大きな壁だ


高い壁だ


何個も何個も


何度も何度も


僕はそれを前に涙してきた


うまく乗り越えられたのかはわからない


無様にすっ転んだこともあるに違いない


でもこれだけは言える


僕はお前から


逃げたことは一度もない


これだけの時間を費やして


ここまで来たことを思い出して


僕は思う


僕は間違っていない


そろそろそう答えだして


舞台を表へ移してもいいんじゃないか


すっ転んでも


失敗しても


今ここにいること


それを真っ直ぐ見つめられるなら


僕はもう少し自分のことを


信じてもいい


光の中へと続く階段に足をかける


僕を待つスポットライト


振り向き様にポーズ


作り笑顔は


もういらない




僕はこの地に生まれたとき


何を持っていたんだろう


何を期待していたんだろう


何かを吸収していくたびに


僕は何を手放したんだろう


この地に舞い降りた翼と引き換えに


僕は何を手に入れたんだろう


重力に引っ張られていく


だんだんと重たくなっていく心と体は沈黙を恐れた


この手のひらにはもはや


誇れるものがないこと


空から降ってきた一枚の白い羽根が伝える


僕はくたびれた心と体でうなだれる


そんなために天の主は


この世界を用意したわけじゃないはずなのに


もう一度翼を手に入れたくて


僕はちゃんと見ようとしなかった


それと引き換えに手にしたものはおそらく


僕という存在


それ以外をほしがっている限り


僕は朽ち続けるだろう


僕が僕を愛さない限り


僕は毒を吐き続けるだろう


一枚の白い羽根を拾い上げる


僕だけにある僕の時間を


これ以上無視するわけにはいかない



この地に舞い降りたときに僕が期待していたものは


この地に僕が見つけにきたものはおそらく


僕という存在でしか見つけられないもの


たとえもう


手遅れだとしても


それを放棄することは


もう僕には起こらない




見つけたよって


君が教えてくれた


周りの人達は


それに気づかず


足急く過ぎていくけれど


君はきらきらとして


それを拾い上げた


いくつも君にぶつかっていく


いくつも幸福にぶつかっていく


だけど誰も足を止めない


気づけないという愚かさよ


その者に


転んだ者を笑う資格はない


その靴も


その手も


新品のようにぴかぴかだ


どうして


こんなにも時間が費やされているというのに


傍観者は


自分がスタートラインさえ得ていないことに気づけない


どこかの誰かが己の利益のために定めたリズムで踊っていろ


満たされては飢え続ければいい


幸い


どんな者にも夜明けはやってくる


それは誰のものでもないから


君は見つけたものをポケットにしまって


もう次へ行ってしまった


僕は楽しみで仕方がない


傍観者などにかまっている時間はない


君の後ろ姿を見てるだけで僕は


世界中のきらきらを集めている気になるよ


さあもうすぐ


誰のものでもない夜明けがくるぜ