みなさんこんにちは。

栃木県鍼灸師会のブログです。

 

昨年に引き続き、今年も壬生町総合公園陸上競技場で行われた、がん征圧・がん患者さん支援イベント「リレーフォーライフ」に参加して参りました。

 

昨年の様子はこちらでお読みいただけます。

 

 

今年のリレーフォーライフは9月14日(土)正午から翌15日(日)にかけて行われました。

 

高い気温と湿度の中でしたが、40を超えるチームが参加して、24時間のリレーウォークが始まりました。

まずはサバイバー(がんと闘い、がんと共に生きて行こうとする方)の皆さんによるサバイバーズラップから。

 

横断幕を手に、力強く歩くサバイバーのみなさん。

 

リレーウォークには、サバイバー以外にも、そのご家族や支援団体の方、臨床検査技師やリハビリテーション専門職、看護師さんや看護学生さん、薬剤師さんや透析クリニックのスタッフの方々などの医療従事者、

それから、生命保険会社や製薬会社の方、社会労務士さん、化粧品会社の方など様々なチームが参加していました。

 

こうしたがん患者さんを支える存在をケアギバーと言います。

鍼灸師会はケアギバーのチームの一つとしてリレーウォークに参加していますが、実は鍼灸師にはもう一つの”顔”があります。

 

それは私たち鍼灸師はがんと闘う方を支えるケアギバーであると同時にケアギバーの皆さんの元気を支える存在だ、ということなんですね。

がん患者さんを支えるご家族や医療従事者の方々が、疲れ果ててしまっていては患者さんを元気にすることはできませんものね。

だから、患者さんご本人だけでなく、支える方にも私たちはケアを提供するのです。

こうしたサポートのありかたを「間接支援」と言います。

 

 

鍼灸師チームのフラッグを手に歩く小堀誠会長。

 

午後半ばから参加の福嶋成典理事。

 

夕方からご参加の平木直美先生とお子様たち。

 

今回は平木先生や田渕佳子女性部長など、子どもさん連れで参加の方が何名かおられ、楽しく語らいながら歩く光景も見られました。

会場にはキッチンカーが来ていたり、ステージでミニコンサートが行われていて、ちょっとしたお祭りのような雰囲気で、とにかく明るくて、子どもさんも楽しめるんですね。

 

会場に光をともす、数々のルミナリエ。

 

夜になり、歩行路内周や競技場スタンドに並べられたルミナリエに明かりが灯ると、会場は美しくそして厳かな雰囲気に包まれます。

 

ブログ筆者は今年も深夜の会場を歩いたのですが、このルミナリエの光を眺めながら、この数年の間に鬼籍に入られた方々のことを思い出したりしておりました。

ペーパーバッグからぼんやりと広がる優しい光のせいでしょうか、数年前にこうして一緒にリレーウォークをなさっていた先輩鍼灸師の方がすぐ近くにいて、今も一緒に歩いているようなそんな感覚があり、その存在を近くに感じられた数時間でした。

 

東の空が明るくなり、朝がやってきました。

 

夜明けの空に、虹がかかって見えました。

 

夜が明けて、日曜日の午前。

私たちの”もう一つの顔”の活動が始まりました。

鍼の体験施術の様子。受付は福嶋理事。

 

鍼灸マッサージ師会の野上有子先生もお手伝いに来てくださいました。

 

施術の様子。ふくらはぎのケアを行う江河青年部長。

奥ではブログ筆者(株木)が腰のケアを行っています。

 

施術後、症状の変化を確認したり、セルフケアの方法をお伝えします。

 

この日はサバイバーさんや看護学生さん、医療従事者など30名の方にご利用いただきました。初めての鍼を受ける方も多く、皆さん笑顔で帰られました。

 

ちなみに、私たちが鍼施術体験に取り組んでいるあいだ、鍼灸師会チームのフラッグを預かって歩いてくれたのは、筆者の息子(高3)でした。

高校生のうちにこうしたイベントを経験できたのは、彼にとっても良い経験だったようです。

 

 

実行委員会からの感謝状を受ける小堀会長。

 

