さようなら万博、そして日常へ

半年間続いた万博も、残りわずか20日。
思い返せば、そこは夢のような世界でした。

色とりどりのパビリオン、人の笑顔、胸を高鳴らせる未知との出会い。 

けれど、次第に人があふれすぎて、心の中で静かに楽しむ余裕を失ってしまった気がします。

9月22日。
2か月前抽選予約で大阪ヘルス館と9時枠の予約。
9時枠、「これで最後に目標を整えよう」と心に決めて、朝イチを狙い、6時45分に夢洲に到着しました。
しかしゲートに上がった瞬間、思わず立ち尽くしました。

まだ柵は閉ざされ、開放を待つ長い列が伸びていたのです。
最後尾を探して、柵に沿って歩くこと10分。ようやく辿り着いた時、ちょうど入口が開き、人の波が一斉に動き出しました。


せっかくこの万博で一番の早出をしたのに、第1集団には入れず、第2集団に甘んじることに。


それでも9時10分なるまでにはゲートを抜けました。
けれど狙っていたヨルダン館はもう取れず、急ぎ足で向かったオランダ館もすでに締め切られていました。
心に描いた目標は、あっけなく遠のいていきました。

当てもなく歩きながら、当日予約のできる案内所ハシゴし、検索しましたが、結局望んでいたものは見つからず――。

気づけば、胸の中で静かに「もう諦めよう」と呟いていました。

そして今朝。
毎週参加の望みをかけて予約に挑みましたが、やはり取れず。

昨夜、頭を強く打ってぼんやりしていたこともあり、早々に諦め、万博から心を離して日常へと帰りました。

それでも、万博にはあと2回行ける予定があります。
12時枠と17時枠。
パビリオンを巡る夢は手放しましたが、その代わりに、会場の空気、流れる時間、人々の熱気――そうしたものを胸に刻み、いつまでも記憶に残しておきたいと思います。

ありがとう、万博。
あなたと過ごした日々は、私の人生のかけがえのない宝物です。

次の55年、生きれたらまた逢いましょう。