「葉刈り」とは、葉を取り去るコトで樹を人為的に春の芽出し直前の状態に戻してしまう事。
5月になれば既に気温は充分にあるので、新芽はすぐに動き始める。
殆ど全ての雑木に可能。
【メリット】
■小枝を増やす事
ケヤキは葉脇に新芽ができる。たとえば5枚の葉を付けた小枝があるとすれば、葉の付け根には「5つの新芽」を持っている。
そこに付いている葉を取り去ると、その5つの新芽が伸び出して「5本の新しい小枝」が出来る。
大抵の場合、春からの新芽を2~3枚程度を残して「芽摘み」してあるので、2~3本の新しい枝ができる。
■葉を小型化する事
葉が小型になれば、「樹は大きく見える」というメリットがある。
本来その新芽は、病虫害や自然災害のために失った葉のバックアップ用に用意されている芽であり、樹は春の新芽を展開するために、前年から蓄えていた養分の殆どを使用してしまう。その為2番芽の葉は、1番芽の葉よりも小さく(弱く)なる。
あくまで光合成を継続し生命を維持するための「非常用(バックアップ用)の葉」。
葉刈りを想定している樹々は、春から充分に肥培しておく必要がある。
また、樹々には「その規模に必要な、葉のトータルな面積」というものがある様で、葉刈りによって葉数が増える事により、いち枚ごとの「葉の大きさ」は、小さくなる。
■枝・梢の太さを細く維持する
葉のサイズと同じ事が言えるのが「太い幹に小さな枝」が樹を大きく見せるポイントとなる。
特にケヤキの場合は、梢や枝は天に向かって繊細に伸びる方が美しい。
葉刈りをせず放置すると特定の強い枝が徒長して太くなり全体のバランスを崩してしまう。結果として、やがて枝を切除する事になってしまう。
そして、切除した傷跡は肉巻きしてコブとなり樹はゴツクなる。
■水切れ防止対策の一環として
葉がなければ光合成できないので水分の蒸散は鉢の表土からのみとなる。
当然、灌水した水は乾きにくくなる。
夏休みで外泊する場合などは、直前に葉刈りを行い水遣りの回数を減らす事が可能だ。
■ゴツクなった部分の剪定ができる
繁った葉で見えなかった内部の枝が良く見える様になるので、枯れ枝の除去、剪定をするチャンスにもなる。
■デメリット
葉がないため樹は光合成ができないので、樹の成長は止まる。
幹を太くしたい場合などは、葉の無い期間がそのまま「損失」となる。
葉が復活するまでに2~3週間は掛かる為、落葉樹の活動期間は3月~10月の8ヶ月、わずか240日という事になる。
そのうち梅雨期間が40日、30℃以上の夏季休眠期間が70~80日ある。
結果、日本の落葉樹の活動期間は150日間程度しかなく、年間2回の葉刈りを行えば、貴重な樹々の活動期間の有力な成長時期を約35日分も失うことになる。
そしてその間、晴れた日ばかりではない。
「部分的な葉刈り」は強い部分を押さえるために行う。
全葉刈りの方が葉の復活は早く、部分葉刈りはいわば樹の「半殺し」状態となるため、肥培の悪かった樹は葉刈りした枝が、「枝枯れ」してしまう可能性もあるので葉刈り前にはしっかり肥培する必要がある。