日本国憲法はアメリカによっておしつけられた憲法だ。だから自主憲法をと 誰かかが叫んで改憲が企てられる

 

昨日の虎に翼

 

戦争で 兄の直道、そして寅子の夫 優三が 戦争によって 奪われる。

 

愛すべき家族 恋人が 友人が  奪われ  どれだけ多くの人々の慟哭があっただろう。

 

その深い絶望の中で 「日本国憲法」が公布された。

 

夫 優三が 出征前に寅子に語った。

 

「トラちゃんができるのは、トラちゃんの好きに生きることです。また弁護士をしてもいい。違う仕事を始めてもいい。優未のいいお母さんでいてもいい。僕の大好きな、あの、何かに無我夢中になってる時のトラちゃんの顔をして、何かを頑張ってくれること。いや、やっぱり頑張んなくてもいい。トラちゃんが後悔せず、心から人生をやり切ってくれること。それが僕の望みです」

 

この言葉は、寅子だけでなくすべての人へのメッセージだ。

 

 

そしてこれを具現化したのが

日本国憲法で。

 

第13条

すべて国民は、個人として尊重される。

生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、

公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

 

 

第14条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

これまでの大日本帝国憲法のもとで また戦時下で 国民は天皇に従う民「臣民」として諸権利は制限されていた。

し、旧民法はまさに男尊女卑であった。戦争というのは「お国のために生命を捧げるもの」であった。

新しい日本国憲法で 「平和主義」「戦争放棄」を原則にしたのは画期的なことだったはずである。それを忘れたころに

今ないがしろにしようとしている企みは許せない。

 

これまでの翼に虎のなかで 寅子はじめて女性は 当時の社会のなかで理不尽な扱いをうけていた。

だから  この日本国憲法が公布されて国民が目にしたときの「感動」や「喜び」はこみあげるものがあったんだと思う。

 

寅子のモデルである三淵嘉子さん自身が NHKのラジオで日本国憲法を初めて見た時の気持ちを語った内容が残されているんです

「憲法で男女平等ということを知ったのが、私の一生の中で一番素晴らしい瞬間でした。いまの若い方には分からないでしょうが、本当に平等ではなかったの。だから本当に憲法というのは、日本の社会を新しい人間らしい社会にした大きな力だと思います」(ラジオ第1「あの時わたしは」1981年5月放送より抜粋)

 

憲法は戦時下で 否が応でも戦争に加担、協力させられた 国民にとって 日本国憲法はこみあげる希望であった。

 

けれども、憲法施行から77年たったいま、日本社会は 国民ひとりひとりが個人として尊重されていのか。

そして 女性の社会的地位や立場は 前進しているのか。

 

 

というありさまである。最近でこそ表面的には 女性の存在は大きくなっているが。いまだに内面的なもの社会的な因習が

日本社会のすみずみに残存していて、それが女性のみならず、国民の諸権利を侵害しているといっても過言ではない。

 

虎に翼 は  今日的な問題なのである。 そして日本国憲法をないがしろにして、憲法を変えようとする輩達に政治を

任せている限り、これらの諸課題は解決されない。