戸田ファミリー歯科、歯科衛生士の南原です
この写真は、一卵性双生児の女の子の写真です。
上のKellyは鼻呼吸
下のSamanthaは口呼吸
成長すると、こんなにもお顔に違いが
なぜこんなに違いが出たのでしょう?
昔、アメリカの矯正歯科医がサルで実験を行いました。
(実験内容)
似ているサル同士をペアにし、1匹には鼻にシリコンを詰めて口呼吸を促す。
対象は42匹。
(結果)
唇…①何もしていないサル
閉じている
②鼻を塞いだサル
ポカンと開いている
舌…①上顎にくっついている
②薄くなり、空気の通り道ができた
歯並び…①正常
②様々な不正な歯並びが出現した
一概に人間も同じとはいえませんが、
お口ポカンや舌の位置や形、歯並びに多少なりとも影響があるのではないかと考えられますよね!
動物の呼吸
人間の本来の呼吸法は「鼻呼吸」
しかし日本人の多くは「口呼吸」
最近の子供たちは、お口がポカンと開いている子も多いですよね
哺乳動物の中で「口呼吸」をしているのは人間だけ。
本来、哺乳動物にとって鼻は息をするための器官、
口は食べるための器官。
ですが、
人間は進化の過程で言語を獲得し言葉を発するようになったため、口でも呼吸ができるようになったといわれています。
生まれたばかりの赤ちゃんは口呼吸をしておらず、言葉を発するようになると口呼吸を行うようになり、それに伴い病気を発症するようになることが知られています。
因みに、
犬は“ハアハア”と、口を開けて息をしているみたいに見えますが
鼻から吸った息の一部が口から出てきているだけで
呼吸をしているわけではないそうです!
鼻呼吸と口呼吸の違い
口呼吸は、
冷たく乾いた異物だらけの空気が直接、咽頭や喉頭に当たってしまい、口の中は乾燥し、病原体が繁殖しやすい状態になります。
口呼吸を続けることで、呼吸器系疾患やアレルギー性疾患、皮膚疾患、自己免疫性疾患、精神性疾患などに罹るリスクを高めます。
また口呼吸は虫歯や口臭の原因になりやすいです。
鼻呼吸は、
優れた防御システムを持つ呼吸法です。
鼻の入口にある鼻毛は
外から侵入しようとする花粉やホコリなどをブロックしてくれるほか、
鼻腔粘膜では、線毛の上皮細胞と粘液の分泌によってウイルスや細菌などのさらに小さな異物を絡め取ってくれる
マスクよりも優秀な天然のフィルターです。
また、人間が発症する病気の7割は口呼吸が原因ともいわれていて、
鼻呼吸の方が感染症に罹るリスクが少ないと言われています。
呼吸器の一部である鼻は、温度調節や加湿機能、空気清浄機能を兼ね備えており、
健康のためには鼻呼吸が重要です