昨日、

カッターストーリー⑤で「かた」ができはじめたのですが、

太極拳で例えるならば、
短い「套路(とうろ)」
みたいに一つの流れとして形になったのは、

この 紙定規の発明 によると思います。

動画はこれ。



昨日もリンク貼りましたが、
2016年10月19日の自分のウェブサイトのブログで、

詳しく書いているので、下に、それを改変して、のせます。


日本建築の伝統の技法の

 

尺竿(しゃくざお)

矩計(かなばかり)

 

をヒントに、それはできたのです。

が、もし、

カッターによる切り込みで位置をしるす、
というアイデアがすでにできてなければ、

この尺竿を紙に置き換えたとしても、それほどすごい発明ではなかった、と思うところです。

カッターでの刻み目つけ

 

(それと、端を木の棒にあてる)


ということによって、


この紙定規というアイデアは、


尺竿とは別の種類の


ナイスアイデアになりました。

(そのあと、「位置決めコマ」の発明で、この技は完成に至る、のですが、位置決めコマのことを書くのは少し先になると思います。)

 

ーーーーーーーー

2016年10月19日『紙定規自慢』


Facebookでフェルトボール算数の上野真弓さんが、私の考案した「紙定規」のことをちらりと書いてくれた。「数値化しない」ということにぴっと来てくれたみたい。

そういえば、すごくちゃんとこの紙定規のことを書いてはいなかったな、と思って、元ネタとなった、尺竿とか矩計(かなばかり、と読むそうです)のことを書いた記事をひっぱりだしてきた。

2008年3月の「オークヴィレッジ通信」の記事。筆者の藤岡大典さん、オークヴィレッジさん、転載許可をありがとうございます!

 

この「道具の神髄」の連載、全部読みたいです。

 

特に曲尺にすごく興味があるのですが、この記事と他数点を、うちの教室生徒さんからもらっただけで。。。

 


目盛りのある定規を使うのではなく、

 

一軒の家を建てる専用として、

 

まっさらの木の棒に必要な寸法だけを書き込む、

 

というアイデアに、

 

「ああ!」って思いました。

 

もはやその時の実感は忘れてしまったけど。

 

 


この木の棒を、

 

しっかりした紙のテープに置き換えて、

 

手製本に応用したのが私の紙定規。

 

 

 


ハードカバーの表紙のボール紙を切る時。


従来のやり方だと、

本の中身の寸法を定規で測り、

天地に6ミリ足し、左右は3ミリ引いて、

その寸法を、ボール紙に書いて切ります。

 

私の紙定規を使ったやりかたを

 

以下に書いてみます。

 


紙に位置を書く、というだけでなく、カッターで切り込んで印をつけるというところが、とても、みそです。

 


 

細長いしっかりした紙を、

本の中身にあてて、

鉛筆で大きさをうつします。

 

 

 

定規の目盛りを使って、

 

+6ミリ、−3ミリの位置を鉛筆で書きます。


 

156ミリとかそういうふうに

数値化されていないわけです。

そして、

鉛筆の印を紙のエッジからちょっとだけ、

避けて書いてるのも、

作業上は重要なんですけど、

それは、作業をしてもっらっても、

説明しないかぎり、

意味は読み取りにくいと思います。

 






その紙をボール紙にあてて

 

カッターで、刻み目を入れます。


この刻み目は紙定規にもボール紙にも入ります。







この紙定規の刻み目に

 

カッターを嵌めて、


ボール紙の手前の方に、もう1つ刻み目をいれます。




手前の刻み目ににカッターを嵌めて、

 

そこに定規をあて、

 

 

向こうの刻み目にも合わせると、

 

 

誤差なく切ることができます。


 


紙定規の利点は、

 

確実に平行がカットできること。


鉛筆のマークは幅があるので、

 

マークを書く、カッターをあてる、

 

などの動作のたびに誤差が生じることになりますが、

 

刻み目には、それはほとんどないです。


 

 

この紙定規をとっておけば、

 

確実に同じものを作ることもできます。

 

さらに、寸法の微調整が容易だということがすごくいいです。

 

 

本を入れる箱を作る場合。

 

もうすこし、ゆるい方がいいとか、

 

きつい方がいいとか、そういうことはよくあります。

 

 

数値化された寸法を修正して、

 

もう一つ作るとしても、

 

0,3ミリ増など、小数点以下の数字は

 

手作業の「切り」としては、もはや「勘」となってしまいます。

 

手ではそこまでの精度を出すには、

 

そうとうの技術と注意力が必要になります。

 

ほぼ無理です。

 

 


一方、紙定規なら、

 

使った紙定規よりも、

 

毛筋2本くらい増やす、

 

が簡単にできます。

 

別の紙定規にちょっとずらして刻み目を入れればよいですから。ミリ、ではなく、こんくらい、ってできます。

 

 

その位置が思ったとおりにいかないのなら、

 

何度でも新しい紙定規に刻み目をつけ直せがいいのです。

 

すごく簡単な上に、結果にきちんと反映されます。

 

もちろん、きっちり組み立てる技術は必要ですけれど。

 

 


どうです。画期的でしょう!!

 

 

数値化しない方が、

 

正確にできてしかも、

 

ストレスがないです。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

以上が、書き換えての引用だったのですが、

これが「套路」とか「かた」だな、

と思うのは、理屈を理解しても、

動作がちゃんとできないと、
機能を使いこなせないということです。



今となっては、これは「かた」だ、

と解していますが、

思いついてから、随分長い間、

理屈を理解すれば、いいだけと思っていました。

自分の動きに無意識だったのです。

教えているうちに、

それぞれの指などが、意味のある動作をしている、ということが自覚できていき、

その人の状態によるけれども、

思ったほど、簡単には、

できるものではないのかもしれない、

と思うようになりました。


ちゃんと動けたら、さくさく作業できて、

はなうたまじり、

と、なります!!