職場での出来事です
私は6年前から高齢者施設で働いています。
高齢者施設なので入居されている方が亡くなることも多々あります。
先週、いつも通りに食堂で夕食を食べていたAさん。
車椅子の方で食べ終わったあと静かに座っていました。
顔を見ると顔面蒼白あり。
すぐに声かけし、バイタル測定。
体温、血圧、脈拍、Spo2(酸素飽和度)全て異常なし。食べ物で窒息した様子もなし。
「なんか調子悪いのよね…」と話されていました。
「お部屋に戻って休みましょう」と声をかけ、車椅子を押しながらお部屋まで付き添いました。
会話も可能な状態。
ベッドに戻り、横になった瞬間、突然意識消失。
呼吸も浅くなり、脈も弱くなりました。
「Aさん、大丈夫ですか?わかりますか?」
すぐに気道を確保し、ナースコールで他の看護師にAEDを持ってくるのと救急車を呼ぶように依頼しました。
その間にCPA(心肺停止)。
心臓マッサージ開始。
すぐに他の看護師も駆けつけてAED装着。
救急隊が到着するまで心肺蘇生を続けました。
ここまで数分の出来事です。
15分後に救急車到着。
救急隊員に心肺蘇生を引き継ぎし、これまでの状況を説明します。
Aさんはそのまま大学病院に搬送されました。
救急隊員が来たのと同時になぜか警察官が2名来ました。
警察官にもいろいろと聞かれて状況を説明しました。
救急隊員が警察を呼んだようです。
施設内での突然死だと虐待や不審死を疑われて警察が来ることがありますが生きてる状態で発見したのになぜ?と思いながら対応。
その後、刑事が5名ほど来て取り囲まれて事情聴取されました。
そこでAさんが搬送先の病院で亡くなったと聞かされました。
これから死因を調べるために検死しますと…。
え?
私、疑われてる?
本当に何もしていません。
検死が終わるまで私に疑いをかけられます。
検死の結果、死因は大動脈解離。
事件性なし。
大動脈解離は前触れもなく突然起こるものなので防ぎようがありません…。
解離(動脈が破ける)したときに胸や背中に激痛が走るはずですが高齢だと痛みがない場合もあるそうです。
高血圧などで動脈硬化が進行し、血管が脆くなることが主な原因ですが降圧剤で血圧コントロールできていても起こることがあります。
病院勤務時代も急変や人の死に立ち会うことはありましたが警察に取り囲まれたのははじめてでした。
虐待のニュースが多いので仕方ないですね