2018/11/04:投稿
2021/12/23:更新

 鉄筋コンクリートの建造物を巡る旅。鉄コン其古卍 Part 3、東山霊園合葬墓です。

東山霊園合葬墓を正面から見たところ

 福島県郡山市南部に位置する霊園内の合葬墓。実のところ、当初の目当ては、同じ霊園内にある
東山霊園内にある仏舎利塔
仏舎利塔でした。しかし、仏舎利塔よりも合葬墓の方がインパクトが強かったため、方針変更。東山霊園合葬墓は、

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竣工:2015年4月
設計:デザ・阿部直人建築研究所
    構造・AUM構造設計
    施管・創スペース
施工:(株)蔭山工務店
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との由。近年の物件だと、検索一発でだけでここまで詳細に事情が詳らかに。前回の真岡市総合体育館の情報の少なさとは対照的です。

 わたくしが訪問した時点で、竣工から3年が経過していました。合葬墓本体デザインの秀逸さ、ランドスケープ・デザインの計画性、そして、日常管理の賜物でしょう。一帯はよく手入れが行き届いており、目に入るの景観は実に清々しい。人口減少社会の日本において、こうした“新しいお墓”のあり様は、頼もしく感じます。

 合葬墓と正対したときのフォルムはシンプル、かつ、フラット。日常風景とは隔絶した風景を呈しています。対して、横からの姿は、日頃馴染んだ切り妻型を採用。

 これら相反するかのようなデザインの融合により、非日常の行為たる墓参と、日常の記憶がイイ具合に交錯して、故人との距離を瞬時に圧縮してくれる、ように感じました。また、光を反射するほどに表面処理された屋根内側は、気持ちを凛とさせてくれるのに一役買っています。

 シンプルだからこそ、ここは見学する価値アリだと思います。

東山霊園合葬墓の近景、右前側から

東山霊園合葬墓の近景、左前側から

東山霊園合葬墓の近景、左横から

東山霊園合葬墓の近景、左横からのアップ