WOWOWドラマ「ザ・フォロイング」です。
http://www.wowow.co.jp/drama/following/
全15話中8話ですから、物語も折り返し地点に入りました。
ここまで観て来て思うことは、なんかちょっと違う方向に行ってないかな?ということです。
第1話は衝撃でした。
映像の表現手法はどちらかというとスプラッターホラーのそれであり、エドガー・アラン・ポーを信奉するキャロルとそのフォロワーたちという内容的構図はオカルトであり、主人公ライアン・ハーディとシリアルキラーのジョー・キャロル二人の心の闇を交錯させるサイコサスペンスであり、その全てが見事に調和して、ケヴィン・ベーコンの存在感とともに、映画のクオリティを見せつけ、ひきつける、というものでした。
今考えると、第1話の脚本をケヴィン・ウィリアムソンが手掛けたのが意外と大きかったのではないでしょうか。彼は『スクリーム』『ラストサマー』の脚本を書いた人物で、いわばホラー・エンタテインメントのプロフェッショナルです。今回「ザ・フォロイング」の製作総指揮として名を連ねていますが、実際に書いたのは1話だけのようです。
すると、最近のストーリー展開がどちらかというと冗漫に感じてしまうというのも、1話とその他のクオリティに若干違いがあるからではないか、とか思ってしまいます。あきらかにスプラッターホラーの醍醐味というかエンタテインメント性は影を薄め、良くも悪くも、警察vsシリアルキラーのサイコサスペンスに移行しているという感は否めません。
とはいえ、フォローするわけではないですが、確かに、1話のスプラッタークオリティでずっと来てしまうと、視聴者としては若干疲れてしまうかもしれません。また、サイコサスペンスは、状況が遅々として進まず視聴者をイライラさせることが一つの手法となりえるため、キャストが魅力的であれば、それなりに視聴者をつなぎ止めることはできると思います。それがこのドラマで成功しているかと問われると、まだまだ先を見てみないと分からないです。...と思っているということは、ある意味、引き付けには成功してるということなのかな。
でもやはり、物語の停滞感というか、冗漫さは感じてしまいます。
たとえば、フォロワーのボス的存在であるロデリックがフォロワーを何人か引き連れ、捜査官マイクをさらってクレアの居場所について口を割らせようとするシーン。あそこでファイトクラブをやっている場合でしょうか。どう考えたってもっと効果的な方法があるはずです。ロデリックは保安官ですよね。もう少し頭を使った口の割らせ方が考えられなかったのでしょうか。
また、フォロワーの一人であるチャーリーとキャロルの最後の絡みのシーン。感動的なストリングスのBGに包まれて、美しくどこか官能的なチャーリーの終末を表現しようとしているのかもしれませんが、あんなに時間をかけてまで見せたかったもの、というかその意図がイマイチ分かりません。感動的でも官能的でも戦慄させるなにかも感じることはできませんでした。要するに、大変申し訳ないですが、成功していないような気がします。
さて、ここからが勝負だと思います。
妙な方向へ広げ過ぎてしまった物語を、いかにして集束させていくのでしょうか。
あるいはさらに広げていくのでしょうか?
ケヴィン・ベーコンの青く吸い込まれそうな瞳に、その答えを見出せそうな予感を胸に、最後まで本作を見届ける覚悟です。
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