弁護士と企業法務 | FLYING IN NASHVILLE ~米国ロースクール留学記~

FLYING IN NASHVILLE ~米国ロースクール留学記~

2011年夏よりアメリカのテネシー州ナッシュビルのVanderbilt UniversityのロースクールのLL.M.プログラムに企業派遣で留学した時の記録です。帰国後はTOEFL等の英語の勉強法や時事ネタ、法律関係を中心に更新しています。

ロースクールに留学するとだいたい企業派遣組と弁護士組がいるのですが、日本の法曹人口が拡大しだして以降、その比率が変わってきているようです。
昔は、企業派遣組といえば、会社がそのスポンサーになっていることから、ロースクールにとってはお得意さまでもろ手を挙げて歓迎されたような時代もあったようですが、最近はそういう雰囲気ではなくなってきています。

もちろん、学費を踏み倒される可能性が低いというのは今の企業組も昔と変わらないのですが、中国をはじめとするアジア圏からの留学生が増えたことによってその優位性は相対的に下がってきています。

加えて、前述の法曹人口の増加によって、日本国内で若手の弁護士が職を得られないという現象が社会問題にもなりつつあり、一部の大手事務所では海外に留学させる若手の人数が増えてきているようです。ロースクールからすると、やはり法曹資格を有する弁護士組を一会社員に過ぎない企業派遣組より優遇する傾向にあるため、この点からも企業派遣組に不利に働くようです。

以上の点から、日本人留学生の中では最近は弁護士組の比率が昔より大きくなり、それによって企業派遣組にはよりハードルが高くなっていることが見て取れます。
もっとも、ここ数年はまた国内の景気が盛り返しつつあるので、直近では状況は変わっているかもしれませんのでご注意を。