C4FMに興味あり(ただし買えない)& ICOMの再チャレンジ? | How hard can it be?

How hard can it be?

とちぎOS36/JO1EXAのブログです。

■実運用からの事実

  D-Star(GMSK)⇔デジ簡(4値FSK)比較

   ・デジ簡の方がモービルで粘る印象

    →断続しながらもデジ簡は何とか復調できる

      S/Nが回復してからビット列が取れるまでのラグが短い?

      D-Starは断続の「断」が長い印象

 

  D-Star(GMSK)⇔LCR(4値FSK)比較

   ・LCRの頭切れが短い印象

    →信号強度が強くともD-Starは1秒前後頭切れする場合あり

   ・D-Starの復調復帰までの待ちが長い印象

   →アンテナをわざと振ったり倒したりすると1秒以上途切れる

   →というか、LCRが驚異的に早い

 

■下衆の勘繰り

  GMSKは帯域のナロー化を符号間干渉より優先する考え方で、

  そもそも移動体通信としては4値FSKより不利?

  (符号間干渉とマルチパスの合わせ技とかでメタくそになる?)

 

  静的な運用でのビットレートと帯域で言えばメリットあるものの、

  マルチパスやQSBが不連続に起こる実環境においては、

  結局実効レートが下がって4値FSK同等未満になる?

 

  正しくは2G携帯電話同様の帯域幅を使う事で符号間干渉を抑制、

  と言うよりTDMさせて帯域をシェアさせつつ帯域自体を広げるのが

  本来のGMSKの使い方なんじゃないか?

 

  GMSKは原理上どうしても位相の同期を取るのが必要なはずで、

  単純なディスクリで済むはずの4値FSKと比較すると、

  S/Nが一旦低下して同期が外れてから復帰までのラグと、

  その上の層のフレーム同期のラグ、コーデックの復号再開のラグ、

  と3つのラグがあるはず。

 

  面白いことに、

https://www.icom.co.jp/beacon/backnumber/technical/ama_dig/content.html

  によるとD-Starの検討段階において4値FSKを詳細に検討した

  感じがせず、もしかしたら当時でも枯れていた4値FSKよりも、

  比較的新しく2G携帯にも使われたGMSKの方がいいはずだ、

  みたいな先入観もあったんじゃないのかなあ。

 

  そもそもD-Starのキーワードに「次世代」的なのがあったろうし、

  そういう意味では納得できなくもないけれども、

  結局使ってナンボなのが無線な気がしていて、微妙です。

 

  D-Starは日本ではほとんどGW接続レピータによるラグチュー、

  モービル間の場合切れやすくなるので敬遠気味という、

  なんともナローな使われ方しかされていない。

 

■知りたいやりたい

  という下衆の勘繰りを確信に変えるべく、

  「C4FMのモービル運用ってどんな感じなんだ?」

  というのを知りたいです。

  が、相手局が絶望的に少なそうなのが難点。

 

■TOKUDER

  印象的なLCRの「復帰の早さ」。

  これってもしかして、「TOKUDER」の効果なのか?

  音声的にはAMBE+2よりも更に低レートな感じですが…。

  個人的にこの「復帰の早さ」は、D-Starの移動体通信としての

  ネガ部分をICOM自らが再チャレンジして潰してきた、

  と思っています。

 

■それにしても…

  D-Star、帯に短しタスキに長しだなぁ…。

  D-Starが4値FSKだったらどうだったんだろうなぁ…。

  でも、きっと画像も送りたかったんだよなぁ…。

  正しくは、「移動体通信寄りの低レート次世代通信」と、

  「固定局寄りの高レート次世代通信」を分けるべきだったんだろう。

  もちろん、両方カバーするリグは高くなるでしょうが。

  ただこれを、ICOM(と一応KENWOOD)だけじゃなくて、

  Yaesuにも積んでもらえたら…、なんて。

 

  GMSKなのか4値FSKなのかの違いなど、OSI階層モデルで言えば

  物理層程度なのだから、IPとの絡みは共用できたと思うし。

  というか、それってC4FMによるWires-Xという話なんでしょうが。

 

■アマチュアの悩み

  デジタルの場合、電話だとしても変調方式とコーデックという、

  2つの要素が合致しないと通信が成立しないわけで、

  決まり切った2局間の定時連絡ならいざ知らず、

  不特定多数とやる場合はこれが本当に重い足かせに…

  自作の難易度とそこら辺の面倒くささもあって、

  いつまでたっても電話はアナログがメイン、なんでしょうね。

 

  色々考えてみてもD-Starの現実的なチャレンジとしては、

  いかに困難な状況であってもQSOが成立させられるか、

  ということで、QRPpだったりモービル運用だったり、

  というのが現実的な線か?

  もちろん、シンプレックスでのQSOそのものが高難易度、

  ですが…。

 

■これからどうするのか

  アマチュアの場合、リグが自作可能であることは必須だと思われ、

  それにはそもそも「個人レベルで作れる」「部品が買える」

  技術が必要条件だと思われます。

  「作れる」は「参考書を読めばシステム構築できる」でもあるはず、

  なのでD-StarのAMBE+2のようなブラックボックスは、

  本来であれば避けるべきだったと思います。

  最近時はArduinoやらラズパイやら、ビット列を処理するのが

  大分簡単になってきていて、

  アマチュアレベルで「これだね!」となるコーデックさえ決まれば、

  ある程度自由にデジタル電話無線機が自作できるのでは。

  (要はコーデックとプロトコルをある程度固定して自作を楽しむ)

 

  そっち方向の動きに敏感でありたいし、

  自らもムーブメントを起こさないといけないな、

  と思うのでした。

  (何かやることが決まったわけではないですが…)