2018/12/15:投稿
2022/01/09:更新

 鉄筋コンクリートの建造物を巡る旅・鉄コン其古卍 Part 14、谷村美術館です。

 既出の善導寺を見た後、観光マップを片手に徒歩で谷村美術館へ。土地鑑がないのに「歩きで行けるだろう」と高をくくったのが災いし、道に迷いました。行けども行けども、美術館方面へアプローチする交差点を見つけられません。

 次第に不安になって、周囲をキョロキョロ見まわしていたら、
田園の向こうに姿を見せる谷村美術館
田んぼの先に谷村美術館らしきシルエットを発見!

 美術館といえば公園的な植栽の中とか、文教の香りがするエリアにあると思っていたので、
田んぼ道からみた谷村美術館
「美術館 in 田んぼ」には面喰いました。通常の順路まで戻るのは面倒とばかり、“えーい、ままよ!”と畦道でショットカットしました。

 こんな視点から谷村美術館を撮った画像は、
谷村美術館に裏手からアプローチするところ。木々でよく見えない
きっとこの記事くらいかと。

 どうにか美術館に到着して、入場料を支払った受付のスグ先に、
谷村美術館のスタディ模型
設計者らによるスタディ模型が展示されています。

 上の模型から振り返ると…
谷村美術館の外観
谷村美術館とご対面です。

 谷村美術館は、日本近代建築の巨匠・村野藤吾氏が設計を手掛け、1983年に竣工。翌84年、村野氏は93歳で他界したため、同氏の最晩年の作品となります。反モダニズムの旗手的存在であった村野氏の作品だけあって、谷村美術館は「非モダニズム感」を放っています。

 谷村美術館における非モダニズム感のジェネレータは「地面から生えてる」ような“オーガニック”な形状と色味にある、とみました。この架構式と組積造のハイブリッド的外観は、

米国ニューメキシコ州サンタフェのアドビ建築を参照したのでは、と感じさせます。

 雪囲いが出来てて冬支度も万端
谷村美術館の外観

 敷地内を進んできた回廊を振り返ると
谷村美術館へと続く回廊
こんな感じです。

 建物と地面の接点にご注目
谷村美術館の外観のアップ

 建物と地面をシームレスに
谷村美術館の外観のアップ
連結するための腐心の跡が伺えます。さすがに経年変化を感じさせるものの、これはこれで味があります。

 さらにまた、内部の造作が素晴らしい。しかし、同館の規定により建物内部は撮影ができず、
谷村美術館建屋入口
画像でお伝え出来ないのが非常に残念。残念ながらも、強いて言葉で中の印象をお伝えするなら、まるで蚕の繭でできた莫高窟、とでも申しましょうか。

 順路途中にある「モアイ像に見えます」コーナー
谷村美術館順路の途中にあるモアイ像スポット
円柱状の左側にある突起が鼻にあたる、そうです。

 美術館建屋から出ると、
谷村美術館の外観
撮影禁止から解放されます。

 紅葉が映える良い時期でした。
谷村美術館の外観。紅葉と青空と建屋のグレーのコントラストがキレイ
雪で覆われた光景も見てみたいものです。