今、私は小田原に向かう
新幹線に乗っています。
今年の春、
茅ヶ崎に引っ越した
「とぶくじら広場」の仲間に
会いにいくためです。
その子とは、引っ越すことが
まだ決まっていなかった頃、
「家に泊まりにきて。
ボクの部屋に泊めてあげるから」と、
話していたことがあり、
「じゃあ、そのうちね」と、
返事をしました。
こどもとの約束は大事です。
しかも、夏に茅ヶ崎!
最高でしょっ^_-☆
それともう一つ、
私が小田原に向かうには
理由があります。
私は小5の頃、父の転勤で
大阪から広島に引っ越しました。
小4でやっと出会えた
こどもミュージカルが
続けられなくなり、
辛い思いをしました。
私はさみしくて、
なんども先生に手紙を書きました。
離れていても、先生や仲間、
ミュージカルを思っていると。
そんなある日、
ミュージカルの先生が
広島に仕事で来たついでに、
私に会っていってくれると
連絡がきました。
広島駅の喫茶店で、
先生と向かい合い、
私はレモンスカッシュを
注文しました。
緊張し過ぎて私はうまく話ができず、母が近況を話しています。
私はレモンスカッシュを
飲むしかできません。
勢い良く飲んだら、口の中に
レモンのタネが入りました。
さあ、困った!
先生の前でレモンのタネを
口から吐き出すなんて!
私は5つくらいのタネを
全部、飲み込みました。
しばらく母と先生が話した後、
私はほとんど話もできずに
先生と別れました。
ああ、偉大な人を目の前にするのは
なんと息苦しいものでしょう!
私は偉大な大人じゃなく、
身近な大人になろうと誓った
瞬間でありました。
でも、先生が会いにきてくれた思いは
いつまでも続きました。
それが私のミュージカルの師匠です。
大人になった今でも
師匠の前では緊張して、
思ったことがうまく話せません…(^^;;
こども時代にもらった
あたたかな記憶は、
大人になってもずっと残り、
人を信じる力を与えてくれます。
新しい環境でがんばる親子が、
私に会いたいと願ってくれるなら、
私はどこまでも会いに行こう。
もし、離れた私に
会いたいと願ってくれる人がいたら、
私はできるだけかけつけよう。
私は今、
レモンスカッシュのタネを
思わず飲み込んだ
嬉しくてドキドキが止まらなかった
あの心で、
茅ヶ崎に向かっています。