こどもミュージカルの本番が
近づいてきました。
衣装を来た練習が始まると、
いくつかの教室が合体して
公演をする「とぶくじら」の仲間が
一気に仲良くなります。
お互いに、役同士で
集まる時に声をかけあってるうちに
仲良くなって、
その流れでじゃれあったり、
ふざけあったりしています。
でも、友だちになるには
勇気がいります。
その勇気が出せないと、
なかなか輪には入れません。
みんなが仲良くなれるように、
おやつ休憩を長めにとっていますが、
私はその時、
決して手出ししません。
仲良くなるかどうかは、
こどもの世界。
手出しすれば仲良くなれる子もいるけど、
手出しされずに、
自分から一歩踏み出す力を
養ってほしいのです。
あるいは、そういう子に気がついて、
誰か声をかけるか、見ています。
いつも、お菓子を一人で食べる男の子。
みんなの輪にいても、
なんとなくどの輪からも
心の距離を感じます。
同じ役の子とも
なかなか仲良くしようとしません。
彼はこだわりがあり、
興味のない相手には、
アクションしてもらっても
返さないから、
みんなも声をかけようか迷っています。
それが一度、
合同レッスンで周りの子に
おやつをもらってから、
他の子のお菓子が気になり出しました。
普段の教室でも、
みんなのお菓子を
キョロキョロ見ています。
あっ、美味しそうだな。
わけあっていいな。
でも、自分から声をかけなきゃ
もらうこともあげることもできない。
戸惑う彼…さあ、どうする?!
私は離れたところから眺めます。
なかなか声をかけられない彼…
すると、彼の近くにいた
一人の男の子が彼の肩をポンポン!
振り向いた彼に、
食べる?
喜んでお菓子をもらう彼。
自分のをあげようとしたけど、
食べ終わっちゃっていました。
でも、相手の子は、
分け合えるよう、
たくさんお菓子を持ってきているから、
平気みたい。
よかったね。
その後、その男の子と、
その男の子の友だちやお姉ちゃんと
仲良くなっていました。
レッスンをサボって、
マンガを読んだり、
追いかけっこしたり。
やっとみんなに馴染んできた!
嬉しいなぁ
そんな日は、
サボりもOK!
ミュージカルがうまくなるより、
友だちができる瞬間の方が
よっぽど大事だから。
そんなステキな瞬間に
私はこっそり
ワクワク、ニタニタです。