保育科の専門学校の授業は、
総合演習という単位で、
学生が実習にいって
役立つ即戦力を
4人の先生で順に教えます。
だから、前期で終わりです。
地域にむけて開かれる
子育てスクールというイベントで、
各先生の最後にもつクラスが
何かを発表。
それが最後の授業です。
私のクラスは、
もちろん、ミニミュージカルに
取り組みます。
明日はほかのクラスと見せ合う
第一回目の本番です。
学生にとっては、
こどもに見せるより、
同年代に見せる方が緊張します。
同じ学校でやっていくんだから、
あとあとも顔を合わせるし、
恥はかきたくありませんよね。
だからこそ、学生の前で
失敗はできません。
今の今を生きる学生たちは、
昨日の授業では、
暑いし、私が厳しくなるし、
やれやれ…という様子。
私はみんながだれようとも、
繰り返し、繰り返し、
しつこくやり直しながら、
みんなの中に
ミュージカルを打ち込みます。
正直、まあまあできてはいるんです。
4回の授業で、よくぞここまで
がんばったね!
と、いうぐらいに。
でも、まあまあ、やってる表現では
頭の理解にすぎません。
私たちは、
頭の働きが強いから、
つい、頭で理解したら
できた気になります。
表現の世界もしかり。
セリフを覚えて、
動きを覚えただけじゃダメ。
表現が段取りになってしまいます。
体に作品をしみこませたら、
その人のよさと一緒に、
内側からあふれてくるのです。
昨日のレッスンでも、
すでに何人かは、
内側から個性を輝かせ、
キラキラ輝いて
レッスンしていました。
それも最初に
あんなに表現を苦手としていた
表情の固かった学生が!
クラスで
みんなのムードメーカーの
男子学生たちは、
いよいよ熱のある演技!
みをなが、かっこいいと
拍手喝采!!
こういう人がいてくれると、
みんなの中で
まだまだできると、
チャレンジしたくなります。
私はこの授業で、
熱く生きる楽しさを
知ってほしいと思うのです。
夢中になる喜びと感動。
自分を発揮することが肯定され、
自分の表現が拍手を受け、
歓声をあびると、
自信がつき、勇気がわきます。
生きる力は
究極のところ
生きたい気持ちだと、
私は思うのです。
自分の人生にワクワクできて、
まだまだできれと
やりたいことや
楽しい気持ちがあると、
足が未来に向かってくれる。
学生がそれを感じ、
現場で次の世代に
そんなことを伝えてほしいと
私は思います。