私の母は、ストーリーテラーです
いろんなところに行っては、お話を聞かせて歩いています。
学校、幼稚園、家庭文庫、図書館…どのくらい話して聞かせているのか、
娘の私には見当もつきませんが、恐らくかなりたくさんです
その母は語ることに真摯で、いろんな勉強会に行って、文学についてや朗読について学んでいます
50歳から始めたのですが、もっと早く勉強を始めたかったと、昨日も言っていました。
そして、ボディートークで朗読を学んできた私からも、朗読を習いたいと言ってくれました。
(なんともまじめな母です)
そこで、さっそく教えることに…。
ボディートークの朗読は、一番最初は「体ほぐし・心ほぐし」で始めます。
日常のストレスを抱えたままでは、自然で素直な表現はできないからです。
普段の体ほぐしよりはサラッとやるつもりが、たまっていた苛立ちが爆発
いろんな日頃の感情が飛び出しました。
体ほぐしが終わったら、自然体運動に入ります。
自分で体や心の在り方を積極的に整えることで、表現する覚悟もできてきます。
非日常のことをするには、それなりの準備が必要ですから
そしていよいよ朗読に。
積み重ねとプロ意識とはすごいもので、
こどもの頃、母親から娘として聞いていたのとは、まるで迫力が違いました
そこで今回は、それをさらにレベルアップする方向を目指しました。
まず、文章を≪起承転結≫に分けてみます。
そして、どこに山が来るか、発見します。
物語の朗読の呼吸配分は、すべて作品の起承転結と共にあるからです
そして、それができたら、それをいったん忘れて、最初の一文から練習していきます。
ここでやっぱり気になるのが、句読点です。
句読点の度に息がとぎれてしまうのです。
「むかしむかし ある王さまが・・・」という出だしですら、「昔々」と、次の文章の間に溝ができてしまいます。
大切なのは、言葉は切れても息が切れないことです。
息のイメージが一つにつながること。
そこで主語と述語を抜き出して、一息で練習します。「ある王様が いました」
そこに少しずつ、修飾語を足していきます。「 むかしむかし ある王さまが いました」
すると、だんだん言いたいことに焦点が合い始めます。
それを歩きながら練習します。
そうすると、頭で考えなくてすむし、息が歩みと共に続くからです。
そして、おのずと文章の山に向かって、息が盛り上がっていくのです。
母は娘に教えられるというところの持つ、恥ずかしさを以前はずいぶん持っていたようですが、
今回は、朗読に没頭してくれていました。
どんな人からでも、自分にとって大事だと思えたら学ぶ母を改めて尊敬しました。
そして、教えたことで自分の中の「自然で素直で豊かな全身表現」に焦点を当てた
ボディートークの朗読法が深まり、ますます母に感謝です
いつかは、学校や大人にも教えていきたいなと、夢が広がりました