発病後、間もなく娘は小学校に入学しました。
医師からの「5年後に寝たきりになる」との宣告を学校側にも伝えました。
「卒業する6年生までは、おそらく通えない、しかし通える間はみんなと同じことをさせてあげたい」そんな想いも聞いていただきました。
校長先生、教頭先生、担任の先生、特別支援クラスの先生、みなさん真剣に聞いてくださいました。
親としては、そんな家族の想いや事情を知っていただき、少しでも応援いただきたい、そんな思いでした。
そんな過程を経て、1年生が始まりました。
同じクラスに暴れん坊の女の子がいました。
娘は筋肉が壊れる病気なので、人と接触しただけでも倒れてしまいます。
すぐに感情的になり暴れだす女の子、娘のことを考えると、その子の存在が凄く心配でした。
椅子を投げたり、机を倒したり、大きな声を出したり、その子のそういう姿を、何度も見ていたからです。
娘を教室まで送った際に、その子の暴れている姿をみては娘が怪我しないか、それが心配でした。
そして2学期、驚いたのは、そんな2人を担任の先生はペアにしたのです。
机をくっつけてペアにして、一番前の席に座らせたのです。
親としては、なぜ?という気持ちが強く、娘を見守って欲しい親の気持ちとのギャップを強く感じました。
しかし、そこから2人は変わっていったそうです。
か弱い娘を、その子が守るようになっていったそうです。
娘が出来ないことを、その子が代わりにしてくれたり
うまく椅子から立ち上がれない娘を保護してくれたり、そんな風に変わっていったそうです。
また、娘はその子に勉強を教えるようになったそうです。
小さな声で、足し算を教えてあげたり、そんな姿を何度も先生は見たそうです。
後で先生に聞いたのですが、先生は2人には何の指示もしなかったそうです。
ペアにしただけ、そして信じただけだと言っていました。
先生の印象的だった言葉
「子どもはみんな優しい気持ちを持っている、いろんな事情があって精神が安定しない子、自信のない子、そんな感情をうまく表現できないから暴れてしまったりするだけです」
「子どもはみんな思いやりがあって、誰かの力になりたい、認めてもらいたい、そう思っている、そんな子どもを信じて、チャンスを与えてあげるのが大人の役割です」
「それにはリスクも生じますが、子どもの成長のために大人がリスクを背負うのは当たり前、自分たちもそうやって育ててもらったのですからね」
その言葉を聞いて、一番嬉しかったのは、娘の将来を信じてくれていたことでした。
5年後に寝たきりになると宣告されているにも関わらず、娘の心の成長の為にリスクを背負い、心を育てようとしてくれたこと
そのことが感謝しきれないくらい嬉しかったです。
その先生とは今でもお付き合いさせていだいていて、大学2回生になった娘とも仲良しです。
難病克服支援センター
https://kokufuku.jp/
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