エッセイ集にハマる | こどもの心はミュージカル!

こどもの心はミュージカル!

こどもの心は喜びにあふれ、歌いたくて踊りたくて、ワクワクしているものです!それは『創造力』『表現力』があふれているから。
その力を、ミュージカルをはじめとする全身表現で、大きく膨らませたい!――― それが私の大きな夢。


友だちを作るのが昔から苦手です。

コントロールが下手な
野球少年のように、
仲良くしたい相手へ
気持ちをうまく伝えられず、
相手にデッドボールしたり、
見当違いのところに投げたり、
本当にどうしようもありません。

ボディートークを習い、
それを生業としてからは、
相手の息の中にある
本音を感じるもんだから余計に、
相手に届く球を投げられずに、
あえて相手の目の前に
落としてしまいます。

拾ってくれたらいいのに、と、
まったく臆病です。

だから、
こどもたちの中にある、
うまく言葉にできない
もどかしい気持ちは、
痛いほどわかります。

お母さんに甘えたいのに
うまくできずに困らせたり、
学校でクラスの様子に気を遣いすぎて
我慢がたまって気持ち悪くなったり、
お母さんを守りたくて、
がんばりすぎたあげく、
甘えが吹き出しちゃったり…
こどものお腹は本音が固まって
カチカチです。

今日もゆっくり
それぞれの子のお腹をほぐしながら、
いろんな質問をして、
その「うん」から本音を聞き分けます。

「うん」と言っていても、
本音じゃない時もあるし、
「うん」以上の気持ちを
絡まった糸をほどくように
引き出していく。

私の不器用さは、
こんな形でなら役に立つみたい。

そして、私はというと…
最近
エッセイ集にハマっています。

もともとは、
仮想現実に自分の身を置きたくて、
小説をよく読んでいましたが、
最近はあまりピンと来ず、
そんな時に読み始めた
女優の石田ゆり子さんのエッセイに
しみじみしたのがきっかけでした。

女優さんで、
あんなに美人でも、
悩みがあったり、
たくさんの思いを抱えて、
乗り越えて、
生きてるんだな。

だからこその内から輝く美しさ。

と、勝手に
彼女の紡いだ言葉を読むたびに、
親しくなったような気持ちになりました。

今は星野源さんのエッセイを、
最初のものから順番に読んで、
その頃に作られたアルバムを
同時に聞いています。

彼はくも膜下出血から、
2回も大手術で
生死をまたぐような体験をして、
人生が一変しているから尚のこと、
その前後で
生きることへの価値観が変わり、
文体も内容も音楽も変わっています。

その変化に、
命のたくましさが見えて、
なんだか勇気をもらいます。

職業病です。

この心境の時に、
こんな歌を作ったんだ。

だからこの歌は音が、歌詞が、声が、
こういう感じなのか、とか、
つい、感じようとしてしまいます。

でも、一人の人を
深く感じるのはとても嬉しく、
星野源さんにも最近は親近感です。

作品を通して人を知り、
その人の在り方に
新鮮に出会っていく。

私は親しくしたい人と出会うと、
つい相手の深い心と
出会いたくなりすぎるんだな、と、
気付きました。

結果、見えすぎて、
気を遣いすぎて、
相手の目の前にボールを落とす。

それぞれの人の素晴らしさを、
的確な距離感で
見ていられるようであれば、
いい関係になれるのかな。

人との関係性をつくる能力に
未発達で不器用なこどもと
仲良くなれるのは、
私も不器用だからみたい。

大人の人と友だちになるのは
なかなかハードルが高いです。