2020年4月7日、厚生労働省の生活保護行政を担当している社会・援護局保護課は、
新型コロナウイルス感染防止等のための生活保護業務等における対応について
という「事務連絡」を出しました。
これによりますと、
生活保護の申請などにあたり、面談等を行う場合の新型コロナウイルス対策についていろいろ書かれておりますが、
特筆すべきは、
① 申請にあたって調査すべき事項は最低限で足りる
ことを明確に示し
さらには
② 「働けるかどうか」「働けるばがあるか」(稼働能力活用)の判断は後回しでかまわない
ということを厚労省が明確に示した点です。
これは、ようするに
現在、生活に困っている人が申請をしたら、つべこべ言わずにとにかく生活保護を開始しなさい!
ということになります。
これらの対応は、
憲法25条1項、生活保護法の基本的考え方からすれば当然のことではありますが、
この当然の対応を厚労省が今回の新型コロナウイルス問題ではっきりと明言した意味は大きいです。
以下に今回の事務連絡で重要と思われるところを抜粋しておきます。
【参考引用】
「(1)申請相談について 生活保護の申請相談にあたっては、保護の申請意思を確認した上で、申請の意思があ る方に対しては、生活保護の要否判定に直接必要な情報のみ聴取することとし、その他 の保護の決定実施及び援助方針の策定に必要な情報については、後日電話等により聴取 する等、面接時間が長時間にならないよう工夫されたい。また、対人距離を確保した上 でマスクを着用する等、感染のリスクを最小限とするようにされたい。 なお、 「新型コロナウイルス感染防止等に関連した生活保護業務及び生活困窮者自立支 援制度における留意点について」(令和2年3月 10 日厚生労働省社会・援護局保護課 地域福祉課生活困窮者自立支援室連名事務連絡。以下「事務連絡」という。)の「3 適切 な保護の実施」にあるとおり、面接時の適切な対応(保護の申請権が侵害されないこと はもとより、侵害していると疑われるような行為も厳に慎むべきこと等)、速やかな保護 決定等については、引き続き特に留意されたい。 」
「(1)稼働能力の活用について 局長通知第4において、稼働能力を活用しているか否かについては、実際に稼働能力 を活用する場を得ることができるか否かについても評価することとしているが、緊急事 態措置の状況の中で新たに就労の場を探すこと自体が困難であるなどのやむを得ない 場合は、緊急事態措置期間中、こうした判断を留保することができることとする。 」