今回から新しいことを始めてみようと思います。
漢詩は漢詩なのですが、これまでのように語彙を語順通りに並べるだけではなく、
音を意識し尚且つ形式に則った詩を詠みたいと思います。
過去の漢詩の記事も貼っておきますので気になったらご覧くださいませ。
【漢詩】偶像【オリジナル】 | TOSHI's diary (ameblo.jp)
【漢詩】櫻花【オリジナル】 | TOSHI's diary (ameblo.jp)
それでは今回のオリジナル漢詩をご紹介する前に、
形式に則ったというのがどういうものなのか説明いたしましょう。
唐代になって形式的なものが確立されたそうです。
七言絶句または律詩、平起式や仄起式、押韻などなど。
それら唐代以降の形式に合わせて考えた漢詩になります。
今回私が詠んだのは七言絶句、平起式です。
ここでいったん七言絶句、平起式の表をざっくりここに記載します。
ちなみに仄声は上声、去声、入声がそれに当てはまります。
・起 平平仄仄仄平平(押韻)
・承 仄仄平平仄仄平(押韻)
・転 仄仄平平平仄仄
・結 平平仄仄仄平平(押韻)
平仄がごちゃ混ぜにならないようにしつつ、語順、押韻の母音も同じにしなければなりません。
難しいですが挑んでみたので、これより公開いたしましょう。
白文
愁苦帰途
秋宵畢業往康衢
困弊相聞衆鬧途
嚮後縹茫猶想昴
追思往事意飄浮
平仄と押韻が合っているかここで照らし合わせみます。
秋(平)宵(平)畢(入)業(入)往(去、上)康(平)衢(平) 衢
困(去)弊(去)相(平)聞(平)衆(去)鬧(去)途(平) 途
嚮(去)後(上)縹(平)茫(平)猶(平)想(上)昴(上)
追(平)思(平)往(去、上)事(去)意(去)飄(平)浮(平) 浮
思った以上にしんどいですこれは(;^_^A
では訓読文を載せていきましょう。
訓読文
書き下し文
帰途に愁苦す
秋宵に畢業し康衢を往く
困弊に相聞ゆるは衆途を鬧かすること
嚮後縹茫たるは猶ほ昴を想ふがごとし
往事を追思して意は飄浮す
現代語訳(伝えたかったこと)
憂鬱な帰り道
秋の日が沈んだ頃、仕事を終えて賑やかな大通りを歩いている。
心身ともに疲れ果てた私の耳に入ってくる、通りで騒いでいる人々の声。
未来は果てしなく広く、漠然としてはっきりとしない。この都会から見る星々のように。
そして楽しかった過去を思い出しては、心はふらふらと漂い定まらずにいる。
※昴は古代中国における白虎の座の星団だそうです。現在はおうし座だったかと。
都会の真ん中での社畜生活に思いを馳せて詠んでみました。
ガチめの詩に挑んで真っ先に暗い感じの漢詩になってしまいちょっとあれですが(^^;
他にもいくつか考え中なので、またブログに公開するかもしれません。
その際はどうか見てくだされば幸いです。
ということで今回は以上になります。
最後までお読みくださりありがとうございました。
ではでは皆さんまたお会いしましょう。