349)Grace
・No,I don't think so. Maybe later, I'll walk down to take a swim.
・今その気がないわ、泳いでこようかな。
350)Emily
・This trip hasn't been very exciting for you.
・今度の旅行、お前には退屈だったのね。
351)Grace
・Don't be silly.
・馬鹿なこと言うの止めてよ。
352)Emily
・Oh, I thought there'd be more young people here.
・ここにはもっと大勢若者がいると思ってたのに。
353)Grace
・I don't miss them. Strange. All of a sudden, young people seem so....humph, so young.
・居なくたって寂しくなんかないわ。変ね、急に思えてくるなんて、若者たちが....ふん、とても子供っぽく。
354)Emily
・As compared to Sidney?
・シドニーに比べて?
355)Grace
・I guess....You know, sometimes I ....
・多分ね、時々あたし......
356)Emily
・What were you going to say?
・何を言おうとしたの?
357)Grace
・I don’t know, really.
358)Grace
・(softly)Mamma. Mamma.
エミリー、どうしたことか、急に心臓の発作を起こし、苦しみだす。
359)Emily
・(calling softly)Grace.
・(低い声で)グレース
エミリー、喘ぎながらベッドから身を起こす。
360)Emily
・(yells) Grace
・(低い声で)Grace
361)Emily
・(yells)Grace, where are you?
・(あえぐ)グレース、どこなの?
362)Waiter
・Well, I 'd just about given you up for tonight.
・今夜はほとんどあきらめてたんだ。
363)Grace
・Mamma! ....Mamma! Oh, no. Oh, no Mamma....I'm sorry.
・ママ!ああママ!まさか!
こんばんは。久しぶりの 「Grace」 ですね。今回は確かに長い構文はありませんが、会話の自然な省略、時制、口語表現、そして演技上の意味がいくつかあります。特に 353~361 は、英語の形だけでなく場面の感情を考えると非常に面白い部分です。
349)Maybe later, I'll walk down to take a swim.
No, I don't think so. Maybe later, I'll walk down to take a swim.
① I don't think so.
「そうは思わない」「その気はないと思う」という大変よく使う表現ですね。
No, I don't think so.
=「いいえ、そうは思わないわ」
前の質問の内容によって、日本語は「今はその気がないわ」など自然に変わります。
② walk down
down は「下へ」というだけでなく、ここからあちらへ歩いて行くという感覚があります。
I'll walk down to take a swim.
=「(海やプールのある所まで)歩いて行って泳いでこようかな」
③ take a swim
take a swim = 泳ぐ
これは have a swim と同様、会話的な表現です。
なお、I'll と言いながら Maybe later が付いているので、「必ず行く」というより、
「あとで泳ぎに行こうかな」
という感じですね。
350)This trip hasn't been very exciting for you.
This trip hasn't been very exciting for you.
ここは 現在完了 がポイントです。
hasn't been
=「これまでずっと、あまり楽しくなかった」
単なる、
This trip wasn't very exciting.
「この旅行は楽しくなかった」
よりも、旅行が進行中で、ここまでを振り返っている感じがあります。
したがって、
「今回の旅行、ここまであまり楽しくなかったんじゃない?」
というニュアンスです。
351)Don't be silly.
これは非常によく使われる表現です。
直訳すると「馬鹿にならないで」ですが、
「ばかなこと言わないで」
「何言ってるのよ」
「そんなことないわよ」
という感じです。
Don't be stupid. よりも柔らかく、親しい間柄で使いやすい言い方ですね。
352)I thought there'd be more young people here.
I thought there'd be more young people here.
there'd = there would
ここで大切なのは、
I thought there would be ...
「~がいると思っていた」
という形です。
実際には期待と違ったので、文全体では、
「もっと若い人がいると思っていたのに」
となります。
more young people は「もっと多くの若者」です。
353)が今回一番面白いところです
I don't miss them. Strange. All of a sudden, young people seem so.... humph, so young.
① I don't miss them.
miss は「いなくて寂しい」「会いたくて恋しい」。
I don't miss them.
=「あの人たちがいなくても寂しくないわ」
ここでの them は前の young people を指します。
② Strange.
これは完全な文ではなく、会話での省略です。
本来なら、
That's strange.
It's strange.
ですが、一語だけで、
「変ね」
「不思議ね」
となります。
映画の会話には、このような一語文がたくさん出てきますね。
③ All of a sudden
All of a sudden
=「突然」「急に」
です。
All of a sudden, young people seem so young.
直訳すれば、
「突然、若者たちがとても若く見える」
少し変な感じがしますが、実はここにグレースの心境があります。
young people seem so young
「若者が若く見える」
というのは、単に年齢の話ではありません。
グレース自身が今まで若者たちを「自分と同じ世界の人」のように感じていたのに、ある時ふと、
「ああ、この人たちは本当に若いんだ」
「自分とは違う世代なのだ」
と感じ始めた、ということですね。
そして、
humph
これは言葉というより、**「ふん」「ええと」「なんというか」**という感情的な間投詞です。
考えながら、
young people seem so.... humph, so young.
と言い直しています。
非常に自然な日本語にすれば、
「変ね。急に若い人たちが……ふん、本当に子供みたいに思えてきたわ」
でしょうか。
354)As compared to Sidney?
As compared to Sidney?
