数日前に予告したように 沖縄についてこれから書いていこうと思います。

 

ちむぐりさ→「肝苦りさ」と書く。肝が苦しい、と。単純にかわいそう、たいへんね、という意味ではなく、「あなたが悲しいと、 私も悲しい」という共感の言葉なんだ、と。今欠けているのは、この「ちむぐりさ」という感覚なのかもしれない。

 

沖縄については、灰谷健次郎さんの「太陽の子」を読んで 沖縄戦が「県民の3人に一人が犠牲になったんだ」「ふあちゃんとギッチョンチョンとろくさんがいたらそのなかのひとりが死んだということなんだ」という言葉に衝撃を受けた。

そして米軍基地…沖縄の中心部分にある嘉手納基地。広大な米軍基地で沖縄の上空暮らしのすぐ真上には「黒い物体」が爆音をたてていつも飛んでいる。「ひまわり」という映画も

1959年6月30日午前10時40分頃、米軍のジェット戦闘機が石川市6区5班・8班に墜落し、その衝撃で撥ね上がり、付近の家々を引きずるようにしながら北西の方向約150m先の宮森小学校のコンクリート校舎6年3組2階の庇(ひさし)に激突、Z機のエンジンの一部が教室の中に突っ込みました。撥ね上がって激突するまでに、6区5班・8班の家々とすぐ隣の2年生のトタン葺き校舎3教室は撒き散らされた大量のジェット燃料で激しく炎上しました。
この事故で18名(内後遺症により1人)の尊い命を奪い、多数の重軽傷者を出し、そして数千人の心に傷を負わした大惨事となりました。

衝撃的だった。実際の悲劇である。

 

読谷村のレーダー基地。通信を傍受する基地前で写真をとっているとき、米軍兵に追われたこともある。(笑)

 

そして沖縄マラソンでは嘉手納基地のなかもコースにあり、基地内を米軍兵の「グッジョブ」という声援をうけながら走った。

 

そして辺野古基地… 大浦湾の自然生態系をないがしろにして、ごり押しで美ら海を埋め立て基地建設をすすめようとする。

ゲート前で毎日続く「座り込み」工事の強行を「数分」でも遅らせる「民」の抵抗。しかしひとつも悲壮感はない。シュプレヒコールもあるが、歌もあり、冗談(笑)もある。そして警備員や警察も含めて無言の「連帯」もある。

 

けれども、辺野古新基地建設だけでなく、アメリカの対中シーレーン構想にまきこまれ、自然豊かな与那国島  石垣島 宮古島など南西諸島にも自衛隊配備が増強され、ミサイル弾薬庫が設置されている。異常事態である。

 

いくさふむぬ まだん ばぐィでーくィそー
(戦雲が また 湧き出てくるよ)
あこーさ ぬぐりしゃ にぶみーん にばるぬ
(怖くて 恐ろしくて 眠ろうにも眠れない)
ゆむいくさ ならぬ
(憎い戦争 絶対にいやだ)

……反戦トゥバリャーマ「いくさふむ」作/山里節子
……出処:三上智恵『戦雲』(集英社新書、2024年1月)   つづく

 

★この連載は不定期で書いていきます。タイトルは「ちむぐりさ」です。