昨夜、午前2時、
大阪の小学校のミュージカルでやる
不思議の国のアリスの脚本を
無事、書き終えました。
…と、言っても、
これはあくまで第一段階。
さらに読み直して、
加筆、修正を加え、
さらに配役に合わせて
書き直します。
言わば、
たたき台みたいなものです。
一般的に脚本を書く人が、
どうしているのかは知りませんが、
ボディートーク的な観点から
脚本を書く時には、
やはり、脚本の息のあり方が
重要になります。
まず、一番大切なのは、
その脚本が、ワクワクするものに
なっているかどうか。
書いてる私がワクワクしなきゃ、
まったくつまらない。
だから、私は、
とことん原作を研究し、
物語の中で、作者の目になって、
作品を感じたいと思っています。
なぜ、その物語が、
そんなふうに描かれたのか。
アリスの世界はかなり独特です。
ロイスキャロルという人間。
実物のアリスという少女。
手書きでアリスに贈られた原作と、
出版用に加筆された
『不思議の国のアリス』。
そこからふくらんだ、
アリスのダイジェスト版の物語や、
ポップアップ絵本。
さまざまなイラストのアリス…
できるだけ、アリスに関わることは
勉強していきます。
いくつかの訳の作品も読みます。
1人の家庭教師
ドジソン(キャロルの本名)が、
お気に入りの女の子アリスを、
物語で笑わせようと努力して、
キミと同じだよと、
気持ちに寄り添おうとし、
世の中に感じている
違和感もたくさん書き込み、
まあ…本当にアリスは、
ドジソンという
繊細でピュアな心をもった、
複雑な頭の働きをした人が書いた
ちょっと複雑な愛にあふれた
作品です。
トランプはきられてばかりいるから、
クイーンが人の首をきりたがる。
イギリスのこどもの歌、
マザーグースを
替え歌にして笑わせようとする感じ。
アリスが、体が変わるから
自分がなにか悩んでいるけれど、
いも虫は体が変わることを
すんなり受け入れている。
教訓大好きな公爵夫人や、
お茶ばかり飲んで、
とけないナゾを
話し合っているだけの
帽子屋や3月ウサギ。
すぐに裁判を起こすクイーンは、
裁判の判決を最初から決めている…
社会風刺や批判、
世の中への揶揄が結構あり、
それを物語の彩りにしてある。
そんな、ただ、
不思議の国のアリスを読んだ時に、
わけがわからない
登場人物たちへの疑問が
とけていくのが、
また、楽しい!
その作品の私なりの
本質がつかめたら、
骨格を作ります。
テーマに導かれるような
しっかりした骨格。
そして、
それをイメージ図におこし、
その中のどこに
パフォーマンスを入れるかなど、
ザックリ肉づけ。
面白そうな言葉あそびや、
楽しいCDを集めます。
そして、初めて筆をとります。
音楽的なセリフの流れがあることを
意識して書いていきます。
これは、本当に難しく、
私みたいに音楽のセンスが
乏しいと大変です。
師匠はまさに、
ここが天才的で、
言うとすぐに体にしみこむ
音楽的なセリフを作ります!
私はとにかく、声に出して、
なんども弾むセリフを作る。
いいよどんだら、書き直し。
その中に、
登場人物の明確な個性から
作られるセリフの奥の息が
整理されていること。
そして、こどもが
いきいきする
演出を盛り込むこと。
書き終わって、
客観的に読んだら、
めちゃくちゃ未熟な作品ですが、
書き終わった瞬間だけは、
自分は天才だと思えます。
脚本を書くと、
物語の世界がぐんと深まり、
本当に楽しい!
さあ、読み直さなくっちゃ