朋あり遠方より来る、亦楽しからずや。
久々にそんな気分を味わった一日だった。
一度も面識がなくても、ブログや電話などでやり取りした方は友達と捉えている。
拙い文章で石器づくりを紹介しているが、決して人様から敬われるほどの人間でもないし、技量もない。
それでも、是非お会いしたいと外国から訪ねて来てくれたのだ。
初めて会うのに、遠方で暮らす我が子の里帰りのような気持になることができた。
年寄りにとってこれほど嬉しいことはない。
昨日の辛い出来事が、一瞬にして消えた瞬間であった。
朝一、これまで作った石器を車のトランクに積み込み、彼らの訪問を待って約束の時間に道路に出ると、車のフロントガラス越しに笑顔で両手を振る女性が見えた。
スルスルッと車が近づき、満面の笑みをしながら降車された。
挨拶の後、お土産まで頂く。
何から始めようと思ったが、石器時代の人々が石刃や剥片を取った石核を見て頂いた。
その後、石錘、ストックする頁岩などの石器用石材を紹介した後に石割を開始。
一打ずつ驚嘆の声を上げられるH嬢、こちらも嬉しくなる。
石器づくり教室で子供たちの驚きの喚声を思い出してしまう。
バーベルステージに移動してもらい、最初に小学時代に見つけた石器を披露。
順次、数回にわたって色々な石器を見て、触って頂いた。
その後、玄関前で石割をして剥片取り。
その中の大きめの剥片から石鏃に至る過程を見て頂いた。
厚めの大型矢じりができ上る。
一連の流れの中で、必要事項は話したつもりだが、初めての人には難しいと思う。
頭では理解できても、今の自分でさえも上手くいかないことの方が多いからだ。
今後作業を進められて疑問点が生じたら、いつでも連絡を頂ければお答えしたい。
地蔵田遺跡に移動し、復元竪穴式住居の中で写真を撮らせていただいた。
石器づくり、諦めずに頑張って欲しいと思いながらお別れした。
病気のせいで滅多に外に出ないワイフが表に現れ、訪問された3人の方々に英語や中国語で挨拶してくれてよかった。
いつでも歓迎ですから、またお出で下さい。
一生の思い出になる出会いであった。