これは、
As they are compared to Sidney?
などを非常に短くした感じです。
as compared to ~
=「~と比べると」
したがって、
「シドニーと比べて?」
「シドニーと比べると、ってこと?」
ですね。
エミリーはグレースの変化を鋭く感じ取っています。
355)I guess.... You know, sometimes I ....
I guess.... You know, sometimes I ....
I guess
ここでは「私は推測する」という意味ではありません。
会話では非常に便利な、
「そうかもね」
「たぶんね」
「まあ、そういうことかな」
という柔らかい表現です。
You know
これは「あなたは知っている」という意味だけではありません。
話を続けるときの、
「あのね」
「ほら」
「その……」
というつなぎの言葉です。
そして、
sometimes I ...
と言いながら途中で止まります。
ここが重要ですね。グレースは何か自分でも整理できていない気持ちを言おうとしているのだと思います。
356)What were you going to say?
What were you going to say?
これは覚えておくと大変便利な表現です。
直訳すると、
「あなたは何を言おうとしていたの?」
be going to ~ の過去形
You were going to say ...
=「あなたは~を言うつもりだった」
=「~を言おうとしていた」
したがって、
What were you going to say?
=「何を言おうとしたの?」
となります。
例えば相手が、
I was just thinking....
と言って止まったら、
What were you going to say?
「何を言おうとしたの?」
と言えますね。
357)I don't know, really.
I don't know, really.
語順が面白いですね。
really を後ろに置くと、
「本当にわからないの」
「自分でもよくわからないわ」
という、少し柔らかい言い方になります。
Really, I don't know.
でも意味は通じますが、この場面では I don't know, really. のほうが、考えながら答えている感じがよく出ています。
358)Mamma. Mamma.
ここは言葉そのものより、状況の急変が重要ですね。
グレースが先ほどまで自分の心の中にあった漠然とした変化を言葉にできずにいたところで、突然、
Mamma. Mamma.
と母を呼ぶ。
短い言葉ですが、映画ではこのような単純な繰り返しほど強い感情を伝えます。
Mom ではなく Mamma なので、少し幼い頃からの呼び方、あるいは感情的に母を呼ぶ響きも感じます。
359)calling softly
(calling softly) Grace.
softly は「静かに」「優しく」「弱々しく」。
したがって、
「グレース……」
と、力のない声で呼んでいる感じです。
この場面の日本語訳の「低い声で」より、私はむしろ、
「弱々しく呼ぶ」
「かすかな声で」
という説明のほうが近いように思います。
360)yells
(yells) Grace!
yell は「叫ぶ」「大声を上げる」です。
ここで注目したいのは、359 では softly だったものが、360 では yells に変わることです。
つまり、呼びかけても返事がないため、次第に緊迫感が増しているわけですね。
したがって、日本語訳が同じ「低い声で」になっているとすれば、英語のト書きとは少し違います。
361)Grace, where are you?
Grace, where are you?
これは文法的には簡単ですが、場面では大変切迫しています。
Where are you?
=「どこにいるの?」
ここでは普通の質問ではなく、
「グレース! どこなの!」
「お願い、どこにいるの!」
という必死の呼びかけですね。
362)I'd just about given you up for tonight.
Well, I'd just about given you up for tonight.
今回、もう一つ大切なのがここです。
I'd = I had
I'd just about given you up は、
I had just about given you up
です。
give someone up は、ここでは
「もう来ないものとしてあきらめる」
という意味です。
just about
=「ほとんど」「もう少しで」
ですから、
I'd just about given you up for tonight.
=「今夜はもう、あなたは来ないものとしてほとんどあきらめていましたよ」
自然な日本語なら、
「もう今夜は来ないものだと、ほとんどあきらめてたよ」
となります。
この give up は非常に意味の広い句動詞ですね。
- give up smoking = 禁煙する
- give up trying = 試すのをあきらめる
- give someone up = その人をあきらめる、もう来ないと思う
文脈によって意味を判断する必要があります。
363)I'm sorry.
Mamma! ... Mamma! Oh, no. Oh, no, Mamma.... I'm sorry.
I'm sorry. は単なる「ごめんなさい」だけではありません。
この場面では、
「ごめんなさい、ママ」
「私が……ごめんなさい」
「ごめんね……」
という、非常に深い後悔や悲しみを含んだ言葉でしょう。
短い英語ほど、映画では前後の状況と俳優の声・表情によって意味が大きくなることがありますね。
今回、特に覚えておきたい表現
私なら次の8つに印を付けます。
- I don't think so.
そうは思わない。 - take a swim
泳ぐ。 - hasn't been very exciting
これまであまり楽しくなかった。 - Don't be silly.
ばかなこと言わないで。 - All of a sudden
突然、急に。 - I guess.
そうかもね、たぶんね。 - What were you going to say?
何を言おうとしたの? - I'd just about given you up for tonight.
今夜はもう来ないものとほとんどあきらめていた。
今回はおっしゃる通り長い構文はありません。しかし、**353の「young people seem so young」**のような、一見簡単なのに人物の心境を考えないと本当の味が出ない表現がありますね。
こういう映画のセリフは、長い英文を文法的に解く勉強とはまた違って、**「なぜこの人物はこの短い言葉を選んだのか」**を考える楽しさがあります。今回もなかなか味わい深い場面でした。