リレーフォーライフ実行委員会より鍼灸師会チームに感謝状が贈呈され、代表して小堀誠会長が受けられました。

 

今回初めて参加された方より

「リレーフォーライフのことは知っていて、その様子なども聞いていましたが、実際に来てみることでわかることがたくさんありますね。がん患者さんを支える人がこんなに様々なかかわりをしていることが目の当たりに見られるのは素晴らしいことだと思いました。それに、意外と子供も楽しめますね。」

とのご感想をいただきました。

 

 

来年も可能であれば鍼灸師会として、リレーフォーライフに参加したいと考えています。

ブログをお読みの皆さんも、ご都合がつくようであれば会場に来てみませんか?

少しのお時間でも構いません、歓迎しますよ。

 

 

それでは、また。

栃木県鍼灸師会のブログでした。

 

みなさんこんにちは、栃木県鍼灸師会のブログです。

 

9月5日(木)に、宇都宮市今泉町の宇都宮モノリスにて、関東信越税理士会栃木県支部様の健康セミナーが行われ、本会の大島謹一普及部長、田渕佳子女性部育成部長、ブログ筆者(学術担当:株木)が講師を務めさせていただきました。

 

関東信越税理士会 栃木県支部連合会のホームページ

 

この日のセミナーのタイトルはこちら。

「鍼灸について学んでみよう ~健やかさは最良の自己投資~」

ご参加いただいた税理士の皆さんは企業の経営者の方々とのお付き合いも多く、お金の活かし方についてもお詳しいことと思い、このようなタイトルにしました。

 

会場の宇都宮モノリスの様子です。

 

この日の会場は宇都宮市東図書館からほど近い宇都宮モノリス。

結婚式にも使われるところで、高い天井からシャンデリアが下がり、大きな窓からは燦燦と陽光が差し込むとてもきれいな会場でございました。

 

まずは参加者のみなさん、それぞれの体質をチェック。

 

手始めに簡単な質問をご用意して、それぞれの方に当てはまる不調があるかを確認します。

あてはまる項目の多い、少ないによって、東洋医学でいうところの、「気虚:ききょ」や「気滞:きたい」、「血虚:けっきょ」などの体質に該当するかがわかる、というミニゲームです。

皆さん、結構真剣に壁に投射されたスライドをご覧になっていますね。

 

「気:き」、「血:けつ」、「水:すい」の概念や、「経絡:けいらく」や「経穴:けいけつ」について簡単にご説明したところで、「エキスパートタイム」。

専門家の出番です。

 

 

デモンストレーションを行う大島普及部長。

 

手足の経穴(ツボ)の反応を確認しながら、パイオネックスという非常に短い鍼がついた絆創膏を用いてツボを刺激し、首や肩、腰などの可動性を見る見るうちに変えて行くというデモンストレーションを行ったのは大島謹一普及部長。

長くマラソン大会での選手のケアなど、スポーツ鍼灸の場に関わってきた専門家です。

殆ど見えないほどの小さな鍼の刺激で首の動きが変わると、会場の皆さんから感嘆の声が上がっていました。

 

続いて登場した二人目のエキスパートは女性部育成部長の田渕佳子理事です。

 

小児はりのデモンストレーションを行う田渕理事。

 

田渕理事は子どもさんむけの刺さない鍼の専門家で、大師流という流派を修められたエキスパート。他県からも田渕理事の施術を受けに多くの患者さんが訪れています。

 

子供さんのアレルギー疾患や心身の不調のケアなど、小児はりについての田渕理事の説明に多くの参加者の方が頷いて聞いておられました。

田渕理事が用いたのは、実は結構大きめの釘のような鍼だったのですが、デモンストレーションとして実際に田渕理事に腕などに触れられるとその優しい刺激に、みなさん次々と笑顔になります。

施術を受ける子供さんたちも、「手でなでているだけなんでしょ。」と思うくらい優しい刺激なんです。

 

お灸の説明のスライドを見上げる参加者の皆さま。

 

お灸の素材やツボの名前などのクイズで、一とおり盛り上がって、最後はセルフケアの方法のご紹介。

 

