1月25日にキャリオカさんで開催された読書会の報告です。
出席者は7名でした。
紹介された本は以下のラインナップ。
① 『ドミトリーともきんす』高野文子(中央公論新社)
とも子さん(おかあさん)ときん子ちゃん(娘)の営む学生寮に、
科学を勉強する4人の若者が暮らしている---
という設定で、朝永振一郎、牧野富太郎、中谷宇一郎、湯川秀樹
の人となりや言葉を、漫画と文章で紹介していきます。
つるんとした線のとも子さんきん子ちゃんに対して、学生さんたちの描かれ方はどこかレトロで、手塚漫画の登場人物のようです。
導入部が異世界への入り口になって、わくわくしながら科学の世界に入っていけ
るので、非・理系人でも楽しめると思います。
② 『上村松園展 -珠玉の美人画-』
展覧会の図録です。優美な筆致の振り袖姿は美術の教科書で見た覚えがあるけれど、女流画家の作品だと知らない人も多いのではないでしょうか。
明治の女性が画家を目指すなど、並大抵でなかったことは想像に難くありません。その陰には女手ひとつで育ててくれた母親の理解と励ましがあったことや、結婚せずに生んだ我が子との関係などを、紹介者さんが熱く語ってくれました。松園本人の著書『青眉抄』に詳しく書いてあるそうです。
③ 『日本のアールデコ』他 レコード集、楽譜など
大正から昭和初期にかけて、日本でも流行したアール・デコ。コーヒーカップやグラスから、時計、化粧品の瓶にマッチ箱、着物に至るまで、いま見ても斬新でかっこいい! 洗練されてるっていうのかな。
楽譜の表紙絵はユーモラスでもあり、横書きのタイトルが右から書かれていたり左から書かれていたり。いつも素敵なビジュアルで楽しませてくれる紹介者さんです。
④ 『ノッティングヒル』シナリオブック(英語版)
懐かしいヒュー・グラント&ジュリア・ロバーツ主演『ノッティングヒルの恋人』は、「ローマの休日」へのオマージュが感じられる、と紹介者さん。
ヒロインの名「アン王女」⇒「アナ」だし、身分違いの恋という設定や、クライマックスが記者会見というところなど、そういわれれば似ています。監督はきっとアン王女に、身分を捨ててジョーとの暮らしを選んで欲しかったんでしょう。
他の参加者さんから、ヒュー・グラントの出演作では「ラブ・アクチュアリー」が好きという声が上がりました。やっぱりハッピーエンドはいいですよね♪
蛇足ですが、わたしが一番好きなヒュー様主演作は「アバウト・ア・ボーイ」です(笑)
⑤ お嬢様講座シリーズ『知的のルール』『淑女のルール』加藤ゑみ子
紹介者さんに「久しぶりに読み返したら、ここに書いてあることほとんど実行できてないんです!」と言われながらも、お嬢様らしく可愛い包装紙のカバーをかけられて登場。
字をきれいに書く、とか当たり前のようなことが書いてあるんですけど、ちいさなことにきちんと心を配れるのが、お嬢様なのでしょうね。
今月も、楽しい時間でした。ご参加のみなさま、ありがとうございます。
会場としてご協力いただいたキャリオカさんにも、この場を借りて御礼申し上げます。
最初は明るかった窓の外がだんだん暮れていき、カメラの腕も玄人はだしのマスターにお願いして、ステキな写真を撮っていただきました☆