本日日曜日は休診日となります
また明日より、多くの方々の期待に添えるクリニックを目指して頑張っていますのでよろしくお願いします
本クリニックの主な治療内容
1)脚延長手術
2)小児成長ホルモン治療
3)O脚矯正手術
4)切らない椎間板ヘルニアレーザー治療
5)骨・関節・靱帯・腱損傷(変形性関節症、離断性骨軟骨炎、骨壊死、腱炎・靱帯損傷など)に対するPRP治療
上記治療にご興味のある方、治療をご検討されている方は以下のHPよりご確認ください



昨日より、髄内釘延長についてお話しております。
来院していただいた勉強熱心な方々と意見を共有するために、4つの髄内釘に関して私の考えを書かせていただきます。
多くの方々と意見交換ができたら幸いです。
・PRECICE(1 or 2)

・Fitbone

・ISKD

・Albizzia

髄内釘で延長を行いたい!
と考える場合、
4つの髄内釘の特性を理解しておく必要があります
本日から1つずつ解説してまいります
1)PRECICE
先ず、この髄内釘を開発した会社( Ellipse Technologies, Inc.)
そもそも何の会社なのでしょうか??
歴史のある医療機器会社?
それとも、、、、、
あまり知られてはいませんが、Ellipse は元々自動ドアなどを作っていた会社です。
この会社が、近年医療機器に参入してました。
そのため、Ellipse はもともと持っていた磁石の技術を使って延長できる髄内釘の開発を始めたのです。
ですからこの会社が販売している医療機器は2つのみです
1.PRECICE
2.MAGEC
参考までにMAGECは脊椎側弯症(せきついそくわんしょう)という、生まれつきせぼねが曲がっている患者様に対して、背骨を矯正するために開発された、ロッド(棒)です
側わん症とは

この方(この子)に対して

このように、背骨の両脇に磁石の入ったロットを取り付けて、体外に設置した巨大な磁石で緩徐に矯正していくのです。
側わん症のお子様は、成長に伴い背骨の変形が進行するので、成人までに大変な手術を何回も行わなければなりません。
その手術を1回ですむように、体外から手動矯正できる様に開発されたのですね。
実際使用されたアメリカの先生は、この側わん症は簡単に矯正できるものではないので非常に難しいといっておりました。
話が逸れましたが、PRECICEに戻ります。
これは最も新しい延長型髄内釘です。そのためPRECICEの長期成績や成功率を評価した論文はなく、私の知る限りではPRECICEを紹介する医学論文が3本あるだけです。
今年の3月に行われたアメリカ整形外科学会で、アメリカのDr. Paleyが頑張って売り出し中でした。
なぜなら、PRECICE2の開発に携わっていたからです。
PRECICE 1 (初期のも) は、構造上に非常に問題がありトラブル続きだったのです。
このレントゲン写真

髄内釘が折れたのです。。。。。
そもそもが医療機器メーカーではないので、髄内釘の構造に熟知していなかったのですね!
この折れた部分は2mm程度の細いネジで2つのパートを固定していただけなので、普通に考えれば折れますよね。
このような症例が、後を絶たずEllipse(会社)は慌てて、脚延長で有名なPaley先生のもとを訪れ、共同開発を申し込んだのです。
Paley先生の提案はシンプルで、単純でネジ止めしていたところを無くして、一体化させて1本のロットにしただけです。
この新しい髄内釘PRECICE 2が使用できるようになったのは、去年の年末くらいだったでしょうか。はっきりとは忘れました。
Paley先生は、自分が開発に携われば当然積極的に売り込みに出ます。
3月の学会中に一緒に夕食をとらせていただいた際には、いろいろな事を教えていただきました。
PRECICE 2ならば、私も悪いとは思いません。
しかし、この髄内釘を使用する場合は以下の注意が必要です
専用の巨大な延長器が必要(びっくりするくらい高価)

推奨延長量は、1回で0.33mm 1日3回行います
これは個人では買えません。
延長している間は皆さんどうしますか?
5cm伸ばすのに最低2ヵ月間必要です
通院治療期間最低半年かかります
この2ヵ月間、入院しますか? それとも1日3回(朝・昼・夜)病院に通いますか?? それとも器械を買いますか??
通院期間はどうされますか?半年間定期的に海外まで通うのは現実的でしょうか?
海外での長期入院は多大なストレスがかかります。ストレスは骨の形成に影響します。
しかし、この治療を海外で行った場合、その期間は日本には帰れません。延長が終了し、トラブルがあっても日本では対応ができません。もう一度手術を行った病院にいくしかないのです。
考えただけで、大変な事が分かりますね。
ですから、日本で手術を行う必要があるのです。
本日は、日本で背を伸ばそう!脚延長治療の2回目(PRECICE)についてお話しました
明日は、僕の尊敬している、Dr. John Burch (Texas Scottish Rite Hospital for Children:
アメリカで今1番と言われている小児病院 )先生の意見を踏まえてFitBoneについてお話します