ツボ押しのご紹介。

お灸に適したツボなどもありました。

 

ツボの見つけ方や押し方をテーブルを回って説明する筆者。

皆さん真剣に聞いて下さっています。

 

サブタイトルの「健やかさは最良の自己投資」の意図について。

健康は損なわれてしまうと、ご自身やご家族の生活にもお仕事にも大きな影響を及ぼしてしまいます。

定期的な健康診断や人間ドックにかかっていただいたり、専門家によるメンテナンスを受けていただく。こうしたことにはそれなりにコストはかかりますが、それ以上のリターンが得られるのではないか、ということなんですね。

鍼灸のケア、とてもお勧めですよ。

 

 

とても華やかな会場と和やかな雰囲気で行われたセミナーに参加させていただき、私たちが日々ご提供している鍼灸施術のことや、東洋医学のことなどをご紹介させていただきました。

慣れない会場の雰囲気に少し緊張もしましたが、大変貴重な経験であったと思います。

こうした機会を与えて下さいました、関東信越税理士会 栃木支部連合会の皆さまに深く感謝します。

 

確定申告の時期など、税理士の皆さまには大変お世話になっています。

また、その時期には皆さまの心身にも相当なご負担がかかってしまっておられるのだろうとお察しいたします。

何かお力になれることがあれば、と思う講師3名でした。

 

それでは、また。
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みなさんこんにちは、栃木県鍼灸師会のブログです。

 

9月1日(日)に、栃木県鍼灸マッサージ師会主催の学術研修会が開催され、本会からも数名の会員が参加し、楽しく学ぶ機会をいただきました。

 

講師は新潟医療福祉大学リハビリテーション学部 鍼灸健康学科の粕谷大智先生です。

鍼通電の装置を手に話される粕谷大智先生

 

この日は腰部脊柱管狭窄症について、午前中は最新の知見と病態についてのとらえ方を講義頂きました。

 

30年ほど前は腰部脊柱管狭窄症は

「骨の病変によって神経の通り道が狭くなり、圧迫されているのだから、手術的にスペースを広げて神経にかかる圧を逃す以外に治療方法がない」

と認識されていました。

 

しかしながら実際には骨の病変により神経が圧迫されるような状態でも、下肢の痛みや痺れを生じない患者様も多く、現在では

「骨の病変に加え、神経に酸素や栄養を供給する血管の血流障害が加わることで痺れや痛みなどの神経症状を呈する」

と、考え方が変わってきたそうです。

 

手術をいきなり行うのではなく、神経の血流を改善させたり、痛みを和らげるための薬物療法、運動療法、鍼灸などの保存療法がまずは選択されることが多くなってきているようです。

これは私たち鍼灸師も、がんばらなくてはなりませんね。

 

また、足の裏の痺れにより立位や歩行の安定性が低下した患者様に対して、足の裏にお灸をするのも非常に良いのだということも教わりました。

患者役の受講生の歩行を評価する粕谷先生

 

これはお灸の効果により、足の裏に加わる刺激を感知するメカノレセプターという受容器の働きが活性化することが考えられるそうです。

 

午後は実際の鍼灸施術について実演をご披露いただきました。

 

実技のデモンストレーションを見学する受講者

 

ふくらはぎを走る脛骨神経やすねにある深腓骨神経、足の裏に回っていく足底神経などが皮膚の下に通っている個所を特定し、その部位に隣接するように鍼を打ち、低周波の電気をかけることで、その神経の中枢部分(脊髄、脳など)に刺激が入り、血流が増加します。

(この様子は実際の患者さんで撮影された顕微鏡動画を見させて下さいました)

 

現在、腰部脊柱管狭窄症にかかっておられる方は365~580万人にも及ぶと言われ、非常に多くの方が悩まれている疾患です。

私たち鍼灸師がこうした患者様のお悩みを解消するのにお役に立てるよう、技術と知識を磨いておきたいと改めて感じました。

 

貴重な学びの機会をいただきました、栃木県鍼灸マッサージ師会様と、粕谷大智先生に深く感謝いたします。

 

それでは、また。

栃木県鍼灸師会のブログでした。