皮膚再建
皮膚が何らかの原因で欠損した場合、一般的には開いた皮膚の端と端を縫合することで皮膚は綺麗にくっつきます。
感染がひどいと傷はくっつきませんので、感染への治療が必要になります。
皮膚の欠損が広い範囲に及んでしまうと単純に皮膚を引っ張って縫合することが不可能となります。
そこで、皮膚移植・皮弁形成術などのアプローチが必要となります。
当院での症例
回転皮弁術
右の頬から血が出ているとのことで来院されました。
どうやら喧嘩傷で皮下膿瘍をおこしてしまったようです。
皮下膿瘍とは喧嘩傷から入ってしまったばい菌が皮膚の下で悪さをして膿が貯まってしまう病気です。
猫エイズに感染していた子なので、これが皮下膿瘍を助長させていたようです。
暴れる性格の子なので麻酔下にて傷の消毒をしました。
皮下膿瘍を起こしていた部分の皮膚は壊死していました。
壊死した皮膚を切除して、感染巣の消毒と不良肉芽を除去しました。
皮膚に余裕がないところでしたので、首の部分の皮膚を鼻に持ってくる回転皮弁術を行いました。
手術後感染コントロールを集中的に行いました。
2週間後に抜糸を行いました。
毛もだいぶ生えてきて、傷口も目立たなくなってきました。
皮下膿瘍は早期に発見治療すれば、ここまで広範囲に皮膚が壊死することはありません。
特に外にいく猫ちゃんは喧嘩傷など普段から注意して観察してください。