間に存在するジレンマと関係している。中国共産党の対日外交は、両者のあいだで振り子のように揺れ続けざるを得ない運命にあるのだ。

 前者が行き過ぎれば後者が行き詰まる。後者が行き過ぎれば前者が暴走する。

 今回の参院選に関して言えば、中国が、特に安倍政権の残りの任期の間、継続的に日本の改憲に対する警戒と批判を煽り続けるのは必至である。その過程で、いわゆる“愛国主義教育”によって潜在的に、マグマのごとく蓄積されてきた“反日感情”が水面上に出てくる可能性が高くなる。そんな国内世論の下、共産党指導部が日本との関係を前進させようとしたり、日本の政策を評価したりする言動を取れば、人民は当局に対して反発的になる。

平和憲法を改正し、軍国主義を復活させようとしている輩となぜ仲良くするのか?」と。

 この過程で、“反日”が引き金となる形で当局と人民の関係が緊迫化し、人民が当局に反発すべく“愛国無罪”を掲げて暴徒化し、両者が対立する過程で、内戦を彷彿させるような武力衝突が起こり、結果的に社会が不安定化・無秩序化していくこと。これが、日本の参院選が中国共産党政治の盛衰にもたらし得る最大級の潜在的リスクだと私は考えている。

 ただ、現段階でこのリスクが顕在化する可能性は低そうである。

 参院選直後の7月⒒日に中国外交部が開いた定例記者会見において、陸慷報道官は記者からの質問に答える形で次のようにコメントしている。

「本来、日本国内の参議院選挙は日本自身の内政であるが、皆が周知の原因によって、中国を含めた国際社会、特にアジア地域の関連国家は現在日本国内で起こっているいくつかの政治動向に懸念を抱いている。これは完全に理解できることだ。緊張する問題は存在しない。しかし、日本が歴史的にアジア人民に対して犯した深刻な罪の行為ゆえに、今日の日本が軍事・安全保障の分野で取る政策動向がアジア国家と国際社会の高度な懸念を受け続けるのである」

「我々はこれまでも幾度となく主張してきた。日本は歴史の教訓を切実に汲み取り、アジアの隣国や国際社会の安全保障的な懸念を重視すべきであると。我々は日本が平和的発展の道を堅持し、軍事・安全保障の分野で慎重に行動し、地域の平和、安定、安全に資することを多くする日本を見たいと願っている」

 中国外交当局として安倍政権に対する警戒と牽制を露呈する内容ではあるが、前出の新華社記事と比べれば抑制の効いたものであることは容易に見て取れる。国際政治に立脚した需要に重心が置かれたパフォーマンスであり、中国が引き続き日本との関係を重視し、あらゆる機会を利用して日中関係を安定的にマネージしていこうという意思表示でもあるとも言える。

 実際に7月15日、参院選の後、南シナ海問題を巡ってフィリピンの主張を全面的に受け入れる、すなわち中国にとっては不利な判決が出た直後という微妙な時期、ASEM首脳会合に出席中の安倍総理と李首相が会談を実現させた

 会談では、ダッカ襲撃テロ事件での日本人犠牲者及び南スーダンでの中国PKO要員の犠牲者に対し,互いに弔意の表明があった。テロ対策や世界経済を巡って日中が協力を強化していくこと、戦略的互恵関係の原点に立ち、日中関係を前進させていくことなどで意見と立場の一致をみた。安倍総理が、9月に中国・杭州で開催されるG20首脳会議を成功させるために日本として協力していきたいという意思を伝えれば、李首相からは、G20サミットに際して安倍総理が中国を訪問することを、心から歓迎したいという立場が伝えられた

 この状況を見る限り、習近平・李克強政権が、改憲勢力の優勢が可視化された参院選後、国内で“反日”が高ぶらざるを得ない展望を前にしてもそれに故意に迎合して、あるいはそれを利用する形で日本との関係改善に後ろ向きになったり、“反日”をめぐって当局と人民が国内的に対立・衝突し、中国社会が不安定化したりするリスクは低いと言える。

 日中関係、および日本の対中政策という観点からすれば朗報であろう。

習近平体制は必ずしも安定せず対日重視が国内の無秩序化を招く?

 最後に、そんな朗報を可能にしている背景であるが、やはり習近平政権の権力基盤が相当程度強固になっていて、対外関係のなかでも政治的に最も敏感である対日関係を管理する上でも、大衆世論に迎合・遠慮することなく政策を展開できるようになった現状が挙げられる。

 もっとも、“強固”は必ずしも“安定”を意味しない集団的指導体制を掲げる共産党政権において、習近平総書記1人に権力が集中しすぎることによって体制内部で不満や鬱憤が蓄積し、何らかの突発事件が引き金となって政権運営が行き詰まる、政権そのものが弱体化する、場合によってはクーデター的な動きが発生する、といった可能性は全くもって否定できない。

 そして、そんな引き金に日本、あるいは“反日”が加担してしまうことになる構造的矛盾を既存の体制は抱えている。中国共産党の対日政策が一筋縄にはいかないゆえんが、ここにも存在する。(ダイヤモンド・オンライン 2016.7.19 9:00)