みなさん、こんにちは。

栃木県鍼灸師会のブログです。

 

去る2月11日(水祝)に自治医科大学地域医療情報研修センターにて

「第30回在宅ケアネットワーク栃木」(「第4回在宅医療推進フォーラム」)

が開催されました。
本会はパネル展示部門に参加し普及活動を実施いたしましたので、その様子や学んだことなどをご紹介します。

 

「在宅ケアネットワーク栃木」は病のある方も、そうでない方と同様に「その人らしく生ききる」ための在宅医療の実現を目指して医師や看護師、リハビリテーション専門職など医療福祉に関わる多職種や市民が一堂に会して学び合う会で、1996年以降毎年2月11日に自治医科大学で開催されています。

30回目となる今年は「尊厳をまもるケアって何だろう?」をテーマに、長くこの分野で活動されてきた太田秀樹医師らによる基調講演や、「末期認知症の緩和ケア」に関する講演などが行われました。

 

本会のブースでは「教えて、鍼灸さん!」とタイトルをつけて、某人気アニメーションを連想させる(笑)ピンクのドアを模したカードをめくる体験型のパネルや、解説動画へ導くQRコードを掲示しました 。

 

本会のパネル展示

「教えて、鍼灸さん!鍼灸師に聞きたい12のクエスチョン」

12枚の”ピンクのドアが並んでいます。

 

さらに鍼や灸の実物などの展示を行い、円皮鍼や小児はりなどの刺さない鍼や、火を使わない灸を用いた施術体験、ブログ筆者によるご説明や質疑応答などを行い、来場した医療従事者や市民の皆さんに鍼灸の価値を多角的に提示させていただきました 。

 

本会の展示。

長机の上に、鍼の実物、小児はりや円皮鍼、

お灸の実物、火を使わないお灸などが並ぶ。

 

私(ブログ筆者)が少しだけ聴講できた基調講演では、その人らしく生きるために積極的に苦痛を除く「(新しい)緩和ケア」の必要性が指摘されました 。

この日来場された日本鍼灸師会の小林潤一郎副会長が度々当会ブースを訪れて下さり、お話を伺う機会がありましたが、小林副会長との対話の中でも、在宅医療の現場での「薬に頼らない緩和ケア」のニーズが話題となりました 。

 

小林潤一郎日本鍼灸師会副会長(左)

とブログ筆者(株木:右)

 

薬に頼らない緩和ケアの担い手として我々鍼灸師に対する期待が高まっていること。

そしてその安定的な提供には「療養費ベースでの対応」が欠かせないということ。

これらの小林副会長の認識は保険制度を活用し、公的な連携の中で責任を果たすという、在宅鍼灸が地域に根付くために不可欠な土台を示すものであったように思われます 。

 

一方で、それとは異なる形で、在宅での“尊厳”を支える活動をされている方との出会いもありました。

 

当会ブースに来られたお一人の女性に、肘の痛みに対する施術を体験していただきましたが、お話を伺うとこの方はパティシエさんでした。彼女は介護食用のゲルを用いて、本物のフルーツそっくりのスイーツ(インクルーシブスイーツというそうです)を作り、病児とその家族が同じテーブルで障害の有無にかかわらず「食」を楽しめるカフェを運営しています 。

 

 

パティシエさんが営むカフェのホームページ

店舗は千葉県八街市にあるそうです。

スイーツはお取り寄せもできるようですよ。

 

 

普段はあまり食べることに積極的でない医療ケア児が、兄弟が「美味しい」と喜んでいる様子を見て、自分からスイーツに手を伸ばして口に入れ、ニッコリする(ご両親が感激の涙をこぼす)。そんな光景が見られるとの話を伺い、ブログ筆者は「まさにこれこそが“食を通した命の尊厳”そのものだ」と深く感銘を受けました。

 

パティシエさんの肘の痛みをとる鍼灸施術は、直接的に病児や末期患者に行う支援ではありませんが、「支え手」が元気になることで当事者たちの尊厳がまもられる、いわば「間接支援」、「支援者支援」につながるものだと考えられます。これは他の医療福祉関連職や、介護にあたるご家族に対しての鍼灸施術にも当てはまる考え方です。

 

保険をベースに、公的な医療連携でしっかりと患者様を支える“直接支援”と、自費ベースで行う「支え手」の方々への“支援者支援”、この両輪が揃ってこそ私たち鍼灸師は在宅医療の“心強い援軍”になれるのではないでしょうか?

