前回の内容の一部と少し重複します。
先週13日に海陽中の特給生入試があり、15日に発表があったようですね。合格された方はおめでとうございます。
入試結果のデータがHPに上げられていましたので、昨年と比較してみます。左が昨年度、右が今年度です。
H.25 H.26
算数 合格者平均 49.9 68.8
受験者平均 35.2 50.8
国語 合格者平均 61.1 66.7
受験者平均 52.2 56.2
理科 合格者平均 18.3 30.2
受験者平均 15.0 23.3
社会 合格者平均 24.3 29.0
受験者平均 19.6 24.8 (理科社会は50点満点)
算数の受験者平均が15.6点、合格者平均が18.9点上がっています。
国語はそれぞれ4.0点と5.6点、理科が8.3点と11.9点、社会が5.2点と4.7点上がっています。
昨年度と比べるとすべての科目が易化したと言えますが、それ以前のデータ(ここでは割愛しますがHPには載っています。)と比較すると昨年度が特別低く、昨年度のみが特異な年度だったと言えそうです。特に算数と理科に至っては昨年度は事故レベルで低く、今年度は元に戻っただけといえそうです。
ここまで顕著に差がある場合、作成者が意図的に難化させたと考えるのが普通です。問題を難化させる意図としては、当然それを解けるレベルの高い子に来て欲しいという狙いがあると思います。
反面、過去問との連続性というのも大切で、その学校にどうしても行きたいと考える生徒は過去問をしっかり分析して傾向やレベルを把握し、それに対抗できる実力を身に付けて臨むことになります。
入試問題のレベルや出題傾向を大きく変えることは、そこを目指している生徒の努力をある意味裏切ることになるため、学校側としては、やりづらいのが実情かと思います。
また、一気にレベルを上げ過ぎると受験者間で差がつかなくなり、昨年度の理科のように合格者と不合格者の平均点で3.3点しか差が出ない、運ゲーになりかねません。
やるとすれば、年度ごとに少しずつ(大問1つ程度まで)新傾向の問題を入れたり、捨て問レベルの問題を1問増やしたりして、うまく折り合いをつけながらレベルを上げていくのが妥当なやり方と考えます。
昨年度の海陽中はこの過去問の「お約束」を無視して何かにチャレンジした結果だと思います。こんなことができるのもこの学校の受験者の大半がお試し受験であると同時に、専願考慮というものがあることによるものだと考えられます。正直第一希望の学校でこんなことされたらたまりませんよね。
専願者はある程度点数が取れていれば救われる仕組みにはなっているのでしょう。
入試問題で良問を作る学校というのは長い目で見ればしっかり人気につながっていくと思います。塾の先生たちはよく見て分析していますしね。入試問題を通して学校の先生の質もある程度見分けることができると言えそうです。