表現の指導をしにいくようになって、
15年以上がたちます。
自分の主宰する場と違い、
公共の場は、
表現を好まない子や、
わざわざそういう場で
頑張りたくない子もいます。
だから、
その子たちをその気にさせるのには、
たくさんのアイディアや
空間づくりが必要です。
こんなに日々、
悪戦苦闘する場はありません。
だからこそ、指導する側の
内容が問われ、
私も日々、勉強です(๑>◡<๑)
やりたくない子を無理にやらせて、
心に傷をつけたら、
一生、表現嫌いになる可能性があります。
そうしてしまうことがないよう、
私は細心の注意を払います。
まずは無理やりやらせないこと。
だから、短期間に詰め込まない。
私は指導にいく場が、
発表に向かう場合、
少なくとも半年くらいかけて、
ゆっくり進めることにしてもらいます。
こどもの中であたたまり、
芽を出すための時間を保証するためです。
いつかやらなきゃいけないことは、
こどもだって分かっています。
なんとか、気持ちを奮い立たせようと、
苦手な子だって
密やかに思っています。
だからこそ、
待つ時間を保証してあげないと、
こどもは自分を育めないから。
待つ時間があるだけで、
意外と覚悟もできるものだし、
こちらも余裕があるぶん、
その子にあたたかな声かけが
たくさんできます。
次に、
得意なことから、始めていく。
苦手な中にもできることがあります。
だから、作品の中に
その子のできることを作っておく。
以前、セリフが苦手な小1の男の子に、
私はインディアン役だったから、
「アオ〜ッ」と、
オオカミの遠吠えをする
セリフを作りました。
彼はミュージカル好きになり、
今ではセリフの多い役もへっちゃらで、
低学年を演技で引っ張るほど。
今回は隠れんぼ好きな子たちに、
隠れ家を舞台上、
あるいは舞台裏に作ろうと
先生方と相談中です。
そして、小さなやる気を見逃さないで、
ちゃんとそれをこどもに伝えること。
今日、今までセリフ練習に
入ってなかった子が、
セリフを言いました!
それは彼らには
すごい前進です。
口パクにしてようが、
棒読みであろうが、
わざわざだるそうに言おうが、
友だちにくっついていようが、
セリフを言おうとし始めた!
その勇気に感動したことを
ちゃんと相手に伝えます。
大げさにほめるのはよくありません。
相手がしらけちゃうから。
今日できたぶんだけ、
「おっ、今の、
『オイ!』の言い方がよかったわぁ!」
「あとの課題は、次やな」と、
満足してないのも、
ちゃんと伝えます。
そして、最後に、
やる気のある子に、
ちゃんとスポットをあてること。
やる気のない子がいると、
やる気のある子は、
自分を出しづらくなる。
でも、勇気を持って、
やる気を出してくれてるなら、
その子のやる気に向き合って、
演技力アップに力をかします。
今日は高学年の真面目な男子の演技を、
かなりがっつりみました。
彼は一つ言われた演技的工夫を
ほかのセリフにも活かし始め、
演技力がグッとあがりました。
そしたら、同じシーンの3年が
俄然やる気に!
私の指導にもかぶりついてきました。
そしたら、そのシーンは
いきいきしてきました!
やる気はやる気を刺激しますから、
やる気のある子の火を燃やすのが
全体に火をつける下準備です。
周りから燃やしていく。
彼の良さは先生方みんなにも伝え、
本人にも授業後、呼び止めて、
さらに伝えたら、
はにかんだ笑顔で大喜び。
彼はミュージカルの世界に
すっぽり身を投じてくれるでしょう!
練習中にふざけちゃうのは、
やる気の空回りで
テンションがあがりすぎてしまうから。
それは、一緒に笑いに変えて、
エネルギーを消費させていきます。
今まで遠慮ぎみな女子が
はじけちゃって、笑いがとまらないから、
私もわざわざ笑わせました。
一緒にゲラゲラ笑って、
そしたら、気が済んで
後半は練習に集中してくれました。
こどもは、常に
成長しようとしている生き物です。
その伸びたい芽がで始めた時を逃さずに、
感動を持って眺めていると、
こどもは勝手にどんどん工夫して、
花を開かせていきますね!
今日は本当にグッと伸びた
変化の日だったから、
先生方も
一人一人のこどもの変化に 感動した話が、
職員室でもあふれていて、
みんながニコニコ幸せな時間になりました。