私は女子大生のアケミ。
私は中学時代から忘れられない人がいる。彼の名は松野。野球部のエースだった。彼の県大会決勝でのピッチングを見てから私は彼の虜になった。夏が終わり秋になった頃、私は彼に思いを伝えた。けれど、その恋は儚く散った。秋の地面に舞い落ちる紅葉のように。
そして月日は流れ、私は大学生になった。私は松乃屋という定食屋でアルバイトをしている。ある日、日が沈んだ頃、1人の男性が店に入ってきた。その男性は終始後ろ向きに座っていたので背中しか見えなかった。男性が食べ終わり、そろそろお会計かなと思った頃、男性は立ち上がり、なんとそのまま走って店を出た。食い逃げだ!私が叫んだ次の瞬間、店長が言った。「待つのや!」あまりの大声に男は動揺して振り向いた。その瞬間私は叫んだ。
「松野や!」
完
著者 尾田謙真「再会」より