 

これからも多くの職種と連携しながら、皆さんの健やかな生活を応援していきたいとの考えを新たにしたブログ筆者でした。

 

それでは、また。

栃木県鍼灸師会のブログでした。

みなさんこんにちは。栃木県鍼灸師会のブログです。

去る1月31日に都内で開催されました、「令和7年度関東ブロックDMAT訓練」に参加する機会がありましたので、その様子をお伝えします。


DMAT訓練とは?
DMAT(ディーマット:災害派遣医療チーム)とは、大きな災害が起きた直後に現場へ駆けつける、専門的なトレーニングを受けた医療チームのことです 。
今回の訓練は、首都直下地震が発生したという想定で、栃木県を含む9つの都県と医療機関が協力して行う、過去最大規模の大きな訓練でした 。

 防災指令本部の様子/

 写真提供 栃木県鍼灸マッサージ師会 野上先生

ブログ筆者と小堀誠会長が訓練会場となる都庁の25階を訪れると、広い会議室を防災指令本部として多くの医師や行政職員が集まり、多数のモニターや震災の状況を伝える情報が書きだされたホワイトボードの数々が並ぶ緊迫した雰囲気の中でシミュレーションが行われていました 。

鍼灸師の期待される役割とは
大きな災害が起きたとき、休まずに救急活動を支えるのが救急隊員や自衛隊員、医療関係者や行政職員の皆さんです。
2024年に発生した能登半島の震災では、こうした「支援する側の人たち」の体調を整えるため、DSAM(災害支援鍼灸マッサージ師合同ユニット)による施術が行われ、スムーズな救助活動の実施に役立てられました。こうした活動を「間接支援」または「支援者支援」と言います。

今回のDMAT訓練でもこうした過去の例を受けて、東京都より鍼灸師会に「支援者支援」の協力要請がありました。

 

 施術を行う小堀誠会長/

 写真提供 栃木県鍼灸マッサージ師会 野上先生


指令本部の隣の会議室には4つの施術ブースが作られ、DSAMスタッフのサポートのもと、東京都鍼灸師会・東京都鍼灸マッサージ師会合同チームによる施術が行われました 。後日伺った話では40名の方々が鍼灸・マッサージの施術を受けたそうです 。

あくまでも視察として訓練に参加した栃木県鍼灸師会のメンバーでしたが、当日訓練現場で医師や行政職員の方に施術提供も実施させていただく機会がありました。
筆者が担当させていただいたある医師の方は、数日前から首の痛みに悩まされていましたが、1本の鍼(はり)や、シールタイプの円皮鍼(えんぴしん)など、ごくわずかな刺激で施術を行ったところ、その場で痛みが消えたらしく「初めての鍼だったけれど、これほど即効性があるのか」との言葉をいただくことができました 。

 

施術を行う筆者(株木)/

 写真提供 栃木県鍼灸マッサージ師会 野上先生


今回の視察を通して、災害現場では「治す技術」はもちろん、医療チームや自治体と適切な情報共有することや、正しく記録をつけること、清潔保持などの環境整備の取り組みがとても重要だと再確認しました 。それと同時に、これまで私たちがスポーツイベント等での鍼体験施術などご提供してきた経験も少なからずこうした非常時の支援活動に活かせるのではないかという手ごたえも感じることができました。

今後、(実際の災害の発生もそうですが、まずは・・・)関東ブロックでの訓練が栃木県で開催される可能性も見据え、私たちは”準備”を進めていくことが求められています 。いざという時に、地域の皆さんと、それを最前線で支える医療スタッフの力になれるよう、私たちはこれからも技術を磨き、組織としての力をつけていきたい、そんな思いを新たにした一日でした 。

