こどもの日  これは1951年に児童憲章が制定された日。

児童憲章とは

われらは、日本国憲法の精神にしたがい、児童に対する正しい観念を確立し、すべての児童の幸福をはかるために、この憲章を定める。

児童は、人として尊ばれる。

児童は、社会の一員として重んぜられる。

児童は、よい環境の中で育てられる。

 

「こども」たちは大切な存在で大切にされなければならない。日本という国はこどもたちが大切にされているののだろうか。

身体的健康は高い一方で精神的幸福度は最下位に近い

日本では、身体的健康が1位に対し、精神的幸福度は最下位に近い37位に位置しています。生活全般への満足度を0から10までで示す質問で、6以上と回答した日本の子どもは60%以上でした。世界各国の平均よりも高いことから、最下位に近い順位を付けられています。しかし、身体的健康に着目してみると、日本の子どもの死亡率は世界で見てもかなり低い数値で推移しています。また、過体重・肥満に関しても日本は2位を大きく離し1位です。食習慣やライフスタイルなどにより、日本は身体的健康を保っているといっても過言ではありません。

学力の習熟度は高い一方で社会的スキルは低い結果に

日本のスキルの順位は27位です。日本は、学力の指標である基礎的熟練度に達している子どもの割合では世界5位以内に位置しています。しかし、社会的スキルを見るとかなり低く、コミュニケーションスキルなどが大きな課題となっています。実際の質問として「すぐに友達ができる」と回答した日本の子どもの割合は、世界で2番目に低い数値です。こういった回答から、社会的スキルが低いと判断されています。

日本の子どもの幸福度ランキングが低いのは教育政策が一因?

自己肯定感が育ちにくい従来の学力偏重型学校教育

学力偏重型学校教育では、子どもたちの自己肯定感がどうしても育ちにくくなってしまいます。なぜなら、日本では勉強ができるからという1つのことで、子どもたちの能力を評価してしまうからです。そのため、スポーツができたり、絵が得意だったりする子どもであっても「自分なんか」と自己肯定感を下げてしまいます。また、学力偏重型学校教育では、子どもたちの間でも学力によってグループができたり、いじめに発展したりといったケースが生じやすくなります。学力だけではなく、子どもたちの特徴に合わせて評価する教育方法の導入が、子どもたちの精神的幸福度の向上にもつながると考えられます。

学校生活に起因しやすいいじめや自殺の問題解決も急務

日本では、生活満足度が高い15歳の割合が約60%とそれほど低いわけではありません。しかし、約15〜19歳の自殺率の高さは年々増加傾向にあります。自殺だけではなく、うつなどの精神疾患を抱えた子どもが多いのも課題の1つ。全てが学校生活に起因しやすいことで起こる内容ではありませんが、少なからず教育現場ではいじめが発生しています。教育現場で生徒を実際に見ている教員は、どういった状況の生徒が自殺を考え、精神疾患を抱えているのかどうかを見抜く必要があります。また、教育現場でいじめなどの自殺や精神疾患を引き起こす状況があれば、今すぐに問題解決を求められるでしょう。

 

 

いくつかのこどもの日の社説を読もう。

「無関心の壁を乗り越えて、地域ぐるみで子どもを育てる文化をつくりたい。近所付き合い、PTA、町内会…。地域のつながりが希薄になっていく中で、子どもたちを真ん中に、きずなを結び直したい」と、チロル堂を運営する共同代表の一人、一般社団法人「無限」代表理事の石田慶子さん。「この場所が、そんな地域づくりの入り口になればいい」

奈良市生駒にあるチロル堂  興味あるな。

 

 きょう5日は「こどもの日」。国民の祝日法は「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」と定める。国連の子どもの権利条約でも、子どもは守られる対象であるだけでなく、権利を持つ主体であることを明確にしている。

日本社会のなかで  いま「こどもたち」は大事にされ権利が守られているか。大人の決意が問われている。

 

子どもは保護されるだけの存在ではない。さまざまな権利を持つ市民の一員であり未来の担い手である。誰もがいつまでも幸せに暮らせる社会をつくるため、子どもの意見は尊重されねばならない。

 きょうはこどもの日だ。子どもの声に耳を傾けることの重要性を改めてかみしめたい。

 

こどもたちに読んでほしいメッセージです。

もうすぐ大型連休(おおがたれんきゅう)が終わり、いつもの毎日に戻(もど)ります。何となく不安な人もいるでしょう。そんな時に、お薦(すす)めしたい一冊(さつ)があります。田島征三(たしませいぞう)さん作の絵本「とべバッタ」。カマキリやヘビなどに食べられないように、茂(しげ)みにひそむバッタのお話です。

 ある日、バッタはおびえて生きるのが嫌(いや)になり、大きな石のてっぺんに上ります。天敵(てんてき)たちに見つかると、死にものぐるいでジャンプ! 生まれて初めて羽を広げ、自分の力でどこまでも飛んでいきます。

 あなたにも大空へ羽ばたく力がある。友だちと遊ぶ。本を読む。スポーツを楽しむ。ぼんやり空想する。子ども時代は、それぞれのやり方で心と体にパワーをため、飛び立つ準備(じゅんび)をする期間です。

 

平和とは戦争がないことじゃなくて日常日々、自分のやりたいことができて楽しく生きられること。

ぜひ平和について考えたい。そこから新しい夢のあるドラマとストーリーが広がります。

[社説]「こどもの日」と平和 学び行動 続ける努力を | 社説 | 沖縄タイムス+プラス (okinawatimes.co.jp)

 世界中の全ての子どもが生まれながらに持つ権利を定める「子どもの権利条約」は、1989年の国連総会で採択された。

 条約は子どもの権利実現に不可欠な原則を示す。(1)差別の禁止(2)子どもにとって最善の利益(3)命を守られる(4)意見の尊重-の4項目だ。

 権利を守る義務を負うのは国や大人で、法律や政策によって権利の実現に努める。子どもを育てる責任はまず親にあり、国が支援することも記されている。

 今年は条約が採択されて35年、94年に日本が批准して30年の節目である。子どもの権利は守られているだろうか。

 2023年に虐待の疑いがあるとして、警察が児童相談所に通告した18歳未満の子どもは12万人を超えた。

 学ぶ権利を侵害するいじめも増えている。文部科学省によると、22年度の小中高校、特別支援学校におけるいじめの認知件数は68万件余りに上る。被害者が心身に深刻な傷を負う重大事態は前年度より3割多い923件で、いずれも過去最多だった。

 小中学校で30日以上欠席した不登校の児童生徒は10年連続で増え、22年度は30万人に迫る。ほぼ30人に1人の割合だ。いじめなどが原因で、通いたくても通えない子が少なくないだろう。

 部活動で指導者の体罰に苦しむ子どももいる。部活動を楽しむ指導方法が広がり始めたが、まだ定着していない。

 他にも把握されていない問題が多いはずだ。場合によっては命に関わる。子どもの声が大人に届かず、大切な権利が侵害されている現状を変えなくてはならない。

 

子どもたちにお願いです。

 私たちの安心な暮らしは、当たり前のものではありません。昔からの人々の努力でつくられたものです。これからは、皆さん一人一人が守っていく番です。

 自分とは違った考えの人を理解し、争いを防ぐ方法を見つけ出す力を養ってほしいと思います。