耳ダニ
耳ダニとは「耳疥癬」や「ミミヒゼンダニ」とも呼ばれ、色々な動物の耳の中だけに生息する小さなダニのことをいいます。
成虫の大きさは0.2~0.3ミリほどで、一度寄生すると離れることはなく、耳の分泌物や耳アカなどを食べて、生涯を耳の中で生活します。
耳ダニの繁殖能力はとても旺盛です。
親犬や親猫に耳ダニが寄生していれば、生活環境には耳ダニの卵がたくさん散らばっているので、必ずと言っていいほど子犬や子猫にも感染しています。
また、たくさんの犬や猫を飼育している場合も同様に一匹が耳ダニに感染すると次々と感染します。
そのほかにも、散歩中に耳ダニに感染している動物と接触した場合、飼い主さんがその卵や幼虫を持ち帰ってしまうことも感染の原因になります。
症状はとにかく激しい痒みがあります。
むしょうに頭を振り、激しい痒みに我慢できず後ろ足で耳を盛んに引っかきます。
また壁や地面に耳をこすりつけることもあります。
これらの刺激により耳血腫になってしまう場合もあります。
そして外耳道には分泌物や耳ダニの糞などが混ざった黒っぽい臭いの強い耳アカがたまっていきます。
治療には耳ダニをやっつける薬を使います。
直接耳の中に入れる点耳薬や首筋につけるスポット剤などがあります。
多頭飼いの場合一匹でも耳ダニに感染してしまったら、他の犬や猫も同時に治療しなければなりません。
一匹が治っても他に感染している…というように感染の輪が広がっていくばかりです。
ダニの卵には効かないので、耳掃除と適切な期間の治療が必要となります。