本日も昨日に引き続き、骨折治療の歴史についてお話します
昨日は骨の治療(骨折治療)の歴史(麻酔•抗生物質•レントゲン診断ができる前)についてお話しました。
本日はその後から現在までの骨折治療についてお話します
19世紀後半から20世紀に入ると麻酔や消毒の技術が導入され、骨折の治療法も大きく進歩したのです。
1897年にはアメリカの整形外科医師であるパークヒルが新たな創外固定を開発しました。しかし骨に刺すピンが木製であったため、感染や固定力の問題を残し、広く使われることはありませんでした。

1902年に骨折治療の父と呼ばれるベルギーのランボットが、現代の骨折治療の原点となる新たな創外固定を開発しました。ランボットは骨に挿入するピンにステンレスを用い、強固に固定できる創外固定を開発しました。この固定器の開発により、足を切断する方が大幅に少なくなり、骨を固定する治療の原点を築きました。

1938年にホフマンが開発した創外固定器は、改良が加えられ現在でも広く整形外科治療に用いられております。

それでは、21世紀の現在において骨折治療はどのように行われているかというと、主には3つです
① 創外固定
② 髄内釘
③ プレート固定



以上骨折治療の歴史を簡単にお話しました。
骨折治療は骨の治療の原点になります。さらに創外固定は、骨折治療における原点であったことがお分かりになったと思います。
紀元前からある骨折治療の歴史の中で1938年に開発された創外固定器は2000年を過ぎた今でも、多くの骨折治療などに用いられております。つまり創外固定は骨の治療として最も確立されたものであるということです。
本日のまとめ

1) 骨折の治療は紀元前3000年に始まっていた
2) 医療の進歩(麻酔・抗生物質)に伴い、骨折の治療に創外固定が使われた
3) 髄内釘やプレートを使った治療が始まった
4) 創外固定が最も歴史の長い治療法である
次回は脚延長の歴史についてお話していきます