製本アーティストの飛ぶ本こと山崎曜です。

手製本から展開した、作品を作っています。

いよいよ7月7日(水)から個展です。

 

展示作の紹介をしています。
 

和紙の感触と透け感を生かした、屏風状の作品です。

 

和紙は、蔵王白石の、紙衣(かみこ)用の、カジノキの紙を、蒟蒻糊を塗り、揉んだものです。ウィキペディアによるとこのカジノキとヒメコウゾの雑種が、和紙用に栽培されているコウゾだそうです。

この作品は2013年に作ったもので、今は無くなってしまった白石和紙の、遠藤まし子さんの紙を使っています。

仙台に住む、製本教室の生徒さんからこの紙を提供していただき、それで作りました。

紙衣は、紙でできた着物です。丈夫でなければならないから、この紙は紙目がはっきりしないように漉かれています。漉き方を詳しく知らないのですが。ちぎってみると確かに繊維がしっかりしていて、どちらの方向でもちぎりにくいです。


縦32センチ。もともと、A4の楽譜を挟むこともできる、というふうにしてできた作品です。

 

 

模様は、うちの生垣の山茶花の花をモチーフにしました。
ナチュラルな色の豚革を形に切って、周りを削いで、貼っています。
それで、ぷっくり盛り上がって見えます。
豚革は知る人ぞ知る、東京の地場産業なのです。(日本産の豚革は品質がよく、ウェットブルーという半加工の状態で随分輸出されているそうです。)

ヨーロッパ手工製本の革の技法を学んだところから始まった私ですが、素材としては紙とか布の方が親しみがあります。

 

手工製本としては、革は山羊や牛が重要視されてますが、私は、地場の革として、豚革に愛着を感じます。
 

三っつまとまった毛穴が、豚革の特徴です。

 

上の写真、真ん中右に、糸の✖️が見えるでしょうか。

心材に和紙を糊で貼ってしまうと、柔らかい味わいが無くなってしまうので、糸で縫い付けています。

ランダムな位置で縫うことで、全体としてふんわり留まっているようにしています。

 

 

 


芯材は透明なプラスチックの一種、ポリカーボネイト板を使っているので、、光が透けるようになっています。LEDロウソクを入れて、行燈風にもなります。

 

 

『山茶花』(税込132,000円)

是非、実物をギャラリーで見ていただけたら嬉しいです。


7月7日(水)からです。

 

銀座のギャラリーおかりやさんで。

 

展示タイトルは、?と! 

 



ところで、東京のコロナの増えぶり怖いです。

私の展示は、急に人がいっぱい居る、という状態になりがちなので、心配です。

直前ですが、いちどきにギャラリー内に居る人数を限定することにしました。

空き状況をご確認いただき、お名前、人数、日時を、ご予約メールでご連絡ください。折り返しメールを返信させていただきます。(予約メールのリンクがエラーになってしまう場合は、tobuhon@icloud.comまでメールをお送りください。)


では、お待ちしております!