3年B組金八先生の脚本 小山内美江子さんがなくなられた。合掌

私が教師になるにあたってひとつの影響を受けたテレビ番組である。

加藤優という生徒は問題行動を繰り返していた。その加藤優が金八の学校に転校してきた。そこで自分のことを大切にしてくれる信頼しうる金八に出会った加藤は元の学校に乗りこんで放送室を占拠し、マイクで全校生徒に「俺らは腐ったみかんじゃない」と叫ぶ

そのシーン
俺だって昔のこと考えたら荒谷二中には腹の中が煮えくりかえるさ。だからってできもしねえことで全滅することはない。できることをやりゃあいいんだ。校長と音羽と体育の清水に謝らす。徹底的に謝らすんだ。

いきり立っている元不良仲間達を冷静な判断で諭しながら、落ち着かせていく。。

「俺の今の担任はなあ、たとえ先公だって自分が間違ってたらちゃんと俺たち生徒に謝るよ。それが筋だろ。筋なら筋を通すのがたとえ中学生でもやらなくてはいけないことなんだ。」

 

 



荒谷二中時代の不良仲間から卒業式のボイコットを手伝って欲しいと相談を持ち込まれたときに言った言葉。荒谷二中の先生にはきちんと謝罪してもらうよう俺から話をする。だから今までのように暴力をふるったり、まして卒業式をボイコットするなんてことはやめろという思いが含まれている。

「あの3人(校長先生、音羽先生、体育の清水先生)に手ついて謝らせなければ中学が終わんないっていう奴だけ暴れりゃあいいんだ。ただし絶対にけがをさせたらまずい。すぐに傷害罪で持っていかれる。要するに謝らせればいいんだろ。俺が挨拶しにいくよ。あとは向こうのでかた次第さ。」

「バカだ・低脳だ・貧乏人だと、あそこまで生徒をいたぶる権利は先公にはねえんだ。金八さんは許して良いことと悪いことがあると人間にはあるとそういった。けど奴らは親父やお袋のことまで汚ねえこといいやがったんだ。俺は人間として絶対に許さねえ。就職が決まったからといって今逃げ出したらおれはもう人間じゃねえ!」
「俺が初めて暴れたときあんたお袋を呼んで飲み屋で働いているからってネチネチといたぶったよね。お袋だってな
毎日毎日暴力団に金の取り立てくっていなかったらそんなところに働きに行くか!」


「その仲間もこの仲間もみんなこの中学の生徒でしょ。」
加藤優が放送室で「俺は仲間や小学校からの友達がいたので元々学校が好きだった」という発言に対し校長先生から、「付き合う仲間が問題だった」と言われ言い返した言葉。
「あんたたちこいつのみになって物事考えたことあんのかあ。家で勉強らしいことしてれば学校にきたことにしてやる?冗談じゃねえや。こいつには学校へ来る権利があるんだそしてお前らにはたとえあと5日でもこいつを学校へ来させて良いこと悪いことをちゃんと教える義務があるんだ」
荒谷二中放送室での発言。金八先生からの教えを受けての発言ではありますが、この“教育を受ける権利と義務”の話は、スナックZで金八先生と言い争っている最中に聞いた言葉です。反抗的態度を取っていたのにもかかわらず、金八先生の言葉がしっかりと心に刻まれていたんですね。
「静かにしろ!俺たちの目的は達した。だが尻馬に乗って物ぶっ壊して学校をあらした奴は親がしかるなり学校が文句をいうなりサツが捕まえるなりいけないことはいけないと言ってやれそこまでは責任持てねえからなあ」

話し合いの末、校長先生より「謝ります」という言葉を勝ち取った瞬間、荒谷二中は歓喜で大騒動になった際に全校生徒に放送室からマイクを使って言った言葉。しかし、その直後警察に手錠をかけられ逮捕されてしまうとは

中島みゆきの「世情」が流れる。

 

 

当時、私が教師になる頃、中学校は「第三の非行のピーク」といわれていた時期だった。

校内暴力、対教師暴力が連日のように新聞で報道されていた。

教師のちからではどうすることもできない中で警察権力に力をかりて解決しようとする学校がいくつかあった。

一方で学校内の問題は「教育のちから」で「学校」で教師が解決するという粘り強い諦めない学校教師の存在もあった。

 

加藤優と行動をともにした松浦はこのあと 警察に逮捕されることになるが、私は涙があふれでてしょうがなかった。

そして加藤が連行された警察署で金八は叫ぶ

我々はミカンや機械を作ってるんじゃないんです。我々は毎日、人間を作ってるんです。人間の触れ合いの中で我々は生きてるんです。」と訴えます。涙を流しながら熱く語る金八先生。

半年しか桜中にいなかった加藤優が生徒代表で答辞を読んだ。

 

 

「絶対にこどもたちを守りきる教師になりたい」

「子どもたちを絶対に裏切らない」

このとき、私の脳裏に刻まれたことだ。

 

金八シリーズはもちろんかぶりついて金曜8時は必ず必見であった。現場の困難をリアルにとらえ、ひとつの「学校」の

ありよう。教師のありようをいつも示してくれているた。

 

私が教育実習のときある生徒が 私たちが教師としてあごかれている先生。それが金八先生です。

それは 〇親しみがある  〇情熱がある。 〇こどもたちの気持ちを考えてくれている

私たちはいまそんな先生を求めているのです。  と感想に書いてくれた。

 

そんな教師であり続けたい。

と心に期し  37年間そして+ α  現場に立ち続けた。

 

もし、そういう気持ちが私の中で薄らいだときは、私は「教師はやめる」とずっと思っていた。

 

このドラマは、空想のドラマでなく小山内さんが学校現場を丹念に取材し、脚本を書いた。だからリアルな学校の現実が映し出されていた。