こども達に伝え続けていきたい絵本です。
『ないたあかおに』
文:浜田廣介
絵:池田龍雄
人間と仲良しになりたい心の優しい赤鬼は
こんな立て札を作ってみるのですが…
《オニ》というだけで人間達は恐怖心いっぱいで
なかなか信用することができません。
そこへ親友の青鬼の提案で…
ひと芝居することに。
見事!人間達と仲良くなれるのですが…
青鬼は
これから先のことも考えて
何より親友赤鬼のことを考えて
旅に出ます。
一度はこどもの頃に読んだ方が多いと思います。
私もそのひとりです。
でも
このお話の良さをまったく理解できないまま、
大人になり、
年長児のこども達に読むこととなりました。
とても長いお話なのですが
話が進むにつれ、
気持ちは高ぶり、途中でやめるなんて
とても無理でした。
そして
最後の青鬼くんからの手紙の場面で
涙があふれだしてしまいました。
こども達の前で申し訳なかったのですが
涙はとまりませんでした。
もちろん、あの頃の私と同じく、
こども達は
話の内容も私の涙の理由も
わかっていないようでした。
私はこのお話をどうにかして
今、この子達のココロに届けられないだろうかと考え、
発表会の劇として取り組むことにしました。
配役決め。
もちろん鬼に立候補はいません。 主役なのに。。。
あの手この手と必死に勧める私の困り様を見て
救いの神のごとく
ひとり、ふたりと申し出てくれて
予定通りの配役が無事に決まりました。
今思えば、もうこの瞬間からこの子達の心の中には
《ないたあかおに精神》はあったんですね。
劇で使う、道具や背景絵などをみんなで作り、
何度も何度も練習を重ねていくうちに
役柄の気持ちを考えてセリフを言ったり、
動きをつけたりすることができてきました。
想像以上の感情移入に驚きの連続でした。
友情の大切さ、
友達のことを想う気持ち、
友達の想いに気づくこと、
いろいろなことを教えてくれた『ないたあかおに』
またいつの日か
この絵本に出会う時がきますように。。。
卒園して遠くに行ってしまった友達。
一人だけ違う学校へ行った友達。
別々のクラスになってしまった友達。
だけど
いつまでも大切な友達。