何かができる時。
外からの要望があって、そこに自分のやりたいことがうまく結びつく。
というふうに思っていました。
前回紹介した、段ボールキューブの仕組みは、
手作り製本の教科書を作る、という要望があって
できたものです。
その時、さらに、
和本の折帖(御朱印帳によくある形ですね)構造と結びつき、
丸穴を開けるというアイデアでも加わって、
本に掲載の、もう一つの段ボールキューブの形式も、できました。
この「ネタ」は、友達繋がりで、2015年にアメリカのミネソタセンターフォーブックアーツ(MCBA)や、2017年にイギリスのウェストディーンカレッジでも教えるました。
これ↓これはMCBAでの様子です。
奥の二つが、まだ二つ折りのもの、手前6つは二つ折りのを二つ貼り合わせ終わったものです。これを全部はり合わせると、右手前に切れて写っている立方体状になります。表紙はタイルです。
半紙を貼って、障子的な雰囲気にして「まるで障子」と呼んでみました。
「この段ボール使いはすごい!」って書いてるアメリカのブログを友達が教えてくれて、びっくり、かつとても嬉しかったです。
こちらイギリスの時にたくさん切った段ボール。
この時は、こうだったけど、次にやる時は、ここは自分ではやらず、作る人に楽しんでもらおうと思っているところです。
でも、こうやって並べるとすごく美しいです。
こんなふうに曲がりなりにも、海外へも持っていけていたネタなのですが、これが何なのか、どうするためのものなのか、は、よくわからないことに多少のモヤモヤを感じていました。多分「手工製本」が自分の本業であって、これは余興的なもの、と思っていたからでしょうか?
でも、あれから6年たって、コロナの一年を経た、今は、
これでいいのだ!
と思うようになりました。
むしろ、何をするものか、
わからないから、すごくいい❣️
のだ、と思うようになりました。
私は「枠」とか「かた」を作るひとなんだとは、思っていました。
そして、私自身は「枠」を作る自体が遊びなので、
それで楽しいし、
何につかえるのかはわからなくてもかまわない、
と思っていました。
使い方はみんなが思いついた方が楽しいです。
しかし、なんというか、コロナの一年を経て、違う段階にはいったと感じてます。
自分自身にとっても、今は「かた」が機能しだす、という感覚があります。
ただの「かた」だと思っていたのに、自動して、生きはじめる感じ、です。