貴重な機会を与えて下さいました、日本鍼灸師会危機管理委員長の是元先生はじめ、関係者の皆様に深く感謝申し上げます。また、当日栃木県鍼灸マッサージ師会様からも2名の役員のご参加があり、現場での情報の交換や画像のご提供をいただく機会がありましたことも申し添えさせていただきます。

それでは、また。
鍼灸師会のブログでした。

(ブログ筆者より)
災害支援への参画は、私たちの会が「地域になくてはならない専門家集団」として成長するための大きな一歩だと感じています 。
これからも活動の様子を折を見てお伝えしていきますので、応援よろしくお願いします!

活動内容について詳しく知りたい方は、事務局までお問い合わせください。

栃木県鍼灸師会ホームページ

 

 

12月7日(日)、真言宗智山派 生福寺(宇都宮市仲町)にて、恒例の鍼供養と、それに続く懇親会(忘年会)が執り行われました。ご多忙の中ご参加くださった皆様、誠にありがとうございます。

生福寺の看板。関東八十八ヵ所霊場 第二十四番札所 との記載が見える。

 

境内と本堂。この日は晴天に恵まれました。

 

〇鍼灸師としての生業を見つめ直す

治療によって役目を終えた鍼に感謝を捧げるこの鍼供養は、私たち鍼灸師にとって非常に重要な行事です。一年の治療活動を振り返り、鍼灸師としての生業(なりわい)の意味を改めて見つめ直す、大切な機会となりました。

供養では、本堂にて参加者一同で般若心経を唱和し、ご住職の厳かな読経に合わせて焼香を行いました。そして、使用済みの鍼をお豆腐に刺して供養を行い、鍼への感謝を捧げました。

 

焼香する小堀誠会長。

 

参列者が順次、供養を行います。

 

ご住職から「鍼灸師は人を救い、人に求められる仕事である」という、大変ありがたいお言葉をいただきました。この言葉は、日々の業務に追われがちな私たちにとって、鍼灸師としての使命と責任を改めて自覚させ、背筋が伸びる思いをいたしました。

 

豆腐に刺して供養された鍼。一年間お世話になりました。

 

〇年の瀬の集いで親睦を深める

鍼供養の後は、近隣の割烹(味問屋 明日香さん)に移動し、和やかな雰囲気の中で懇親会(忘年会)を開催いたしました。

 

ひょうたん型に抜かれた壁のしつらえ。味わいのある廊下の一隅。
年の瀬らしく、お節料理のサンプルも見える。

 

 

この日の料理の料理の一部。

木の葉の形の生麩やキノコを使ったつくね鍋など、晩秋から初冬を感じさせる品々でした。

 

美味しい料理を囲みながら、皆様の近況の報告や、来年の抱負などをお話しました。こうした集いで久しぶりにお会いできた方も多く、日頃はなかなか顔を合わせる機会のない会員同士が交流を深めることができ、大変嬉しく感じました。皆様の笑顔が溢れ、年末の疲れを癒す有意義なひとときとなりました。

 

笑顔がならぶテーブル。会を長く支えてこられた先生方。

 

少し(?)若手のテーブル。これからの躍進が期待される女性部の先生方も。

 

〇来年も皆様にお会いできるのを楽しみにしています

今回の鍼供養と懇親会を通じて得た、鍼灸師としての新たな決意と、会員同士の絆を胸に、来年も邁進してまいります。

栃木県鍼灸師会では、来年も研修会や市民公開講座など、会員の皆様にも一般市民の皆様にとって有益で楽しい多くの催しを企画する予定です。ぜひ、多くの方々にご参加いただき、直接お会いできることを楽しみにしております。

皆様のご健康とご多幸を祈念し、年末のご挨拶とさせていただきます。

 

それでは、また。
栃木県鍼灸師会のブログでした。

 

良いお年を。

 

付記:12月8日深夜起きました、この度の地震におきましては多くの方が厳冬の中困難な状況におかれていると伺っております。心よりお見舞いを申し上げます。